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【CEATEC JAPAN 2005】
PHSユーザーをlivedoor Wiressへ置き換える~ライブドア照井副社長

 幕張メッセで開催している「CEATEC JAPAN 2005」において基調講演の最後を務めたのはライブドア執行役員上級副社長ネットワーク事業本部の照井知基本部長。11月1日の正式サービス開始を予定している公衆無線LANサービス「livedoor Wireless」に関する講演を行なった。


YOZANから基地局4,000台追加、都心部でのエリアカバー率80%を目指す

都心部でのエリアカバー率80%を目指すとライブドアの照井上級副社長
 講演では、これまでも繰り返し説明されていたことだが、livedoor Wirelessからポータルサイト「livedoor」内のコンテンツへのアクセスは無料でできることで、livedoorへのアクセスを増加させるlivedoor Wirelessのビジネスモデルを改めて説明。「通信量だけで儲けられるとは思っていない。ポータルサイトやコンテンツなどとの全体的なシナジーを図る」と月額525円という低料金で提供できるビジネスモデルをアピールした。

 11月1日から正式サービスを開始するlivedoor Wirelessだが、現在までに山の手線内の1,600カ所に基地局を設置完了した。カバー範囲は1台で半径100m程度だという基地局の1号機はホテルオークラ東京別館のロビー前に設置されている。

 「社内はサービス開始前ということもあり、バタバタしているが進捗状況は順調」と照井氏。2005年中に2,200カ所の基地局を設置する予定で、9月に提携したYOZANから基地局4,000台の提供を受ける。2006年中には6,200台の基地局を都内に設置する方針だ。「livedoor Wirelessでは屋内外の両方をカバーする。面積の80%のカバー率を目指しており、東京が見通しのいい平面であれば2,200台の基地局でカバーできるが、実際はビルなどの障害物もある」とし、基地局を4,000台追加することで都内のカバー率を上げるという。


山手線内の基地局設置工事は現在、大詰めの第3フェイズ ホテルオークラ東京別館のロビー前に設置した1号機

コダックのデジカメやニンテンドーDSなど非PCにも「対応できる」

YOZAN、ブロードバンドタワー、ホーキングなどと提携し、エリアを拡大する

2006年末までに1都8県で60,000台の基地局を設置するという
 YOZANなどとの提携により都心部についてはある程度目安がついた。2006年末までに1都8県で60,000台の基地局を設置するという。その上で、全国展開を目指すにはさらなる提携を探ることになる。自動販売機ベンダーのホーキング、同社が出荷する無線LANと映像モニターを搭載した自販機にコンテンツを配信するブロードバンドタワーの2社と提携し、livedoor Wirelessの基地局に全国10,000台の自販機を利用する。また、PHS通信カードとlivedoor Wirelessによる通信を適切に切り替える機能などの開発で京セラコミュニケーションシステムと、海外向けサービスとの連携強化にiPassとの提携をすでに行なっている。

 さらに、CEATEC JAPAN 2005の会場に無線LAN対応デジタルカメラ「EasyShare-One Zoom」を展示していたコダックとの提携についても言及。「EasyShare-One Zoomでは、無線LANを通じてオンラインストレージにアクセスできる。カメラ本体にlivedoor IDを登録しておくことで、livedoorのオンラインアルバムサービスに簡単にアクセスできるようになる」と述べた。

 なお、会場でコダックに取材したところ、「アルバムサービスを提供する各社と話を進めていきたい」とし、ライブドアとの提携については「具体的な話はまだ出ていない」という。

 提携関連ではこのほか、5日に発表されたニンテンドーDS向け「ニンテンドーWi-Fiコネクション」にも言及。ニンテンドーDSの無線通信規格は「IEEE 802.11」としか公表されていないが、「livedoor Wirelessでも対応できる」(照井氏)という。

 照井氏は「livedoor WirelessではPCだけでなく、PDAや携帯ゲーム機、カーナビなどからも利用できるようにする」と今後の意欲を述べ、デバイスとインフラの両方が揃いつつある現在、サービス開始するには申し分のない時期だとの見方を示した。


まずはPHS通信カードを利用するユーザーの置き換えを狙う

正式サービス開始以降はまず、ノートPCでPHS通信カードを利用するユーザーの置き換えを狙う
 正式サービス開始以降はまず、ノートPCでPHS通信カードを利用するユーザーの置き換えを狙う。「PHS通信カードを利用しているユーザーは300万人程度の見込みで、まずはこうしたユーザーにlivedoor Wirelessを利用してもらいたい」。その後、非PCユーザーや法人ユーザーに拡大し、将来的にはlivedoor Wirelessというインフラの上で、ライブドアの決済ソリューションを提供したり、コンテンツ配信を行なうことも視野に入れる。

 照井氏は最後に「インターネット接続だけでなく、ガス料金の自動集計といったテレメトリングや防犯カメラなどのセキュリティにも活用できるようにしたい。阪神大震災の被災地でも自動販売機だけが煌々としていたと聞く。そんな時に無線LANが利用できれば心強いだろう」と語る。今後のエリア拡大に向けて、積極的なローミング施策と、光ファイバ網を持つ地方自治体との協力を推進すると述べて講演を締めくくった。


「livedoor WirelessではPCだけでなく、PDAや携帯ゲーム機、カーナビなどからも利用できるようにする」と照井氏 今後のエリア拡大に向けて、積極的なローミング施策と、光ファイバ網を持つ地方自治体との協力を推進するという

関連情報

URL
  livedoor Wireless
  http://wireless.livedoor.com/

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(鷹木 創)
2005/10/07 20:22
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