セブン&アイのnanacoと並ぶ流通系の電子マネーが「WAON」です。そんなWAONのポイントサービスの詳細を見てみましょう。
■ 商店街でもWAONポイント
WAONのポイントサービスについて紹介する前に、最近に発表された興味深いニュースを紹介しましょう。
年明け早々の業績予想修正も大きなニュースでしたが、ポイントサービスとして注目したいのは2008年12月18日付けで発表された「横須賀市久里浜地区の6つの商店街区で12月20日よりよりイオンの電子マネー「WAON」が利用可能になる」というニュースリリースです。
京急久里浜駅には6つの商店街区とイオングループが展開する「ジャスコ久里浜店」が存在しますが、この商店街にWAONの導入を進めることで、商店街での買い物にもWAONを利用することができるようになり、さらにWAONポイントが貯められるようになります。
同リリースの中で、イオンは「地域との共生」を電子マネー事業のテーマの1つであると紹介していますが、これまで対立しがちだった大手スーパーと地域商店街が、電子マネーでつながるというのは、なかなか面白い試みと言えます。
商店街の買い物で発行されたポイント分は商店が自ら引当てておくのか? 将来的にジャスコやミニストップで貯めたポイントが商店で大量に使われるようになったとしても日々のキャッシュは回るのか? とスキームに関しての疑問は湧いてきますが、電子マネーの広がりが期待できるサービスと言えます。
ちなみに、筆者宅周辺の商店街では、未だにスタンプ台帳に切手のようなスタンプを貼り付けるサービスが行なわれています。これはこれで趣があって嫌いではありませんが、もし仮にこのスタンプが電子マネーのポイントに置き換わったとしたら……、と想像すると、一消費者としてはさぞや便利だろうと思われます。
久里浜地区のサービスには、ぜひ期待したいところです。
■ 基本は200円の買い物で1ポイント
それではWAONのポイントサービスの詳細について見ていきましょう。
まずは、いつも通りポイントの種類から見てみます。WAONもプリペイド式の電子マネーですから利用するにはチャージが必要になります。しかし、このチャージに関してはポイントは基本的に付与されません。
WAONへのクレジットチャージには、イオンカードを利用することになりますが、チャージをしても、イオンカードの「ときめきポイント」は付与されません。
イオンバンクカードを利用している場合、現在開催されているキャンペーンによって、オートチャージ200円につき1WAONポイントが付与されますが、これは2009年6月30日までの期間限定となります。
このため、WAONのポイントサービスは、基本的に商品購入の支払いにWAONを利用したときに付与される「WAONポイント」のみと考えると良いでしょう。
■ WAONポイント獲得のカギは時間軸
続いて、具体的にどこで何を買うとどれくらい「WAONポイント」が付与されるのかについて見ていきましょう。
基本となるのは、イオングループの店舗を筆頭にWAON提携店で支払いに利用すると、200円あたり1ポイントが付与されるというものです。
ライバルとなる同じ流通系のnanacoは100円あたり1ポイントですから、少々物足りない印象はありますが、WAONの特徴はポイントが付与される対象範囲の広さです。前述した商店街もそうですが、WAONが使える場所であれば基本的にどこでもポイントが付与されます(nanacoは基本的にグループ内での利用のみポイント付与対象)。
このため、支払いには使えるけどポイントは付与されないということは、基本的にありません。
レートに関しても、条件によっては有利になります。たとえば、ミニストップでは特定の商品の購入にWAONを利用すると、10~20ポイントのボーナスポイントが付与されるキャンペーンが開催されることがあります。2009年8月31日までのソフトクリームのキャンペーンでは、189円のソフトクリームに対して10ポイントのボーナスポイントが付与されます。
WAONポイントは200円未満は切り捨てでの換算になりますので、通常、ソフトクリームだけを購入してもWAONポイントは付与されません。しかし、期間内であれば、5%以上となる10ポイントものWAONポイントが付与されることになります。
また、ジャスコやマックスバリュなど、イオンリテールが展開するスーパー、ショッピングセンターでの利用の場合は、時間軸を考慮することが買い物やポイントで得をするために欠かせません。
テレビCMでもお馴染みですが、これらの店舗では20日、30日が「お客さま感謝デー」となっており、イオンカード会員向けに5%オフのキャンペーンが実施されています。このキャンペーンは、クレジット機能なしの通常のWAONカードでも有効で、支払いにWAONを利用することで同様に5%オフの優待を受けることができます。
一方、ポイントに関しては、現在、開催されている毎月5のつく日(5日、15日、25日)の「お客さまわくわくデー」がカギになります。この日に支払いにWAONを利用した場合、ポイントは通常の2倍、つまり200円あたり2ポイントが付与されます。
なお、WAONカードには、提携カードとしてJALが発行するJMB WAONやイオンJMBカードが存在しますが、こちらのカードを利用した場合、WAONで支払いをしたとしてもWAONポイントは付与されません。ポイントはすべてマイルで付与されます。こちらのカードでも「お客さまわくわくデー」のポイント2倍特典を受けることができますが、ミニストップのボーナスポイントは付与されませんので注意が必要です。
■ Suicaとの相互交換が可能なWAONポイント
他の電子マネーと同様に、本サービスでも電子マネーのWAONとポイントのWAONポイントは個別に管理されます。
このため、貯めたポイントを再び電子マネーとして利用するには、ポイントチャージの手続が必要になります。WAONポイントのWAONへのチャージには、手数料などはかからず、100ポイントを100円分として等価でチャージできます。
ただし、カードタイプのWAONを利用している場合は、この手続をWAONステーション(店舗などに設置してある端末)で行なう必要になります。このWAONステーションは、ジャスコなどのショッピングセンターには設置してあるのですが、コンビニエンスストアであるミニストップには現在設置されていません。
筆者がまさにそうなのですが、家から一番近いコンビニエンスストアはミニストップなのに、ジャスコなどは数駅離れた場所にしかない(イトーヨーカドーは存在する)という場合は実に困ります。ポイントは貯まる一方ですが、それを交換する機会があまりないわけです。
このような場合、カードタイプのWAONではなく、ポイントチャージをオンラインでできる「モバイルWAON」を使うというのが、現実的と言えるでしょう。
一方、貯めたポイントを他のポイントとして利用したい場合は交換が可能です。WAONはSuicaとのポイントサービスの提携が行なわれていますので、交換元100ポイント→交換先90ポイントのレートで相互にポイントを交換することができます。
ただし、交換は、ポイントの預け入れの操作後、Webからの移行操作が必要と若干面倒であり、通常のWAONカードの場合は所有者情報の登録、モバイルWAONの場合はクレジットカードの登録(イオンカード)が必要になるなど、少々敷居が高いと言えるでしょう。
なお、他のポイントとの関係についても下図にまとめておきました。イオンカードのときめきポイントからWAONポイントへの移行、さらにJALマイルのWAON電子マネーへのチャージなどが可能となっています。ちなみに、ANAのマイルはSuicaとの交換が可能ですので、このルートからANAマイルをWAONへとチャージすることも可能となっています。
■ URL
WAON
http://www.waon.com/
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