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【WIRELESS JAPAN 2008】
KDDI、1Gbpsの赤外線高速通信やIP網利用のワンセグエリア放送

 WIRELESS JAPAN 2008のKDDIブースでは、最大1Gbpsの通信を実現する高速赤外線通信やIP網を利用したワンセグエリア放送システムなどが展示されている。


導体レーザー採用で最大1Gbpsの通信を実現する赤外線高速通信

1Gbpsの赤外線高速通信の技術概要
 最大1Gbpsの高速通信を実現する赤外線高速通信は、KDDI研究所が参考出展した技術。従来の赤外線通信で利用する発光ダイオードに代えて、半導体レーザーを採用したことで高速応答性を実現。また、通信エラー発生時にスループット低下を抑えるため、誤りや欠損が生じたフレームのみを再送する再生制御装置も開発した。

 展示ブースでは、100MB前後の動画ファイルをPCから携帯端末に転送するデモを実施しており、説明員によれば0.8秒程度で転送が完了するという。通信容量に関しては、バッファメモリとして設定する128MBを1つの目安としている。

 通信距離は5cm~10cmの短距離を想定。現時点での転送装置は携帯電話に外付けするタイプだが、「実用化時には携帯電話の赤外線ポートに搭載できるサイズに小型化したい」とした。なお、実用化は赤外線通信の業界団体であるIrDAにおける標準化後を見込んでおり、搭載製品が登場するのは「早くても2010年以降になる」という。


100MBの動画ファイルを携帯電話に転送。デモでは送信ボタンを押すと同時に転送が完了していた データ転送装置は現時点で携帯電話以上の厚み。実用化時には携帯電話内に搭載できるよう小型化を図るという

IP網を利用したワンセグ放送やBREWとPCの連携ソリューション

ワンセグエリア放送システムの概要
 KDDI研究所の取り組みではまた、IPネットワークを利用してワンセグエリア放送を実現する「ワンセグエリア放送送信システム」も展示。同システムは、特定エリアに限定して視聴できるワンセグコンテンツを、IPネットワークを介して配信するシステム。

 駅や空港、店舗、スーパーなどに対して、エリアに応じた放送を配信する利用シーンを想定。また、地下鉄や地下街など、地上波デジタル放送波が届かない場所に対して、同システムを用いたワンセグ放送の再送信用途も考えられるという。

 会場では、実験用免許をした上で、KDDIブース周辺に限定したワンセグ放送の実験放送デモも行われていた。


ブースデモにおける送信装置 ブース内で視聴できるワンセグ放送を受信したところ

BREW×Windows
 このほか法人向けモバイルソリューションゾーンでは、KDDIがWindows PCとBREWアプリが連携できる共通プラットフォームの参考出展を行っていた。同プラットフォームは、PCと携帯電話端末をBluetooth通信で接続し、共通プラットフォーム上に部品化したGPSや赤外線、電話、カメラ機能などを相互活用するというもの。

 ブースデモでは、携帯電話にインストールしたBREWアプリからテキスト入力やカメラ撮影を行うと、PC側のアプリケーションに自動で反映。画像ファイルの場合は、PC側で編集を行った上で、携帯電話に返送できる機能も備えていた。また、デモは行われていなかったが、Windows PC上で部品化したアプリケーションを、携帯電話から利用できるシーンも想定するという。なお、同プラットフォームの実用化時期は未定としている。


ブース内ではデモンストレーションも実施している BREWアプリ上で写真を撮影すると、自動でPCに送信 送信された写真を編集の上、携帯電話に返送することも行える

関連情報

URL
  WIRELESS JAPAN 2008
  http://www8.ric.co.jp/expo/wj/
  KDDI WIRELESS JAPAN 2008特設サイト
  http://www.kddi.com/variety/wireless_japan/index.html

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(村松健至)
2008/07/22 17:15
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