NTTは、2月24日と25日の2日間にわたって「NTT R&Dフォーラム2005~ひろがるレゾナントコミュニケーションの世界~」をNTT横須賀研究開発センタで開催している。会場では、NTTグループが掲げる「レゾナントコミュニケーション」の具体像を示す近未来的な展示が注目を集めていた。
■ アイコン操作で簡単にリモートアクセス
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テーブル型情報端末
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NTTでは、レゾナントコミュニケーションを「人や企業などがブロードバンドで双方向に結ばれることで、互いに共鳴(resonant)しながら進歩する次世代のコミュニケーション環境」と位置付ける。展示会場では「ユビキタス環境ローミング」と題して、テーブル型の情報端末で携帯端末やICカードを利用して本人認証し、リモート環境にある動画を再生するなどのデモンストレーションを行なった。
デモで利用されたテーブル型情報端末にはタッチパネルディスプレイが埋め込まれており、左側にローカル環境の情報端末や通信環境などのアイコンを表示。右側にはリモート環境のコンテンツを表わすアイコンが表示される。テーブル型情報端末は家庭や飲食店などでの利用を想定されており、例えば、ある会社員が会社のPCに保存した社員旅行の動画を観たい場合は、家庭のテーブル型情報端末のローカル側アイコンで、LANで接続された「HDTV」と「VPN接続」を指先で選択し、続いてリモート側アイコンから「社員旅行の動画」を選択。画面中央で、「HDTV」「VPN接続」「社員旅行の動画」の順にアイコンを接続することで、動画がHDTVに表示される。
グラフィカルなアイコンを指先でなぞって操作するインターフェイスは、さながらSF映画のよう。会場スタッフは、「難しい機器の接続も指先ひとつで簡単に操作できる。複雑になりがちなアクセスポリシーも機器側で判定してくれるので、一般的なユーザーにも簡単に利用できるのではないか」と説明した。
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テーブル型情報端末のタブレットPC版も展示されていた
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情報端末の画面中央で、「HDTV」「VPN接続」「社員旅行の動画」の順にアイコンを接続することで、動画がHDTVに表示される
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■ 本人認証を行なう携帯型情報端末「レゾナントコミュニケータ(仮称)」
また、本人認証を行なう携帯型情報端末としては、「レゾナントコミュニケータ(仮称)」と呼ばれる試作端末をデモンストレーションしていた。320MIPSのNEC製CPU「VR4131」を搭載し、32MBのメインメモリと約2インチのQVGA液晶ディスプレイを装備する。両手で横向きに持ってコントロールするスタイルで、左手側には上下左右を操るコントロールキー、右手側にも複数のボタンをレイアウト。大きさはソニーのPSPより厚いものの、携帯ゲーム機並のサイズだ。
このコミュニケータはIP電話やテレビ電話も可能だ。また、メニュー画面には、未実装ながらWebブラウザやメールソフトの表示もあり、「将来的にはコミュニケータ1台で、ブラウジングやメール、ファイルのやり取りなどを可能にしたい」という。
また、コミュニケータの親機として、「ブロードバンドアプライアンス」というフレッツフォンに似たIPテレビ電話端末を展示。こちらは、リモートコントロールができることがフレッツフォンとの最大の相違点で、「例えば、ブロードバンドアプライアンスを上手く使えないおじいちゃんに孫がコミュニケータでリモートコントロールして教えてあげる、というシチュエーションもあるのでは」と語った。
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携帯型情報端末「レゾナントコミュニケータ(仮称)」
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コミュニケータの親機として、「ブロードバンドアプライアンス」というIPテレビ電話端末も展示
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コミュニケータはIP電話やテレビ電話も可能だ
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左手側には上下左右を操るコントロールキーがある
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右側には複数のボタンを配置。スライドさせるとテンキーが現われる。
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上側にはCFカードスロットやSDカードスロットが装備。試験端末では、CFタイプカードの無線LANカードが挿入されていた
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■ URL
NTT R&Dフォーラム2005
http://www.nttrdforum.jp/info/
(鷹木 創)
2005/02/24 22:43
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