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MSNメッセンジャー 7.0正式版で追加された新機能をチェック!!

 ベータ版の提供から約3カ月を経て正式版から公開された「MSNメッセンジャー 7.0」。単なる不具合修正に留まらず、正式版からの新機能も用意されている。実際に7.0正式版をインストール、新機能をチェックする。





相手のアイコンや状態確認といったプレゼンス機能が強化

 7.0正式版では、プレゼンス機能が強化された。プレゼンス機能とは、自分や相手がいまどのような状況なのかを確認できる機能だ。MSNメッセンジャーでもっとも基本的なプレゼンス機能は「状態設定」だろう。メッセンジャーにサインインしている際、「取り込み中」「一時退席中」「昼休み」といった状態を設定することで、自分が今何をしているのかを相手に伝えられる。

 従来までのMSNメッセンジャーでは、状態設定は「オンライン」のままでしかサインインできなかったが、7.0ベータではサインイン前から状態を設定できるようになった。正式版ではこの機能がさらに一歩進み、指定した状態をデフォルトに設定し、常に「オフライン」「取り込み中」などの状態でサインインできる。


サインイン前の状態設定は7.0ベータから可能だが、7.0正式版ではオンライン以外の状態をデフォルトに設定できる


名前以外に現在の状態メッセージを表示できる
 MSNメッセンジャーでは、自分の名前の後ろに最近の近況や注目しているアイテムなどを付けて、ユーザー独自のプレゼンス状態を通知しているユーザーも多いだろう。以前までは常にオンラインでサインインするため、その日の気分で名前を付けたくても、前日に設定した名前でサインインしてから改めて変更するしかなかった。7.0であれば先にオフラインでサインインしておき、名前を変更してからオンラインで本日の名前を通知することが可能だ。

 また、正式版ではメンバに公開する名前のほかに、他のメンバへ表示できるメッセージ欄も用意された。この機能を使えば、わざわざ長い名前にせずともその日の気分などを表示できる。この機能は7.0正式版のユーザー間でのみ使える機能だが、7.0が普及すれば「山田@出張中」のように、わざわざ名前の後ろにプレゼンス状態を設定する必要がなくなるかもしれない。

 この表示メッセージ欄には、Windows Media Playerで再生中の楽曲名を表示することもできる。表示されるのはID3タグの楽曲名とアーティスト名で、ID3のタグ情報がない場合はファイル名が表示される。仕事で録音したMP3ファイルなども、Windows Media Playerで再生すれば表示の対象となる点は注意しておこう。


Windows Media Playerで再生中の楽曲を表示できる 楽曲再生時にはポップアップで状態変更を通知

 MSNメッセンジャー 6.0からは、任意の画像を自分の表示アイコンとして設定できたが、7.0正式版ではこのアイコンがメンバ一覧画面にも表示できるようになった。ただし、初期設定のままではアイコンが小さくて確認しにくいので、設定でアイコンを大きくしてみよう。前述のメッセージ欄が2段表示になるため、相手の状態がよりわかりやすくなる。なお、表示アイコンは初期設定でも数種類が用意されているが、メインウィンドウにアイコンも表示した場合、同じアイコンがたくさんあるとどれが誰なのかは見極めにくい。円滑なコミュニケーションを図るためにも、できるだけ自分だけの画像を設定しておくことをオススメする。


左が通常表示、右が他メンバのアイコンを大きい画像で表示した画面





全画面でテレビ電話機能が利用できる「ビデオ会話」

「ビデオ会話」の全画面表示機能。左下のボタンをクリックすると通常の画面に戻る
 7.0正式版で追加された機能の中で最も大きな変更点が「ビデオ会話」機能の追加だろう。今までMSNメッセンジャーでは、相手へ一方的にビデオ映像を送信できる「WebCam」が搭載されていたが、お互いに映像を送り合うと同時に音声でも会話できるのがビデオ会話機能だ。

 見た目は今までのWebCamによく似ているが、最大の違いは「全画面表示」が可能になったこと。Webカメラとマイクがあれば、PC画面をフルに活用したテレビ電話が可能だ。全画面から元のサイズに戻す際は、画面左下のマークをクリックするか、「Esc」キーを押せばいい。また、画面サイズは全画面以外にも「小」「中」「大」にも設定できる。

 実際に社内のLANとBフレッツ回線の間でビデオ会話機能を試したところ、何の問題もなく映像が映し出された。なお、ビデオ会話機能は7.0正式版で新たに搭載された機能のため、以前のバージョンのMSNメッセンジャーやWindows Messengerと利用する場合は、従来通りWebCamやビデオチャットを利用することになる。


初期設定の画面サイズは相手が「中」、自分が「小」 画面サイズをお互い「大」に設定




アニメーションするアイコンや写真の共有機能も追加

「ウインク」機能。ビデオ会話中にも利用できる
 Flashベースの音声付きアニメーションをメンバに送信できる「ウインク」機能は、7.0ベータでは米国製のアニメーションだったが、正式版ではYnotがアニメーションの開発を担当し、より日本向けのアニメーションが収録されている。

 メッセージ入力欄を使って手書きの文字や絵を送信できる「手書き入力」機能はベータ版から大きな機能変更はないが、テキスト入力とのタブ切り替え画面がアイコンに変更された。手書きのメッセージやイラストは履歴には残らないが、コピーして保存することが可能だ。

 7.0ベータからサポートした、相手の会話ウィンドウをサウンド付きで揺らす「シェイク」機能は、ユーザーのフィードバックを受けて動く時間が短縮されている。なお、相手がウィンドウを最小化している場合、相手側のタスクバーは点滅するものの、その後にウィンドウサイズを元に戻しても相手の画面に「シェイクを送信しました!」というメッセージが残るだけで、画面はシェイクされない点は注意が必要だ。


7.0正式版のウインクはYnotが開発した日本オリジナル 手書き機能のタブはアイコン表示に変更

コンテンツパック機能は現在のところまだ利用できない
 カスタマイズ面では、「コンテンツパック」という新機能が追加された。ボタン1つで特定のテーマに沿った背景やアイコンなどを一気に設定できる機能で、会話ウィンドウに表示されるプレゼントの箱のデザインをしたアイコンから設定できる。現在のところコンテンツパックの機能そのものは提供されているが、実際に利用できるコンテンツパックは用意されていない。

 デジカメで撮影した画像をリアルタイムに共有する「フォト共有」機能は会話ウィンドウの右側に共有した画像を表示しながらテキストチャットが楽しめる機能。画像はスライドショー形式で表示することも可能だ。

 フォト共有を利用する場合は、「PhotoPickerConverter」というソフトのインストールが必要になる。また、ActiveXの設定によってはフォト共有機能を利用できない場合があるので、その際はInternet Explorerの「インターネットオプション」から設定を変更してみよう。

 フォト共有では、画像のドラッグ&ドロップには対応せず、「写真の追加」から画像を追加していく必要がある。スライドショー表示はフォト共有を行なった側でのみ操作が可能だが、ファイルの保存は相手側でも可能だ。また、片方がフォト共有を終了した場合、相手側のスライドショー操作や画像の保存が可能になる。


「フォト共有」機能。相手と画像を共有し、スライドショー形式で表示できる





7.0ベータから追加された機能もチェック

MSNスペースを開設しているユーザーは左側に星マークが付く。画面下部にはMSNサーチのウィンドウが追加された
 最後に7.0正式版では変更はないものの、ベータ版から実装されている機能についても確認しておこう。

 7.0の特徴の1つは、他のMSNサービスとの連携だ。ブログサービス「MSNスペース」も利用しているユーザーの場合、メッセンジャー画面にブログの更新が通知されるほか、サインイン状態を保持したままメッセンジャーから自分のMSNスペースへ移動することが可能だ。また、MSNスペースに登録されている音楽リストや写真などを表示するコンタクトカードも利用可能になった。なお、ブログの更新通知は現在のところ、何も更新していなくてもメッセンジャーに通知されてしまうが、この点は現在改善を図っているところだという。

 メインウィンドウの下部には、「MSNサーチ」の検索ウィンドウが搭載された。また、メッセンジャーの会話の任意の部分をドラッグして選択、右クリックから該当のキーワードをMSNサーチで検索することもできる。MSNサーチは現在新エンジンのベータ版が公開されているが、正式版の公開時には検索結果をメッセンジャーで共有する機能も搭載される予定だ。

 カスタマイズの利便性も7.0ベータから向上しており、ドラッグ&ドロップ操作でアイコンや背景を変更できる。また、サインインした際のポップアップ表示にもアイコンが表示されるようになり、アイコンの重要度が増している。なお、ドラッグ&ドロップの対応により、会話ウィンドウの操作方法は7.0から変更されている。従来までファイル送信は会話ウィンドウにドラッグ&ドロップすればよかったが、7.0ベータからは画面上部にドラッグ&ドロップすると背景の変更、テキスト入力欄にドラッグ&ドロップするとファイルを送信できる。画像ファイルを送信する場合、間違って画面上部に送ってしまうと背景が変更されてしまうので注意しよう。


関連情報

URL
  MSNメッセンジャー
  http://messenger.msn.co.jp/

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(甲斐祐樹)
2005/04/07 14:37
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