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無線探知機×無線アダプタ×アクセスポイントの1台3役! 「電波男」


 プラネックス・コミュニケーションズの「電波男(GW-US54GD)」は、無線LAN探知機とUSB接続型無線LANアダプタの機能が合体した製品だ。外出先で無線LANを簡単に探せるだけでなく、無線アダプタとしても利用できる。これに加え、アクセスポイントとしても利用可能なことが大きな特徴だ。


インパクトのあるネーミング。筐体や無線LAN探知機能はエレコム製品と同一

「電波男」の実売価格は7,000円台とリーズナブル。筐体はエレコムの無線LAN探知機「LD-WIFIDSC/BG」と同一のようだが、無線LANアダプタとしても利用可能な点が異なる。ちなみに製品名は、本田透氏の著作である「電波男」とは何の関係もないと思われる
 「電波男」は、外出先で公衆無線LANサービスを利用する際、電波状態の良い場所を探し、さらにアダプタ機能で接続まで行なえる便利な製品だ。写真をみてお気づきの方もおられるかもしれないが、製品筐体は以前で紹介したエレコムの「LD-WIFIDSC/BG」と配色を除けば、ほぼ同一である。

 しかし、LD-WIFIDSC/BGが無線LAN探知機としての機能しか持っていなかったのに比べ、本製品は無線LANアダプタとしても使えることが大きな特徴だ。ちなみにエバーグリーンからも同一筐体の製品が発売されているが、本製品ではWindows XP/2000に加え、Windows Me/98SEに対応している点、さらに後述の「ソフトAP機能」を実装していることが大きな相違点となる。

 「電波男」というインパクトのあるネーミングが印象的な本製品だが、パッケージはロゴと配色以外は非常にシンプルで、いかにもPC周辺機器というデザインである。もっとも、青を基調とした従来のプラネックス製品にない配色であり、量販店の店頭に並んでいるとかなり目を引くと思われる。

 パッケージに書かれた製品名は「アクセスポイント検索機能付き無線LAN USBアダプタ」となっており、無線LAN探知機よりも、無線LANアダプタとしての機能を主眼に置いていることがわかる。パッケージの形状も、フックで吊り下げられるブリスターを採用していたエレコム製品と異なり、本製品は無線LANアダプタと同様のボックス型パッケージを採用している。そのため、筐体デザインはエレコム製品と同一ながらも、パッケージだけ見るとまったく違った製品であるかのような印象を受ける。


製品パッケージ。ソフトAP機能、XLinkへの対応についてはほとんど触れられていない キャップを外すとUSBポートが露出。充電のほか、無線LANアダプタとして利用が可能

キャップは本体後部に取り付けもできる。ストラップホールも用意されている 製品付属のストラップを装着したところ

電源を入れると、ワイヤレスネットワークの検索がはじまる。画面は英語表示だが、特に支障はないだろう
 無線LAN探知機としての機能は、電源投入時に表示されるロゴを除けば、エレコム製品とほとんど違いはない。ざっと紹介しておくと、電源投入または本体下部のボタンを押せばアクセスポイントの検索がはじまり、液晶画面に検知したESS-IDの詳細情報が表示される。本体上面のボタンを押すことでESS-IDごとに情報を切り替えて表示できるほか、特定のESS-IDに絞って電波状態を継続サーチすることもできる、といったものだ。

 本体のキャップを取り外すとUSB端子が出現し、USB経由で充電が行なえる。なお、一定時間が経過すると電源がオフになる機構は備えておらず、エレコム製品と同じく手動で本体電源をオフにしない限り、バッテリ容量がなくなるまで表示されたままである。この点を考えると、両製品ともにおそらく同一のファームウェアを利用であると推測される。

 余談ながら、パッケージなどに用いられている液晶画面が合成で実物はフォントの視認性が低いこともエレコム製品と類似している。詳しくは写真をご覧頂きたいのだが、このあたりは美化することなく、正確な情報の提供を心掛けて欲しいものである。ちなみにフォントそのものはエレコム製品と微妙に異なり、線がやや細い書体が採用されている。筆者としては、本製品のフォントの方がエレコム製品に比べて視認性は高いと感じた。


見つかったワイヤレスネットワークを表示しているところ。ESS-IDステルスが有効なアクセスポイントでは、ESS-IDが「?????」と表示される パッケージの合成画面と実物の画面では、フォントの視認性が著しく異なる。実物を手にしたときに少々驚かされる点だ

アダプタはWEP 256bit対応、サポート対象外ながらPSPのXlink kaiにも対応

パソコンに装着して、無線USBアダプタとして利用が可能。利用中の充電にも対応する
 無線LANアダプタ機能は、IEEE 802.11b/gに対応し、暗号化はWEP(64/128/256bit)のほかWPA、WPA2にも対応する。USBは2.0に対応。付属のユーティリティのほか、Windows標準のZero Configでも利用が可能だ。余談だが、256bitのWEPに対応した機器は非常に珍しい。ただ、組み合わせ可能なアクセスポイントが、本製品と同時に発表されている「電波王(BLW-HPMM)」くらいしかないことと、WPA/WPA2を利用可能な環境でわざわざWEP256bitを選ぶ必然性はないため、実際に使う機会は少ないだろう。

 また、製品添付のマニュアルにのみ記載がある項目として「PSP Xlink モード」への対応が挙げられる。ユーティリティの該当項目にチェックを入れることで、本製品を接続したパソコンをアドホックモードのPSPと接続し、インターネット経由での対戦を実現する「Xlink Kai」を利用できるというものだ。ただしこの機能については、現時点ではパッケージにもメーカーサイトにも記載はなく、製品添付のマニュアルでもサポート対象外であることが記載されている。

 なお、本製品には全長10cm程度のUSB延長ケーブルも付属しているので、左右のUSBポートに干渉して取り付けられない場合でも、延長ケーブルを用いて装着することができる。フレキシブルタイプなので、電波状況の良い角度で固定できるのは有り難い。


256bitのWEPに対応しているのは非常に珍しい PSPのXLinkモードにも対応。本製品を接続したパソコンをアドホックモードのPSPと接続し、インターネット経由での対戦が行なえる

ユーティリティのメイン画面。右上のプルダウンから、クライアント(無線LANアダプタ)、アクセスポイントいずれかのモードを選択できる 添付のフレキシブルUSB延長ケーブルを使って、電波状態のよい位置にセットすることが可能

「ソフトAP機能」で無線LANアクセスポイントとしても利用可能

アクセスポイントモード(ソフトAP機能)の設定画面。一般的なアクセスポイントの設定項目が並ぶ。最下段でパソコン側のLANアダプタを指定すれば、インターネット接続をブリッジさせられる
 さて、本製品の大きな特徴である「ソフトAP機能」。これは、本製品をパソコンに装着し、ユーティリティ側で「クライアント(子機)」ではなく「アクセスポイント(親機)」を選択することで、そのパソコンを無線LANアクセスポイントとして使える機能である。やや極端な例だが、本製品が2個あれば、1台はノートパソコンに装着して子機として、もう1台はデスクトップパソコンに装着して親機として、インフラストラクチャモードでの通信を行なえるのだ。

 アクセスポイントとしての具体的な利用シーンを考えてみよう。例えば、有線LANしかない環境で、LAN内のパソコン1台に本製品を接続し、モードを「アクセスポイント」に設定すれば、無線LANノートパソコンとの間で無線LAN環境を手軽に構築することができる。パソコンの電源を常時オンにしておく必要はあるが、押入れに眠っている手持ちの古いパソコンを無線LANアクセスポイント代わりに利用するといった活用法も考えられる。

 また、ブリッジとして用いることで、届きにくい無線LANの電波を増幅するといった使い方も考えられる。例えば無線ルータが1階にあり、2階には電波が非常に届きにくいため、有線LANを配線している環境があったとする。こんなとき、2階の有線LANパソコンに本製品をアクセスポイントモードで接続することで、ブリッジとして2階の電波状況を改善することができ、2階でも無線LANノートパソコンを使用できるようになる、というわけだ。

 ただ、これは「本製品のソフトAP機能を使えばこのような構築方法も考えられる」という例であり、アクセスポイントとして利用することを前提に、わざわざ本製品を購入することは少々考えにくい。本製品よりさらに安価な無線LANアクセスポイントはいくらでも市販されているし、ソフトAP機能と異なり、パソコンの電源を常時オンにしておく必要もない。無線LAN探知機として使っていない間は、このような活用方法もありますよ、といったオマケ機能であることは、じゅうぶん理解しておきたい。なお、クライアントモード、アクセスポイントモードは排他利用となる。


リーズナブルな価格設定が魅力。本体色はやや好みが分かれるところか

サイズはUSBメモリよりやや大きいサイズ。カバンの中でもかさばらないだろう
 無線LAN探知機+無線LANアダプタ+無線LANアクセスポイントという1台3役の機能を持った本製品だが、無線LANアクセスポイントとして使っている間はほかの2つの機能は使えないため、パッケージにもあるように事実上の「1台2役」の製品と考えたほうが良さそうだ。

 4月に発売されたばかりの新製品だが、登場時の実売価格が7,000円台の店舗もあり、お買い得感は高い。無線LAN探知機能のみのエレコム「LD-WIFIDSC/BG」が本稿執筆時点で実売8,000〜9,000円前後であることを考えると、こちらを選ばない理由はないと言える。筐体の派手なオレンジは好みの分かれるところだが、エレコム製品が今後価格面での対応が図られない限り、本製品の優位は揺るがないだろう。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.planex.co.jp/product/bwave/gw-us54gd.shtml
  プラネックス・コミュニケーションズ
  http://www.planex.co.jp/

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(kizuki)
2006/05/24 10:55
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