リンクシスは27日、12月上旬より発売する新製品の発表会を行なった。発表会場では、ハードウェアVPN対応の無線LANルータやスイッチングハブといった新製品が展示された。
■ 筐体デザインを一新したハードウェアVPN対応無線LANルータ
WRV54G-JPは、インテルのネットワークプロセッサ「IXP425-266MHz」を搭載したIEEE 802.11b/g準拠の無線LANルータ。価格はオープンプライスだが同社直販価格で28,800円。なお、初回3,000台は限定価格として24,800円で販売される。
本体スループットは「IXP425-266MHz」を搭載したことで、WAN-LAN間(SPI有効時)で最大100Mbps、PPPoE接続時で最大98Mbpsを計測した。また、ハードウェアVPN機能もサポートしており、IPsec(3DES)通信時のスループットは最大40Mbpsの性能を持つという。
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WRV54G-JP
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製品概要
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WRV54G-JPでは、多くのリンクシス製品で採用されているブルーとグレーを合わせた筐体デザインを一新。筐体色にシルバーを用いたほか、縦置きと横置きに両対応した製品となる。本体サイズは、199×32×174mm(幅×奥行×高)で、重さは約570g。
■ 240GBのHDDを装備したNASや、WAN側2ポート搭載のVPN対応ルータなど
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EFG120-JP。HDD障害時にはディスク交換により対応。ただし、ユーザー自身で交換した場合はサポート対象外
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「EFG120-JP」は、120GBのHDDを2台装備したギガビット対応ファイルサーバー。価格はオープンプライスだが直販価格で105,000円。
本製品では、DHCPサーバー機能をはじめ、FTPサーバー機能、プリントサーバー機能をサポート。機能面では、ユーザーやグループごとのアクセス権限設定やユーザーごとの保存容量制限、自動バックアップ機能などを搭載する。また、障害発生時には警告音とともに電子メールにて通知が行なわれる。
本体インターフェイスは、LAN側に10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T×1ポートとパラレルポートを1ポート装備する。サイズは290×82×233mm(幅×奥行×高)で、重さは約3.7kg。
「RV082-JP」は、インテルのネットワークプロセッサ「IXP425-533MHz」を採用、WAN側ポートを2ポート搭載したハードウェアVPN対応ルータ。価格はオープンプライスだが直販価格で88,000円。
本体スループットはWAN-LAN間で最大100Mbpsとなるほか、ハードウェアVPN機能をサポートしたことでIPsec(3DES)通信時で最大70Mbpsのスループット性能を実現したという。サイズは290×82×233mm(幅×奥行×高)で、重さは約3.7kg。
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RV082-JP
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製品概要
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■ 金属筐体採用のスイッチングハブ10製品
スイッチングハブは、10BASE-T/100BASE-TX対応の「10/100スイッチング HUB」の6製品と、ギガビットイーサ対応の「Gigabit Ether スイッチング HUB」の4製品が発表された。両シリーズともにオープンプライスで、卓上型のSDシリーズとラックマウント型のSRシリーズがラインナップされている。
「10/100スイッチング HUB」では、卓上型では5ポート搭載の「SD205-JP(直販価格3,900円)」、8ポートタイプと16ポートタイプの3製品。ラックマウント型では16ポート搭載の「SR216-JP(同12,700円)」と24ポートタイプ2製品の合計3製品がそれぞれ発売される。
また「Gigabit Ether スイッチング HUB」は、卓上型では5ポート搭載の「SD2005-JP(直販価格26,500円)」、8ポートタイプの2製品。ラックマウント型では16ポートの「SR2016-JP(同104,000円)」、24ポートタイプの2製品がそれぞれ発売される。
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スイッチングハブ製品ラインナップ
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WCG200-JP。2004年頭にはCATV事業者からユーザーに提供される見込みだという
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このほか、今回行なわれた発表会では、12月発売予定のIEEE 802.11g準拠の無線LANルータ機能を搭載したCATVモデム「WCG200-JP」が展示されたほか、日本未発表の製品も多数展示が行なわれた。
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無線LAN対応USB2.0プリントサーバーと、ゲームアダプタ
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無線LAN対応Webカメラ
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PoEアダプタとUSBプリントサーバー
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無線LAN対応USBアダプタとイーサネットブリッジ
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ペンタイプの無線LAN対応USBアダプタ
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無線LAN対応のメディアアダプタ
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プロジェクターなどの無線化を実現するゲートウェイ
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USB接続のBluetoothアダプタ
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■ DVDプレーヤーやSTBの発売も視野に
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プロダクトマーケティングマネージャの山田泰志氏
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発表会では、シスコ・リンクシス プロダクトマーケティングマネージャの山田泰志氏が今後の製品展開について説明を行なった。
山田氏によれば、同社が日本国内で販売する製品には型番末尾に“-JP”をつけているという。しかし、2003年2月に発売した無線LAN機器については日本のニーズを理解し切れておらず「率直な反省点として、ユーザーに十分に受け入れられなかった」と語った。
一方で、日本国内専用モデルとして7月に発売したルータ「BEFSR41C-JP」は、現在でも有線ルータ市場の中で3%のシェアを確保しているという。その上で、山田氏は日本の需要を掴んだ製品を投入することで「十分に成功を得られる」とコメントした。
続けて、今後の市場展開についても説明。山田氏によれば、これまではコンシューマ市場を優先してきたが、今後はSOHOをはじめとした中小企業や、CATVなど事業者などに対しても展開していきたいとした。
発表会には、シスコ・リンクシス ゼネラルマネージャの中林千晴氏も出席し、同社と親会社となるシスコ・システムズに位置づけについて説明を行なった。同氏によれば、シスコ・リンクシスはシスコ・システムズの一部門という位置付けで、製品展開に際しては「リンクシス」ブランドを引き続き利用していくと語った。
また、今後の製品ラインナップについては無線LAN機器の拡充を行なっていきたいという。具体的には、無線LAN対応のDVDプレーヤーやセットトップボックスなどエンターテインメント関連の機器を発売したい考えを示した。なお、その際に利用する無線LAN規格については必ずしも「IEEE 802.11gにはこだわらない」として、Bluetoothなど他の無線規格も視野に入れているとした。
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ゼネラルマネージャの中林千晴氏
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製品化の検討が行なわれている無線LAN対応製品
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■ URL
ニュースリリース(WRV54G-JP)
http://www.linksys.co.jp/press/2003/20031127_wrv54g.html
ニュースリリース(EFG120-J)
http://www.linksys.co.jp/press/2003/20031127_efg120.html
ニュースリリース(RV082-JP)
http://www.linksys.co.jp/press/2003/20031127_rv082.html
ニュースリリース(スイッチングハブ製品)
http://www.linksys.co.jp/press/2003/20031127_switch.html
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(村松健至)
2003/11/27 18:37
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