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【WIRELESS JAPAN 2005】
イー・アクセス種野氏、携帯新規参入に向けた事業展開を説明

イー・アクセス代表取締役社長兼COOの種野 晴夫氏
 13日の基調講演には、イー・アクセスの代表取締役社長兼COOの種野 晴夫氏が登壇。「イー・アクセスが描く次世代ケータイとその将来性」と題して、新規参入を目指す1.7GHz帯の携帯電話事業について説明した。

 種野氏はまず、同社がこれまで展開してきたADSLサービスについて説明し、日本のブロードバンド市場が発展した背景に、イー・アクセスとソフトバンクの新規参入事業者が大きく貢献したと語った。既存事業者に対し、新規参入事業者が低価格で品質の高いサービスを提供したことで、競争力が増したとの見解を示した。

 同氏は、同社のADSL事業が好調に推移しているとし、その次の展開としてワイヤレスブロードバンド事業、つまり携帯電話事業を展開する方針を示した。事業を拡大する理由として、1.7GHz帯が新規事業者に割り当てられること、そして2006年にも導入される予定の番号ポータビリティ制によって、移動体分野に今後さらに大きな変化が予想されるとした。

 また、7,000億円市場と言われる固定ブロードバンド市場が、300社の企業でしのぎを削っているのに対し、8兆5,000億円市場とも言われる携帯電話市場には、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンの3社しかいない現状を説明。同氏は、「移動体市場は飽和していると言われるがそうではない。定額制を導入するなど各社も工夫しているが、まだまだ利用料が高い」と話した。海外携帯電話市場では、1ユーザーが仕事用と家庭用など複数の端末を所有している現状を例に挙げ、「我々は2台目、3台目の電話としてまだまだチャンスがある」とアピールした。


携帯事業を行なう子会社設立 ADSLの事業基盤をベースにモバイル市場に参入 携帯電話の市場性

番号ポータビリティ制の利用意向 「パソコンとの連携強化」へのニーズが約6割 イー・アクセスのサービスコンセプト

 種野氏によれば、イー・アクセスでは、スマートフォンのようなPDA型端末を提供する方針で、日本のハイエンドユーザーに対して、パソコンとの親和性の高い端末を提供していきたい考えを示した。これは、現状の携帯電話に対するユーザーの不満を調査した結果、使いにくいとする意見が多く、さらに、海外市場で一定のボリュームを占めているスマートフォン端末が日本でも需要があるとの目論見からだという。同氏は「PDA型の手書き入力で展開するのか、従来の親指入力にするのか見極めていきたい」とした。

 また、1.7GHz帯が同社に割り当てられた場合、3.5Gと言われるHSDPA方式で事業展開するとし、既存の携帯事業者の利用料金が複雑なことから、「できるだけわかりやすい料金で提供したい。まずは、ワイヤレスデータ通信から提供し、1年後に音声端末を提供していく。シームレスなサービスを展開するため、無線LANなども検討する。将来的には、端末をモジュール化し、さまざまなサービスを提供したい」と話した。同社では、データ通信特化型、従来の携帯電話型、そしてデジタル家電へのモジュール提供の3つの展開方法で事業を行なうという。

 また、ネットワークを他の事業者に貸し出すMVNO方式にも意欲を示し、英国でVirginグループがT-mobileよりネットワークを借受けて事業を成功させた事例を説明した。同社のこうした方針には、現在ニフティやSo-netらがMVNO方式での携帯事業参入に名乗りを上げているという。

 なお、イー・アクセスでは現在、1.7GHz帯でのサービス提供を狙って、実証実験を行なっている。また、ボーダフォンがMVNO方式を行なう方針を明らかにしたことをうけて、「是非ともローミングをやらせていただきたいと思っている」と話した。さらに、通信業界で次世代通信サービスとして注目を集めているWiMAXについては、「無線LANの延長ととらえ、シームレスなサービスを提供するため検討する」とした。


データ通信型サービス 従来の携帯電話型サービス デジタル家電へのモジュールビジネス

MVNO方式も検討 新規参入事業者によって、携帯市場はさらに拡大するという

関連情報

URL
  WIRELESS JAPAN 2005
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2005/
  イー・アクセス
  http://www.eaccess.net/

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(津田啓夢)
2005/07/13 20:01
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