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NTT-ME講演「企業向けIP電話サービスに求められる機能とは」

NTT-MEの桑原英治氏
 NET&COM2003のフォーラム「ネットソリューションI」では、NTT-ME XePhionビジネス本部の桑原英治次世代ネットワーク事業部長が、「企業向けIP電話サービスに求められる機能とは」と題した講演を行なった。

 2002年後半からさかんに叫ばれているIP電話サービスであるが、桑原氏は「NTT-MEでは1997年からすでにインターネット電話の社内フィールドトライアルを実施していた」とコメント。また、1999年4月1日に「NTT-ME」として発足することを見越した上で、1998年から社内ネットワークのVoIP化を推進してきたと語り、NTT-MEのIP電話に対する取り組み姿勢を説明した。

 1997年のフィールドトライアルは、まだ国際電話の通話料金が割高だった頃に「インターネットを使って電話をできないものか」という考えからスタートしたという。この頃のIP電話は「当たり前ながら遅延が大きくて使い物にならない」ものだったと桑原氏は語る。それでも国際電話の通話料金が高い時代にはニーズは大きかったが、企業向けの電話としては音声遅延、トラフィック輻輳時の音質劣化という点からも使い物になるレベルではなかったと桑原氏は振り返る。その結果「(IP電話のためには)クローズしたネットワークが必要だ」という考えに基づき、自らネットワークを構築する第1歩として社内のVoIP化を推進したのだという。

 その甲斐あって現在のNTT-MEでは、イントラネットにVoIP網を構築、海外240カ国と接続できるネットワーク環境を整えることで、通信料はまたたく間に半減できたという。また、オフィスの引越し時にもLANやPBXの工事が不必要なほか、装置の小型化による余剰スペースの確保など、大幅な経費削減を実現できたと桑原氏は語った。


 続いて桑原氏は「今は追いつき追い越されでどこのキャリアも同じようなシステム」とコメントした上で、NTT-MEのVoIPサービスラインナップについて説明した。ダイヤルアップ接続でNTT-MEのVoIPプラットフォームに接続する「XePhionコール」、企業内のイントラネットと接続する「XePhionコールPro」という2形式の中間にあるサービスが、現在急速にサービス展開されているブロードバンド接続によるIP電話サービスであり、NTT-MEとしても「XePhionコールPro」として提供しているものだという。さらには「究極の電話の姿」として、PBXやサーバーをデータセンターで管理するIPセントレックス方式のサービスを説明。桑原氏は「2003年からはIPセントレックスがIP電話の話題の中心になってくる」と予測、NTT-MEとしてもすでに「XePhioneコールIPセントレックス」というメニューを用意している点を強調した。

 桑原氏はNTT-MEのIP電話サービスについて「コンシューマーも追及するが、どちらかといえば企業に求められる、手厚くメンテナンスもしっかりしたサービスを展開する」とコメント。ネットワークをすべてVoIP化するだけでなく、現在構築しているPBXなどの設備を変更したくないというニーズも含めてネットワーク構築をサポートしていくという。そのため料金もコンシューマー向けよりは高価格となるが、「メンテナンスという意味でコンシューマーとはサービスを分けている」と説明した。

 将来の展望としては「地域IP網の広域化といった流れに乗れば、Bフレッツの普及は急激に加速するのではないか」との展望を示し、IP電話サービスの普及も更に進むだろうという予測を見せた。また、「IPv6もずいぶん前から言われているが、そろそろ爆発するのではないかと期待している」とコメント、IPv6対応サービスも準備を進めていると語った。


関連情報

URL
  NET&COM2003
  http://expo.nikkeibp.co.jp/netcom/
  NTT-ME
  http://www.ntt-me.co.jp/
  XePhion
  http://www.ntt-me.co.jp/xephion/

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(甲斐祐樹)
2003/02/07 20:00
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