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オーディオプレーヤーを無線化して外付けスピーカーで聴く!


 ロジテックの「LBT-AS100C2/A」は、ポータブルオーディオプレーヤーやパソコンの音声を、Bluetoothを使って外付けスピーカーにワイヤレス出力するためのアイテムだ。iPodなどの曲を外付けスピーカーにワイヤレス出力したり、パソコンの音声を離れたところにあるスピーカーから出力できる。


ロジテックの「LBT-AS100C2/A」。直販サイトの価格は19,800円。製品は音源となる機器に接続するためのBluetoothアダプタ(左)と、スピーカーなど音声を出力する機器に接続するレシーバ(右)で構成される レシーバは縦置きも可能

スピーカーを手軽に無線化

 「LBT-AS100C2/A」は、正しくは「Bluetooth搭載 Hi-Fiステレオ オーディオトランスミッター」という。製品名は少々わかりにくいが、要は「スピーカーを無線化するための機器一式」と考えれば良い。手元にあるオーディオプレーヤーで再生している音楽を離れたところにあるスピーカーから出力したり、パソコンで再生した音楽を外付けスピーカーにワイヤレス出力することができる。

 本製品は、Bluetoothアダプタとレシーバの2つの機器で構成されている。再生側の機器に取り付けるBluetoothアダプタは、明らかにiPodを意識したカラーリングと質感で、機器とは一般的なライン出力(ステレオミニジャック)で接続する。後述するように、付属のACアダプタを使って定期的に充電する必要がある。

 一方のレシーバは、一見すると小型の無線LANアクセスポイントに見えるデザインで、シルバーと黒を基調としたカラーリングだ。上面はアルミで、オーディオ機器とのマッチングを狙っているように思える。機器とは赤と白のRCAピンプラグで接続する。

 曲の伝送はBluetoothで行なわれるため、音源となる機器とスピーカーを直接ケーブルで接続する必要はない。ポータブルオーディオプレーヤーを胸ポケットに入れたままの状態で、壁面に設置されたスピーカーからワイヤレス出力、といったことができる。


実際にiPodを接続したところ。iPod内の音楽ファイルがBluetoothによってレシーバに伝送される。なお、充電中の通信は行なえない 外付けスピーカーの音声入力端子にレシーバを接続すれば伝送準備完了

レシーバ正面。小型の無線LANアクセスポイントといった外観 レシーバ背面には赤・白の端子を装備

シンプルでわかりやすい接続方法

アダプタ・レシーバ双方にあるボタンを長押しすることでペアリングが開始される
 では実際につないでみよう。初期設定は以下の3つの手順に分けられる。

(1)スピーカー(もしくはオーディオ機器)にレシーバを取り付ける
 オーディオケーブルを用い、レシーバとスピーカーを接続する。スピーカー側の端子が赤と白のRCAピンプラグでない場合は、付属のステレオミニジャック変換ケーブルや、携帯電話であれば4極平型コネクタ変換ケーブルを使用して接続する。ドライバのインストールや機器の設定は必要なく、物理的に接続するだけでOKだ。

(2)音源となる機器にBluetoothアダプタを取り付ける
 iPodなどのポータブルオーディオプレーヤー、パソコンや携帯電話など、音源となる機器のライン出力(ステレオミニジャック)にBluetoothアダプタを差し込む。こちらもドライバのインストールなどは不要なので、パソコンや周辺機器に馴染みのないユーザーでも容易に作業が行なえるはずだ。

 ちなみに本製品にはUSBポート用Bluetoothアダプタとのセット品(LBT-AS100C1/U)も用意されており、こちらに関してはパソコン側にアダプタのドライバをインストールする必要がある。

(3)同期作業(ペアリング)
 レシーバ、およびBluetoothアダプタの電源が入った状態で、両機器の本体にあるボタンを同時に押すことにより、両機器がペアであると認識され、通信が可能となる。ペアリングを行なっている間、Bluetoothアダプタは赤/青に点滅、レシーバ側は青のLEDが点滅する。ペアリングに要する時間はほんの数秒程度だ。この作業は、初めて使う際に1度設定をしておけば、2回目以降は設定不要で自動的に接続を行なってくれる。

 ペアリングが完了した後、パソコンやオーディオプレーヤー側で再生を開始すると、スピーカーから音楽が聴こえてくる。ポータブルオーディオプレーヤーの場合、外出先ではヘッドホンで、自宅ではBluetoothアダプタを経由して外付けスピーカーで、というスタイルで音楽を楽しめる。


ペアリング実行中はLEDが赤・青に点滅する

汎用性が高いぶん、給電などは若干手間

 本製品は、以前紹介したiPod用のBluetoothヘッドホン「icombi(記事URL)」と同様、iPodと組み合わせて利用することができる。BluetoothアダプタをiPodに取り付け、外付けスピーカーに取り付けたレシーバとペアリングして、iPodの曲を外付けスピーカーで聞くことができるのだ。ちなみに、「icombi」付属のヘッドホンと本製品のBluetoothアダプタを組み合わせてみたところ、きちんと通信を確立することができた。

 ただし、機器のライン出力に接続するという構造上、iPod本体から給電可能なicombiとは異なり、別途ACアダプタを利用しての充電が必要となる。1回の充電で6時間の再生ができるとはいえ、少々手間がかかってしまう印象は否めない。とはいえ、iPod専用ではなく、さまざまな機器で使えるよう設計されている以上、これは仕方ないといったところだろうか。

 また、本製品を利用すれば、携帯電話に保存されている「着うた」などのコンテンツを外付けスピーカーにワイヤレス出力することも考えられるが、Bluetoothモジュールを本体に内蔵した携帯電話との直接通信は事実上行なえないことに注意したい。というのも、本製品が採用しているBluetoothのオーディオ伝送用プロファイル「A2DP」に対応していなければ、いかにBluetoothに対応した機器であっても通信は行なえないからだ。本製品を携帯電話と組み合わせて利用する際は、付属の4極平型コネクタ変換ケーブルを介し、送信機と接続するのが原則、と考えたほうが良い。


iPodとの接続時は、Dockのライン端子に接続する方法もある。ただし、この場合はiPod側での音量操作はできない USBポート接続タイプのBluetoothアダプタ(左)とレシーバのセットモデルもラインナップされている

 本製品はドライバのインストールなども必要とせず、パソコンや周辺機器に馴染みのないユーザーであっても容易に設定できるのがウリだ。今回は主にポータブルオーディオプレーヤーと組み合わせた使い方を紹介したが、PCとの組み合わせにも適している。例えば、手持ちのオーディオ機器でMP3の曲を聴きたいが、オーディオ機器がMP3に対応していないので仕方なくパソコンで聴いている、という場合だ。このような場合は、本製品のレシーバをオーディオ機器に接続し、パソコン側にBluetoothアダプタを装着すれば、パソコン内のMP3ファイルをオーディオ機器へワイヤレスで出力できる。汎用的なライン入力端子を用いていることから、さまざまな機器と組み合わせることができるのは本製品の大きな魅力だ。

 ただ、19,800円(同社直販サイト価格)という価格設定はさすがに割高な印象がある。19,800円といえば、PC用の外付けスピーカーはもちろん、場合によってはポータブルオーディオプレーヤーそのものが買えてしまう金額である。ワイヤレスでの再生によほどの価値を見出さない限り、手軽に買うのは難しいかもしれない。しかし、将来Bluetoothモジュールが内蔵された機器が増え、レシーバ単体で利用できる状況になれば、非常に面白い存在なのではないかと思う。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.logitec.co.jp/products/audio/lbtas100c2a.html
  ロジテック
  http://www.logitec.co.jp/


(kizuki)
2005/07/13 10:57
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