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アイピートーク、モバイル端末から利用できるIP電話サービス

アイピートークの内藤昭彦社長。手にしているのがモバイル IP Talkのコンセプト端末
 三菱電機とアイピートークは、モバイル端末を利用したIP電話サービス「モバイル IP Talk」を発表した。端末にコンパクトフラッシュ型の無線LANカードやカード型PHSを接続し、IP Talkの加入者と無料で通話できる。また、IP電話事業者と提携することで、固定電話などへの通話も対応する予定。10月1日より幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2002」に、モバイル IP Talkを含めたアイピートークのサービス群が展示される。

 アイピートークでは、固定電話に専用のアダプタを接続して利用するIP電話サービス「IP Talk」をすでに提供している。個人向けサービスの場合、初期費用3980円、月額費用980円を支払うことでIP Talk加入者間の通話が無料、加入者以外への通話はユーザーが加入する電話回線に切り替える仕組み。三菱電機独自の技術であるHCAP(HTTP-based Conference Application Protocol)方式を採用、DHCPによる動的IPアドレスやルータ下のプライベートアドレスからも利用できるのが特徴だ。

モバイル IP Talkのコンセプトモデル。デモ環境ではIPアドレスが登録された短縮ダイヤルで通話する
 今回発表されたモバイル IP Talkは、オフィスやホットスポットなどの無線LANを利用し、IP Talkが利用できるサービス。IEEE 802.11bに準拠したコンパクトフラッシュ型の無線LANカードを端末に装着してサービスを利用する。国内だけでなく海外でもIEEE 802.11bに準拠した無線LANホットスポットなどからモバイル IP Talkを利用できる。IEEEE 802.11aや802.11gといった方式にも対応する予定。

 端末のコンパクトフラッシュ用スロットにはカード型PHSを装着することも可能で、DDIポケットの定額制データ通信サービス「Air H"」を使用した通話もできる。将来的にはSDカード型の無線LANカードやカード型PHSにも対応する予定。なお、モバイル IP Talkと同仕様の「PDA版 IP Talk」「パソコン版 IP Talk」も今回発表されており、様々な形態のIP Talk同士で無料通話が可能になる。

 モバイル環境でのIP電話サービスは、場所の移動によってIPアドレスが変化するといった問題があったが、モバイル IP TalkではHCAPに加え、端末から数秒程度の間隔で管理サーバーにアクセスすることでモバイル端末からのIP電話サービスを可能にしたという。

裏面にはコンパクトフラッシュ型の無線LANカードが装着。
 すでにサービスを提供しているIP Talkの場合、IP Talk加入者以外へ通話するには通常の電話回線を利用できるが、モバイル IP Talkの場合はIP電話サービス事業者と提携することで一般電話への通話をカバーするという。つまり一般電話への通話料金や携帯電話・PHSへの通話といったサービスの詳細は提携するIP電話事業者次第ということになる。一般電話への通話料金は3分10円以下とする予定。提携するIP電話事業者としては、SIP(Session Initiation Protocol)を採用したゲートウェイを構築している数社と話が進んでいるという。また、先日の事業説明会で屋外で携帯電話端末から利用できるIP電話サービスを提供する予定としていた鷹山は、このモバイル IP Talkを採用する。

 モバイル IP Talkからの発信は通常の電話番号を利用する。着信の場合は特定の番号の羅列を割り当てることができるが、アイピートークでは9月から総務省が割り当てを開始する「050」を取得する予定。

 モバイル IP Talkの端末は通話だけでなく、インターネットやEメールにも対応する。iモードのような制限されたサービスではなく、パソコンやPDAで利用できるインターネットをそのまま利用できるという。OSはWindows CEといった既存のものや、独自のOSどちらも搭載可能であり、どの方式にするかは今後検討していくとしている。

 現在のところモバイル IP Talkは特定の認証方式を採用していない。そのためWEPやESS IDなどを利用して認証を行なう無線LANエリアでは利用できないが、これについては検証実験やモニター実験を通じた上で、標準的な認証方法にはファームウェアなどの形で対応していく予定だという。

 モバイル IP Talkに加え、PDA版 IP Talkやパソコン版 IP Talkは、10月1日より幕張で開催されるCEATEC JAPAN 2002に出展される。その後マーケット動向調査や実証実験を踏まえた上で2003年度早期には試験サービスを開始、2003年のできるだけ早い時期に事業化を予定している。

 アイピートークの内藤昭彦社長は、モバイル IP Talkが利用できる無線LANというインフラとモバイル IP Talkというサービスは「鶏が先か卵が先かという問題」と比喩、無線LANのインフラという鶏を待たずにモバイル IP Talkという卵を生み出すことで、インフラの普及が伸びるという相乗効果を期待していると語った。また、モバイル IP Talkに割り当て予定の「050」と言う番号が、「将来的には次世代携帯電話の番号になるかも」と冗談めかしながらも、このサービスへの強い自信を覗かせていた。


□ニュースリリース
http://www.iptalk.net/mobile.htm
□関連記事:三菱電機グループのアイピートーク、5月頃にIP電話サービス開始へ
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/04/08/iptalk.htm
□関連記事:鷹山、IP電話やデータ通信などの新事業に関する事業説明会
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/26/yozan.htm
□アイピートーク
http://www.iptalk.net/
□三菱電機
http://www.melco.co.jp/

甲斐祐樹
2002/09/25 15:18

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