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NTT和田社長、「ADSLは情報収集に有効だが、情報交換には不向き」

NTTの和田紀夫社長
 NET&COM2003のキーノート・スピーチでは、NTT(持ち株)の和田紀夫社長が「NTTグループの“光”新世代ビジョンについて」と題した講演を行ない、NTTグループが光ファイバを普及させることによって実現できるビジョンを提示し、光ファイバ普及の必要性を訴えた。

 公演ではまず、5年後の2008年を予想し、光ファイバによって実現できることをドラマ仕立てにしたビデオを上映した。高速回線が普及し、京都とイタリアとの間で、オンライン上で原料の調達や共同デザイン、オンラインによる受注などをこなすストーリーとなっている。カフェでPDAをテーブルにかざすことで、テーブルに自宅のコンピュータの画面を呼び出し、動画メールの受信をするなど、随所に双方向の高速回線で実現可能な事柄を盛り込んでいた。

 このビデオの内容について、和田氏は「5年後のレゾナントコミュニケーションの様子を描いたもので夢物語ではない」と強調、高速回線の普及によって遠隔地とのビデオ会議や、カフェで自分のパソコンの画面を呼び出すといったユビキタス社会も実現するという。また、映像の中で指輪にセンサーやICチップを埋め込み、血圧などの体のデータをネットワークで医師が監視できるシーンについては、「IPv6になれば、こんなものにまでアドレスが振れる」とIPv6化のメリットも挙げた。

 また、和田氏はインターネットにより、中央集権的なネットワークから、エンド・ツー・エンドの形態に移り変わると予測。そのような場合は、ネットワークの品質が問題になるとした。その上で回線の話に触れ、「電話の品質と信頼性、インターネットの柔軟性と低価格、これを満たすものは光ファイバ」「ADSLは情報収集に有効だが、エンド・ツー・エンドの情報交換型には不向き」と述べ、ADSLから光ファイバへの移行が必要との考えを示した。

 さらに和田氏は、光ファイバによって、多くのビジネスチャンスや、利用法が生まれてくることも強調。テレビも光ファイバの普及によって変わっていくと述べ、講演を終了した。


関連情報

URL
  NET&COM2003
  http://expo.nikkeibp.co.jp/netcom/
  NTT
  http://www.ntt.co.jp/

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(正田拓也)
2003/02/06 18:27
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