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販売店向けNTTのブロードバンド戦略「街を歩けば光にあたる」

R&Dビジョン担当部長の児島治彦氏
e-ライフアメニティサービス
 社団法人電話取引業協会は、6月7日にNTT第3部門 R&Dビジョン担当部長の児島治彦氏を迎えた講演『NTTのブロードバンド戦略 「HIKARIビジョン」の実現に向けた研究開発戦略』を行なった。

 この講演は、総務省が5月15日から6月15日まで実施している「情報通信月間」共催によるもの。電話取引業協会員および一般参加者の計300名を対象として、日本国内のインターネット事情およびNTTの戦略についての講演を行なった。

 NTT R&Dビジョン担当部長の児島氏は、電話などのユーザーとユーザーをつなぐだけの電気通信ネットワークを第1世代、インターネットのようなユーザーと情報をつなぐ情報通信ネットワークを第2であると説明、第3世代のネットワークとして「情報流通」というキーワードを示した。これは意味を持ったデジタルデータのやりとりによって、放送、音楽などの「コンテンツ」、流通、製造といった「コマース」、教育、医療分野における「コミュニティ・コラボレーション」といった市場をネットワーク上に実現することを意味しているという。

 情報流通の推進にあたってNTTの掲げる「HIKARIビジョン」とは、単にFTTHサービスのみを指すのではなく、FTTHを中心としてNTTが行なっていくサービス全体を象徴する言葉として使用しているという。具体的には、FTTHサービスおよびそのネットワーク上で展開する情報流通サービスを「光ソフトサービス」、無線技術や機器を利用し、どこからでも情報アクセスを可能にする「ユビキタスサービス」を柱としたNTTの展開するサービス全体を指している。「HIKARI」という言葉は、日本がFTTHネットワークにおいて世界に類を見ないほど普及していることを鑑み、光サービスを日本が中心となって国際的に発展させていくという意味をこめてローマ字表記にしているという。

 NTTグループ全体の方向性としては、HIKARIビジョンと合わせ、コンテンツ事業者やISP事業者などとの連携を図った「アライアンス」およびNTTグループ全体の持つサービスやリソースを活かした「グループ総合力」が最も重要な要素になるとした。また、HIKARIビジョンのキャッチコピーとして「街を歩けば光にあたる」という文章を紹介、ユビキタスサービスおよび光ソフトサービスの推進を強調した。

 なお、NTTは4月に発表した3カ年経営計画の中でIP電話への全面移行を表明しているが、児島氏によれば現在のVoIPサービスはあくまで基本音声サービスしか提供されておらず、警察や消防などへの通話、発着信制御といった必須機能をIP技術で実現することは難しいとコメント。また、キャッチホンやフリーダイヤルなどのサービスも未提供であり、収益と設備投資を考慮しつつこういったサービスの対応を図るものの、既存の電話並みのサービスを提供するのは難しいともした。

 講演ではNTTが行なっている実験サービスも紹介、入院患者と家庭をネットワークでつなぎ、家族とコミュニケーションをとることができる「e-ライフアメニティサービス」、東京ニュース通信社と協力して行なっている「ブロードバンドTVガイド」などを紹介した。


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http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/04/19/ntt.htm
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□NTT
http://www.ntt.co.jp/

甲斐祐樹
2002/06/07 19:59

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