9月26日に開催された「CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn」では、ライブドアのメディア事業部 コンシューマメディア部 シニアマネージャを担当する有賀之和氏が、2007年に提供する新ブログサービス「PRAC(コードネーム)」を発表した。
■ 手軽さやインターネット環境の向上で普及したブログ
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「livedoor Blog」を担当する有賀之和氏
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ライブドアの新ブログサービス「PRAC」とは、「Personal Reviews and Awaken/Auto Generated/Another/あなたなりの Communities」という言葉から作られた造語。また、「Prac is your best PRACtice」という意味も込められているという。
有賀氏は新たなブログサービス立ち上げを考えた経緯として、現状のブログの動向について説明。「ブログやSNSが数百万単位の利用者を獲得し、新聞や雑誌、テレビというメディアなどでも多く紹介されるなど大きく普及してきた」と指摘した一方で、「ブログサービスとを立ち上げたばかりの頃には見えなかった課題なども見え始めてきた」と語った。
有賀氏は同社のブログサービス「livedoor Blog」を例に取り、ブログにおける現状の良い点と悪い点をそれぞれ分類。「IDを取得してタイトルを決めればすぐにブログが作成できるほど気軽に始められるシステムのため、幅広い層の利用者をカバーできた。また、PCの性能向上やインターネット接続環境の充実や、各種メディアでの報道のおかげで多くのユーザーに広まった」と分析した有賀氏は、「トラックバックやコメントなど、ブログの標準的なシステムが共通化されていたことで、異なる会社のサービスでもブログという同じ言葉で展開できた」との考えも示した。
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ブログを取り巻く環境
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ブログサービス現状の良い点
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■ 初心者向けサービスで未開拓の層を狙う
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新世代ブログと位置付けられた「PRAC」
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その一方でブログが持つ課題として、「機能が多く自由度が高すぎることが逆に足かせになっているケースがある」「スパムの激化」「すでに大量のデータとして蓄積されている投稿を再編成することが難しい」という点を指摘。すでに155万人の登録者を抱えるlivedoor Blogでは「サービスが大きくなったことで新しい技術トレンドの導入が難しくなる」という課題もあるとした上で、「ブログという大きなトラフィックをメディア化できていないのではないか」との考えを示した。
こうした課題を解決する新サービスとして、2007年初めに提供する予定の新ブログサービスが「PRAC」だという。「自由度が低く初心者向け」「内容を再編成しやすい」というコンセプトにより、「今のブログやSNSが掘り起こせていない層をターゲットにする」(有賀氏)。これまでどちらかといえば「使ってもらう」ことが目的だったブログに対し、サービス全体をメディアとして「見に来てもらう」ことも目的の1つだという。
初心者向けというコンセプトのため、サイドバーの編集など細かなカスタマイズにはある程度制限を設ける一方、「基本的にほったらかしのブログに対して、何を書くべきかのテーマも与えていく」(有賀氏)。また、同じサービス内でも個々が独立しているブログに対し、サービス全体としてコントロールしやすい要素を盛り込んでいくという。PRAC全体をメディア化していくことで、広告ビジネスや閲覧者向け広告というビジネスモデルにつなげていく考えだ。
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ブログサービス現状の悪い点
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現状の課題の整理
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新ブログサービスで未開拓の領域を狙う
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新サービスのコンセプト
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■ URL
CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn
http://japan.cnet.com/info/cjic200609/
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(甲斐祐樹)
2006/09/26 19:21
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