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【人とくるまのテクノロジー展2007】
車載オーディオ用DRMやプローブ情報利用の情報配信システムなどが出展

 5月23日から25日まで、神奈川県みなとみらい21のパシフィコ横浜にて社団法人自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展2007」が開催されている。Broadband Watchでは、同イベントで出展されている情報配信通信技術などをレポートする。





東芝、SDカードを鍵とする車載オーディオ向けのDRM「MQbic」

公開されているMQbicのリファレンスシステム
 東芝は、DRM「MQbic(マルチキュービック)」の車載オーディオ版を参考出展している。実用化の次期は未定。

 MQbicは、東芝が開発したSDカードが持つ固有IDを利用してコンテンツ利用を可能とするDRMで、ニフティの音楽配信サービス「MOOCS(ムークス)」などで採用されている。今回参考出展されている車載オーディオ向けのMQbicは、SDカードを利用して車載オーディオのHDDなどに保存されたコンテンツの利用を許可するもので、コンテンツ自体に暗号化を施しており、鍵情報が保存されたSDカードを併用した場合でのみ、HDDのコンテンツの再生が行なえる。

 東芝では、車載オーディオについて「現在のHDD搭載オーディオに搭載されているリッピング機能ではDRMが付加されない場合が多いため、オーディオ交換時や自動車を手放した場合などに著作権保護されていないコンテンツが流出してしまう問題がある」として「リッピングする段階でDRMを付加することで、車載オーディオで利用するコンテンツでも著作権管理が行なえる事を目指したい」と開発の背景と目的を説明している。


MQbicの概要 カーオーディオからSDカードを抜いた状態。HDDの保存ファイルが再生できない SDカードを挿入した状態。画面上の警告が消え再生可能となる


URL
  東芝
  http://www.toshiba.co.jp/

関連記事
ニフティ、SD-Audio形式の音楽配信「MOOCS」。価格は1曲105円から




マツダ、危険地帯の情報を通知するシステムを出展

 マツダは、プローブ情報を利用して安全運転を支援するシステムを参考出展している。実用化の次期は未定だ。

 参考出展しているシステムは、自動車の走行情報を自動車側からセンターシステムに送信し活用する「プローブ情報」を利用したもの。プローブ情報から得られる急ブレーキや急ハンドルといった走行情報を利用し、危険な地点を特定してカーナビゲーション上の地図に表示する「ヒヤリハットマップ提供システム」を搭載しており、ドライバーの安全運転を支援できるとしている。

 危険地帯に近づいた自動車へは、カーナビゲーション上で通知。また、カーナビゲーションとユーザーが持つ携帯電話がBluetoothを搭載している場合では、専用アプリを介して危険地帯に近づいた事を携帯電話のバイブレーションで通知する機能も搭載する。


プローブ情報を利用した安全運転支援システムの概要 同システムのカーナビゲーション、および携帯電話を利用したデモも行なっている マツダブースで展示されているCX-7


URL
  マツダ
  http://www.mazda.co.jp/




カワサキ、二輪車向けの安全運転を支援する情報配信システム

 川崎重工業(カワサキ)は、予防安全技術として開発している車車間通信システムなどを参考出展している。

 出展している車車間通信システムは、二輪車や四輪車同士で位置情報や走行情報を車両同士で無線通信することで共有し、自車の周辺を走行している他車の走行情報を表示するもの。遠方や死角などの目視確認できない位置にある他車の情報を提供することで、安全運転の支援ができるとしている。また、路側に設置した機器と無線通信することで、交通情報などの提供も行なえるとしている。

 無線通信には、5.8GHz帯を利用したVICSのほか、地上アナログ放送終了後に空きチャネルとなる770MHz帯の利用も視野に入れているという。また、車車間通信システムと連携した二輪車向けのヘルメット搭載型情報提供装置も出展している。同装置は、ヘルメットにスピーカーと小型ディスプレイを後付けできるシステムで、ライダーに音声や画像表示による情報提供が行なえるとしている。


車車間通信システムの概要 ヘルメット搭載型情報提供装置の概要 ヘルメット搭載型情報提供装置の試作機


URL
  川崎重工業
  http://www.khi.co.jp/




松下、次世代ETCでの利用を想定した情報配信システム

 松下電器産業は、次世代ETCシステムとして「DSRCマルチサービスシステム」を参考出展している。

 DSRCマルチサービスシステムは、5.8GHz帯によるVICSを利用して情報配信を行なうシステム。道路情報をはじめ、自動車の位置情報や走行情報を利用するプローブ情報収集などの機能を実装する予定で、カーナビゲーションとの連携によって多彩なサービスを実現しているとしている。

 松下では、同システムを公共機関や民間団体などによる次世代の道路インフラサービス向けのシステムと位置づけており、2010年後半には実用化できることを目標で開発を行ない、現在首都高速4号線や5号線にて実証実験を行なっているという。


DSRCマルチサービスシステムの概要 DSRCマルチサービスシステム向けのITS車載器 DSRCマルチサービスシステム向けの路側アンテナ


URL
  松下電器産業
  http://panasonic.co.jp/




三菱自、電気自動車「i MiEV(アイミーブ)」を出展。高速PLC対応も検討

i MiEV(アイミーブ)
 三菱自動車工業は、電気自動車「i MiEV(アイミーブ)」を出展している。

 i MiEVは、同社が2006年1月より販売している軽自動車「i(アイ)」をベースとした電気自動車。車体のフロア下にリチウムイオン電池を、トランク下部のエンジンルームにモータを搭載することで、iと同様の車体構造を採用している特徴を持つ。また、充電は100Vの家庭用電源のほか、東京電力が開発した急速充電器を利用して行なう。

 三菱自では、3月より東京電力と共同で実車1台を用いた性能評価を行なっており、今秋から今冬にかけて営業車両など業務向けに10台程度を導入し、実証実験を行なう予定だ。また、「規格面や技術面でのハードルが高いため、導入自体は未定」としながらも、i MiEVへの高速PLC機能の搭載を検討していることを明らかにした。高速PLC機能を搭載することで、自宅駐車場での充電時に搭載カーオーディオへコンテンツを転送する、エアコンなどを室内から操作する、といった用途への利用を想定しているという。


ベース車のトランク下エンジンルームにDC-DCコンバータとインバータを搭載 車両底面の模様。薄型のリチウムイオン電池やモーターが見える メーターパネルはベースのiと同様。タコメーターがパワーメータに変更されている

薄型リチウムイオン電池の採用で、他車の電気自動車と異なりベース車と同様の4名乗車が可能 ベース車のエアインテーク部分には家庭用電源用の充電プラグを装備 ベース車の給油口部分には急速充電器用の充電プラグを装備

東京電力が開発した急速充電器(写真はスバルブースのもの) i MiEVの概要

三菱自ブースで展示されているデリカD:5 レーシングマシンブースには、ダカールラリーに参戦したパジェロエボリューションも展示している


URL
  三菱自動車工業
  http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
  関連記事:東京電力、三菱自動車「i(アイ)」がベースの電気自動車を導入へ[家電Watch]
  http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/03/12/576.html

関連情報

URL
  人とくるまのテクノロジー展2007
  http://www.taiseisha.co.jp/aee/index.html


(大久保有規彦)
2007/05/23 18:40
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