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【OGC 2009】
SCEJ正田氏、「PlayStation Network」の概要を紹介

 OGC 2009では、「『プレイステーション』をさらに楽しくするオンラインサービス PlayStation Network」と題し、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)の正田純二ネットワークビジネス&サービス部長がPlayStation Network(PSN)の概要について講演を行った。


「ゲーム+ネット」で新たなエンタテインメント体験を提供

SCEJの正田純二ネットワークビジネス&サービス部長
 正田氏はPSNについて「これまでのゲームはディスクベースのソフトとハードが中心だったが、PSNはそこにネットワークサービスという新たな要素をもたらす存在」との役割を説明。「ハードとソフトとネットワークという3つをうまく組み合わせ、ネットワークサービスを通じてユーザーに豊かなエンタテインメント体験を提供することが命題」と考えを示した。

 この命題を実現するための3大要素として、正田氏は「インフォメーション」「ダウンロード」「コミュニケーション」を挙げた。「これまでPSNの機能としてはマッチングやランキング、フレンド、メッセージ、AVチャットといったゲーム関連の機能が注目されていたが、こうした機能をベースとしてさらにユーザーにとって価値のあるサービスをPSNでは提供している」とし、具体例として「PlayStation Store」「PlayStation Home」「アドホック・パーティー for PlayStation Portable」「まいにちいっしょ」の4サービスを紹介した。


ハード、ソフト、ネットワークを組み合わせて豊かなエンターテインメント体験を提供 PSNの3大要素 PSNの機能概要

PSNのアカウント数は国内で190万、ワールドワイドではその10倍

PlayStation Store
 PlayStation Store(PS Store)は、3大要素のうち「インフォメーション」「ダウンロード」の要素が中心となったサービス。ゲームの無料体験版やデモ映像といったプロモーションの側面と、ゲームやアイテムなどを有料販売するコマースという2つの側面を持っったサービスと位置付けられている。

 ゲームの有料配信では、プレイステーション(PS)のソフトをダウンロード販売する「ゲームアーカイブス」を紹介。過去に発売された作品の再配信ではあるが、「時々びっくりするようなヒットがゲームアーカイブスから生まれている」(正田氏)という。また、追加アイテムに関しては「最近ではゲームの開発段階から追加アイテムを前提としているケースが増えており、追加アイテムの人気が急上昇している」と解説した。

 過去の作品だけでなく、PS Storeオリジナルの作品や、パッケージ販売と同時にPS Storeでダウンロード配信する「Newゲーム」も提供。2008年10月にはPSPから直接PS Storeにアクセスすることが可能になり、それに合わせてPSPでもパッケージ版と同時のダウンロード販売を一部タイトルで開始。「ネットワークの時代において、パッケージ以外にもさまざまな形でコンテンツを入手する方法を望んでいるユーザーも多く、こうしたネットワークでの取り組みも行っているとした。

 PSNのアカウント数は2009年1月末の数字で約190万で、PS Storeへの週間ユニークビジター数は約30万、月間のユニークビジター数は約70万。正田氏は「PSNのアカウントは1台で複数取得できるので、“190万人”という言い方はしないが」と断った上で、「PCのオンラインサービスでは100万を超えたアカウント数は非常にインパクトのある数字」とコメント。「ワールドワイドではこの10倍のアカウント数が存在する」との規模を示した。


PS Storeの提供コンテンツ PSPからもPS Storeへのアクセスが可能に 国内のアカウント数は約190万

PS Homeやアドホック・パーティーでコミュニケーションを促進

PlayStation Home
 2008年12月にスタートしたPS3向けの3Dコミュニティ「PlayStation Home」(PS Home)は、「ユーザーのための新しい遊び場」がコンセプト。「すばらしい高解像度の3D空間で、ゲームを楽しんでいるユーザーがいかにコミュニティを作っていけるかを重要な要素として位置付けている」とした。

 このためPS Home内では、アイテムを購入できる「マーケットプレイス」、映像を楽しむ「シアター」、自分の部屋感覚でカスタマイズできる「パーソナルプレイス」といったテーマごとにユーザーがコミュニケーションできるエリアを用意。さらにゲームを題材にしたラウンジといったゲームとの連動も図っており、現在のところ24のライセンシーとSCE内部制作ソフトがPS Homeに参画。3月発売の新作「バイオハザード5」の世界を再現したラウンジや、ゲーム関連のアイテムでアバターをカスタマイズできる機能などを紹介した。

 2009年1月末時点でのPS Homeのアカウント数はワールドワイドで約350万、日本は約35万。正田氏は「今までゲームごとバラバラに存在していたコミュニティを、PS Homeがハブとなって1つにまとめることで、メーカーを超え、ゲームを超え、ユーザーの輪が広がっていくことを期待している」とコメント。「そうすることで実際に友達が増えたり、自分の知らなかったゲームに出会ったりと、エンタテインメントが広がっていく」との考えを示した。

 PS3を介してPSPでオンライン対戦できる「アドホック・パーティー」は、「PS3とPSPとPSNが一体となったユニークな機能」と紹介。2009年1月末の時点で約18万のアカウントが登録されており、動作確認タイトルも約196タイトルに上るなど「旧作の動作確認はほぼ完了している」状況という。正田氏は「遠隔のユーザーとプレイできる新しい楽しみ方をしている人が増えてきている」と語った。


コンセプトは、プレイステーションユーザーのための新しい遊び場 24のライセンシーが参画 ユーザー間コミュニティでさらに深いゲーム体験を

アドホック・パーティー PS3を回してPSPでオンラインプレイが可能に 動作確認タイトルは196タイトル

「まいにちいっしょ」では広告配信など実験的な試みも

まいにちいっしょ
 PS3発売と同時に開始した「まいにちいっしょ」は、「お気軽ネットの実現」を目的にサービスを開始。「ネットワーク機能に初めて触れる人にとって、“ネットで遊ぶ”という今までになかった体験を気軽に体感して欲しい」とし、これを実現するための要素として無料や簡単な操作、認知度の高いキャラクターによる親しみやすさをコンセプトに挙げた。

 ユーザーを飽きさせないための要素として、ゲーム内のキャラクターがニュースを紹介する「トロ・ステーション」は、PS3の発売日から毎日配信を続け、すでに800回を突破。ユーザーへのアンケートも定期的に実施、アップデートもすでに30回を超えるなど、「お気軽ネットを体験してもらうため、どんどんコンテンツが追加されていくことを前提として開発している」とした。

 また、まいにちいっしょは実験的な要素を試す場としても重要だという。正田氏は「これまでにもゲームの動画をアップロードする機能や、PS Storeとは異なるオリジナルのストア機能などを提供しており、ある意味でテストベッド的な要素もある」と説明。広告展開もすでに開始しており、ゲーム内の看板や追加アイテム、トロ・ステーションでのニュースといった試みがまいにちいっしょ内で行われているとした。

 ゲーム関連のネットワーク機能に加え、これらの施策を組み合わせることで正田氏は「ハードの機能とコンテンツ、ネットワークという3大要素を組み合わせることで、プレイステーションのプラットフォーム拡大を図るのが我々の戦略」と説明。「さまざまなデジタルコンテンツを楽しめるエンタテインメントプラットフォームとしてPS3を成長させたい」との展望を示した。


コンセプトは「お気軽ネットを実現」 「トロ・ステーション」のニュース配信回数はPS3発売日から800回以上 広告ビジネスなど実験的な試みも

関連情報

URL
  PlayStation Network
  http://www.jp.playstation.com/ps3/psn/

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(甲斐祐樹)
2009/02/05 17:20
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