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超小型レシーバーを採用! エレコムのワイヤレスレーザーマウス


 エレコムの「M-D15URシリーズ」は、2.4GHz帯の無線を採用したワイヤレスレーザーマウスだ。最大の特徴は、全長わずか2cmにも満たない、超小型のUSBレシーバーを採用している点になる。

 超小型レシーバーと聞いて思い浮かぶのが、ロジクールが2007年に発売したモバイルレーザーマウス「VX Nano」だ。VX Nanoは、「プラグ・アンド・フォーゲット(抜き差し不要)」というキャッチコピーを採用し、付属レシーバーの小型さをアピールしていた。

 今回紹介するエレコムの「M-D15UR」は、VX Nanoと同等サイズの超小型レシーバーを採用。さらに、実売価格ベースで2000円から3000円ほど安い価格で登場した。そこで今回はVX Nanoとの違いを中心に、本製品のレビューをお届けする。


「M-D15URシリーズ」のパッケージ。本体色はシルバーのほか、ミルクティーブラウン/ブラック/ブルー/ピンク/ホワイトの計6色を用意する 製品本体の外観。標準価格は7560円。手前にあるのが付属の超小型USBレシーバー

オーソドックスな3ボタンマウス。本体サイズはVX Nanoとほぼ同等

マウス本体を手に持ったところ

ロジクール「VX Nano(写真右)」との比較。サイズはほぼ同等
 まずは外観から見ていこう。モバイルが前提の製品ということもあり、本体サイズはデスクトップ用のマウスと比べてやや小型。VX Nanoと比べると高さは多少あるものの、幅と奥行きは微妙に小さく、実際に握った範囲で違いをほとんど感じることはない。

 マウス自体は、オーソドックスな3ボタン方式。5ボタンのVX Nanoと比べて物足りなく感じるかもしれないが、一般ユーザー層を狙った製品だとすれば、リーズナブルな価格帯を実現するための正しい取捨選択とも言える。また、チルト機能などの一部機能を除けば、OS標準のドライバで動作するのは有り難いところだ。

 ボタン数のほか、形状もオーソドックスと言えるだろう。側面にラバークリップを採用するなど高級感を感じさせるVX Nanoには負けるかもしれないが、それでも万人受けするデザインだと考えられる。今回試用したシルバーを含め、カラーバリエーションが6色ある点を踏まえても、万人受けの傾向を後押しするのではないかと思われる。

 解像度は1200dpiで、800dpiのVX Nanoと比べて高スペック。ただし、実際に使った限りでは、VX Nanoでは問題なく読み取れた布の上でカーソルが飛ぶことが何度かあった点は多少気になった。

 単3形電池×1本で動作し、連続動作時間は最大約200時間。単4形電池×2本を利用するVX Nanoに比べて、重量の違いはそれほど感じない。また、電池が収納されるのは本体のやや左寄りでバランスが気になるところだが、筆者が使用した範囲では重量バランスの悪さを感じることはなかった。

 動作中は本体上面のLEDが緑に点灯する。LED自体は電池の残量表示を兼ねており、電池残量が少なくなってくると赤く点灯する。また、本体底面には電源ボタンを装備し、長時間使用しない場合には手動での電源オフにも対応する。


本体側面。オーソドックスな形状を採用している 裏面の向かって左側に電源ボタンを装備する

存在を意識させない超小型レシーバー

超小型レシーバー。全長は18.8mmほど
 続いては、本題の超小型レシーバーに関してだ。レシーバーの長さは18.8mmで、VX Nanoのレシーバー(18.7mm)と、ほぼ同等のサイズ。実際にUSBポートに装着してみても、突出部は8mmと変わらず、ほとんど同一のパーツにも見える。実際に使っていて存在をまったく意識させない点も、VX Nanoのレシーバーと同様だ。

 レシーバー自体は、マウス本体への収納も行なえる。本体後部が上方向にポップアップし、レシーバーの収納および電池の交換が行えるのだ。しかし、実際の利用シーンにおいては、レシーバーのサイズを考えても、ノートPCのUSBポートに装着した状態で持ち歩くケースが多いのではないかと思われる。

 なお、マウスとの通信は2.4GHz帯のワイヤレス方式を採用しており、最長10mの距離で操作が行なえる。通信方式はBluetoothではなく、独自の無線方式を採用するという。


レシーバーの比較(右がVX Nano)。マウスと同じく、サイズは同等 比較のため、両製品のレシーバーをUSBポートに並べて装着した 上方から見たところ。突出部は8mmと同じ

マウスの本体後部はポップアップが可能で、ここから電池交換やレシーバーの収納が行なえる。電源は単3形電池を1本使用する マウス本体にレシーバーを収納したところ

実売価格5000円台でお買い得感は高い

 VX Nanoは、超小型レシーバーが発売当時に話題になったが、当初の実売価格が9000円台だった点がネックとされていた。切り替え可能なプレシジョンスクロールホイールや、拡張3ボタンは、使っていくとその便利さを実感できるのだが、購入前の段階ではその良さの認識はなかなか難しい。このため、超小型レシーバーという特徴にのみ目を向けた場合、9000円台という実売価格で購入を躊躇したケースもあるだろう。

 一方、本製品はオーソドックスな3ボタン構成に超小型レシーバーという組み合わせで、実売価格は5000円台。店舗によっては4000円台で販売されている場合もある。VX Nanoも現在では7000円台まで価格が下がっているが、価格面でのリーズナブルな印象は本製品が強い。また、6色のカラーバリエーションを用意した点も、1色展開のVX Nanoへの対抗面で有利に働くと思われる。

 ともあれ、VX Nanoから1年も経たないタイミングで同サイズの超小型レシーバーを備えた製品が他社から発表された点は、個人的には驚きを禁じ得ない。量販店のラインナップとしては、5ボタンハイエンドのVX Nano、3ボタンスタンダードの本製品というすみ分けが当面続くと思われるが、今後この分野にどういった製品が登場してくるかにも注目していきたいところだ。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www2.elecom.co.jp/peripheral/mouse/m-d15ur/
  エレコム
  http://www.elecom.co.jp/


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(山口真弘)
2008/06/25 11:02
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