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塩田紳二の2003 International CESレポート その2
ビルゲイツSPOTを語る

SPOT腕時計の試作機を披露するビル・ゲイツ氏
 SPOTとは、Smart Personal Object Technologyの略で、Microsoftが推進する、インテリジェントな小型デバイスである。これは、キーホルダーや腕時計、冷蔵庫に付けるマグネットといった小さなデバイスをインテリジェント化する技術。たとえば、腕時計に交通渋滞の情報やその日の予定などを表示させることができるようになる。

 このSPOTは大きく分けると3つの技術からなる。ナショナルセミコンダクタ社が作るチップセット、Microsoftのソフトウェア、そしてデバイスにデータを送る無線システムである。
 チップセットは、ARMプロセッサをベースにしたもので、CPUのクロックは24MHz、512KBのメモリを搭載する。また、SPOTは、個々のデバイスが、個別のIDを持っていてすべてがこのIDで区別される。

 これにMicrosoftがOSとCLR(Common Language Runtime。.NET用のバイトコードインタプリタ)を提供する。SPOTでは、プログラムをダウンロードしてそれを実行することができる。

 もう1つは、無線で、これはFM放送などの空き帯域を使ってデータ送信が行われる。SPOTデバイスは、受信のみで、送信は行なわない。これをMicrosoft DirectBandと呼び、ClearChannel社など6社がこれを行なう。SPOTは、放送の各チャンネルを受信し、自分宛の必要なデータやプログラムのみをメモリに取り込み、交通、株価、天気、スポーツなどの一般情報や、個人宛のメッセージなどを表示する。おそらく、一般情報は、随時送信し、その合間に特定のSPOTデバイス宛のデータ(たとえば、どの情報を受信すべきかや個人宛メッセージなど)を送るのではないかと思われる。

 最初の製品はどうも腕時計となるらしい。このためにシチズン時計、Fossil、SUUNTOの3社が開発を表明している。デモでは、時計の機能を設定すると思われるPC上のソフトウェア画面が公開された。おそらく時計のIDを使って、インターネット経由で、機能設定などを行ない、それをMicrosoftDirectBandを使って時計に送信するのだと思われる。ちなみにこの画面の端に「Billing Infomation」という表示があり、毎月のサービス料などを想定したサービスとなるのかもしれない。

 仕組み的には、見えるラジオやテレビの文字放送などと同じだが、特定のSPOTデバイス向けの情報も送信でき、この点では、放送ではなく通信に近い部分も持つ。

 米国カナダでは今年秋から製品が出荷される予定。その他の国での展開についてはいまのところ未定。日本では、別々の法律で分離されている放送と通信の狭間に入ってしまい、実現が難しいかもしれない。


ダウンロードしたプログラムで、時計の表示方法を変えることができる 時計表示はさまざまなものが選択可能となる

SPOT腕時計の製造には、シチズン時計、Fossil、SUUNTOの日米3社の時計メーカーが名乗りを上げた SPOT腕時計の機能設定ソフトウェア。インターネット経由で設定を行ない、設定データを無線で腕時計に送信するのだと思われる

無線インフラのMicrosoft DirectBandは、米国のラジオオペレーター会社(ラジオ局に代わって送信を行なう企業)であるClearChanndel社など6社が行なう予定 冷蔵庫に付けるマグネットもSPOT対応して、写真や近所のレストランのメニューといった情報を表示させることができるという

家族の写真を表示するSPOTマグネット

関連情報

URL
  2003 International CES
  http://www.cesweb.org/


(塩田紳二)
2003/01/09 21:49
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