総務省は7月2日、「平成14年版 情報通信白書」を公表した。同省が定期的に発表するインターネット関連の統計情報や各種アンケート結果、事例などが解説されている。Webサイト上で全文および概要が公開されており、無料で閲覧できる。
今年度版の情報通信白書は全3章構成。第1章では「IT活用型社会の胎動」と題された特集が組まれており、企業・自治体・個人・横断的課題という4つのポイントを挙げ、それぞれの現状と課題をまとめている。続く第2~3章では「情報通信の現況」と「情報通信政策の動向」として、関連産業やe-Japan戦略の動向について解説している。
特集ではまず統計情報として基本的な情報が掲載されている。現在、国内のインターネット利用者数は5593万人で、そのうちADSLを含めたブロードバンド加入者数は386万9000人。人口普及率では44.0%を数えている。
また「個人」分野のアンケートに目を向けると、利用者の66%がインターネットを必要不可欠なものと解答している。これはインターネット上のアンケート調査サイトで収集されたデータであることから偏りがあるとしながらも、インターネットが「生活必需品」になりつつあることが伺える。
実際のインターネット用途は、電子メールや情報収集を中心とした活用が大部分を占めながらも、オンラインショッピング利用者の増加率が37.8%ともっとも高い。ネットオークション利用者の伸びも25.6%と増加が顕著なものであることがわかる。
回線のブロードバンド化によって普及が期待されるオンラインゲーム利用者の伸び率は13.1%、動画のストリーミング再生は19.9%と数値的には奮わなかったが着実に増加しつつある。
しかしながら居住地域や年代別の利用者格差が依然として存在することも指摘している。年代別のアンケートによると、10歳代の解答者は72.8%がインターネットを利用しているのに対し、50歳代になると約半分の36.8%、60歳代ではさらにその半分の15.9%にとどまっており、解消すべき課題の1つとして挙げている。
なお特集の前文では、「ネットバブル」の崩壊によってIT自体を軽視する風潮が一部にあることを戒め、IT本来の目的を再確認する必要性を説いている。IT基本法ではその目的として「ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現」「経済構造改革の推進と産業国際競争力の強化」などを提示しており、これらの実現にむけた本格的なIT活用は、ようやく始まったばかりだと述べている。
□ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020702_1.html
□情報通信白書
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm
□関連記事:総務省、平成13年「通信利用動向調査」の結果を発表
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/21/soumu.htm
□関連記事:総務省、DSL加入者数を発表。300万回線の大台を突破
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/06/07/dsl.htm
□関連記事:総務省、「e-Japan重点計画」を発表
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/10/ejapan.htm
□総務省
http://www.soumu.go.jp/
(森田 秀一)
2002/07/02 18:55
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