5月17日から19日まで、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「IPAX 2006」が開催されている。Broadband Watchでは、同イベントで出展されている未踏ソフトウェア創業事業などをレポートする。
■ 男女別の評価検索や複数キーワードの評価比較ができる「blogWatcher 3.0b」
未踏ソフトウェア創造事業部門内の未踏スーパークリエータ部門では、東京工業大学 奥村研究室によるブログ検索サービス「blogWatcher」の最新バージョンである「blogWatcher 3.0b」が出展されている。
blogWatcherは、HTMLの構造解析を行ないブログやWebサイトの検索が可能なサービス。検索キーワードの注目度を「バースト度」として示す機能や、入力したキーワードの評判を「ポジティブ」「ネガティブ」といったカテゴリで分類表示する評判検索機能、RSS非対応サイトからRSSフィードを抽出する「なんでもRSS」などを搭載する。
今回公開された「blogWatcher 3.0b」では、ブログのデータ収集方法がRSSやpingの構造解析を行なう方法に変更され、従来よりデータ収集速度が向上したという。また、評判検索機能ではブログ本文を独自のアルゴリズムで解析し投稿した人物の性別を判別、検索されたキーワードについて男女別の意見を集計する機能が追加された。なお、男女別の評価検索機能については投稿者のプライバシーを配慮し、抽出されたキーワードの一覧表示のみを行ない、対象エントリへのリンクは設けない仕様となっている。
このほか新機能として、特定のキーワードについて独自にライバル関係にあたるキーワード一覧を表示するほか、バースト度や評価検索を並列表示して比較できる機能「バーサス検索」を追加。また、略語を自動推測する機能、ブログ本文からイベント情報を抽出する機能などが追加されている。
奥村研究室では、現在blogWatcher 3.0bの公開に向け、5月16日よりblogWatcherのサービス提供を停止している。blogWatcher 3.0bの公開はIPAX 2006終了後になる見込みだという。また、blogWatcherのAPIを利用した評価分析サイト「評判.info」のベータサービスが7月1日より開始される予定だ。
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blogWatcher 3.0bの男女別評価検索の表示結果(モニター右側)
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Googleとマイクロソフトでバーサス検索したもの
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blogWatcher 3.0bの概要
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■ ブログエントリをコミュニケーションツールとして利用できるツール
「Webコミュニケーションツールとしてのイントラブログの構築」は、同志社大学大学院工学研究科の宮崎真氏が開発したイントラネット/インターネット上の特定ブログを一括して閲覧できるツール。利用ユーザーの認証を行なうことで、登録ユーザーが個別に管理するブログのエントリをSNS感覚で閲覧できるという。また、エントリの抽出にはRSSを利用しているためほとんどのブログサービスに対応できるとしている。
機能面では、登録ユーザーのエントリを一括して閲覧できるほか、日付やキーワードによる検索機能、自身のエントリのアクセス数表示や全登録ユーザーのエントリ/キーワードのアクセスランキング表示機能が利用できる。また、エントリに独自のタグを付加することで、エントリを読ませたいと思う特定ユーザー向けにエントリの表示を強調させる機能を持ち、エントリをコミュニケーションツールとして利用できる。
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「Webコミュニケーションツールとしてのイントラブログの構築」概要
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同システムのトップ画面
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■ URL
blogWatcher
http://blogwatcher.pi.titech.ac.jp/
IPAX 2006
http://www.ipa.go.jp/event/ipax2006/
■ 関連記事
・ blogWatcher、RSS非対応ページのRSSフィード作成機能など新機能を追加
(大久保有規彦)
2006/05/17 15:55
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