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【WIRELESS JAPAN 2007】
YOZAN高取会長「2.5GHz帯は免許取得企業のパートナーとして参加」

 YOZANの高取直代表取締役会長はWIRELESS JAPAN 2007で、「WiMAXで変わる日本のモバイルブロードバンド」と題した講演を行なった。講演の中で高取会長は、2.5GHzの免許申請をしない姿勢を明らかにした。


高取会長「スイッチ1つでWiMAXが世界中で利用できる環境を」

YOZANの高取会長
 YOZANの高取会長は、「インターネットへの接続方法は有線から無線へとシフトしており、将来的には屋内外に関係なく、70%以上が無線による接続になるのではないか」との考えを披露。「こうした環境下で登場したWiMAXは、携帯電話の補完サービスではなく、相互に価値を高め合う関係を実現することで地位を確立できる」と語った。

 一方で、「2.5GHzを利用するWiMAXだけで、サービス開始時点ではエリアを面的にカバーするのは難しいのではないか」とコメント。このため、280MHz帯を利用し、電波の浸透性や低消費電力で駆動が可能なページャー(ポケベル)と、2.4GHz帯を利用するWi-Fiを用いて、「2.5GHz WiMAXのサービスをサポートできる」と独自の見解を示した。また、同社が展開する4.9GHzを利用するWiMAXサービスに関しては、2.4GHz Wi-Fiのバックボーンとして利用を行なうとしている。

 高取氏は特に280MHz帯を利用したページャーについて、「地下2階などの無線電波が届きにくい場所でも、リピータ装置を利用せずに着信通知が可能だ」と利点を説明。「WiMAXサービスを提供するにあたっては、標準規格の周辺にある存在としてページャーを付加し、どこにいても通知が受け取れる方式を採っていきたい」とした。

 2.5GHzの免許取得に関して高取氏は、同社として免許申請は行なわない考えを表明。「免許取得を目指しているアッカ・ネットワークスさん、ウィルコムさんのご健闘をお祈りする」と語り、「免許を取得されたグループの1つに参加させていただく形になる」と同社の方針を示した。

 YOZANでは、WiMAX事業者41社が参加する団体「WiSOA」のボードメンバーを務めており、現在は国際ローミングサービスを実施する方向で検討を進めているという。高取氏は、「他国で通信サービスを利用する割合は5%以下という観測があり、WiMAXでも同程度になるのではないか」とコメント。「課金決済を訪問国ごとに行なうよりも、母国の料金だけで各国の提携事業者のWiMAXサービスが利用できる形が、WiMAX自体の理解にも繋がるのではないか」としたほか、「これによって端末のスイッチを入れるだけで、世界中どこにいてもサービスを利用できる環境が実現できれば」と語った。

 高取氏は最後に、「今日に至るまで多くの方に迷惑をかけてきたが、WiMAXがようやく始まるところまで手が届いた」と発言。「当社がこれまで培った経験を各事業者に提供しながら、我々は我々が信じるサービスを提供していきたい」と抱負を語った。


ページャーはWiMAXの強力なサポーターと位置付け Airspanと共同開発したUSBモバイルWiMAX端末。プラグフェスタの互換性テストも通過したという

関連情報

URL
  WIRELESS JAPAN 2007
  http://www8.ric.co.jp/expo/wj2007/
  YOZAN
  http://www.yozan.co.jp/

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(村松健至)
2007/07/18 20:41
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