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FREESPOT、飛行船を通じて無線LANサービスを提供。瀬戸会場でも

ソーラー飛行船「SoLan」(写真はリリース時のもの)
 3月25日から開幕する「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」に協賛するバッファローは、中部大学と協力して長久手会場付近の上空に係留したソーラー飛行船「SoLan(ソラン)」に無線LAN機器を設置して、万博来場者向けに無料の公衆無線LANサービス「FREESPOT」を提供する。プレスプレビュー期間中の19日には、SoLanの格納庫内での準備作業が報道関係者向けに公開された。

 SoLanは、中部大学のソーラー飛行船実用化研究開発体プロジェクトとして実施されるもので、飛行船の名称はソーラーエネルギーの「Solar」と無線LANの「LAN」からなる造語だという。なお、飛行船の運行は3月と4月では毎週土曜日と日曜日を予定。ただし、天候状況により欠航する場合もある。

 愛・地球博の期間中、SoLanでは、災害発生時などにおける通信実験拠点としての実験が行なわれ、バッファローは無線LANの機器や技術提供で同プロジェクトに協力する。また、各社の協力によりネットワークカメラやハイビジョンカメラなども設置され、各種実証実験も行なわれる。


長久手会場の付近にあるSoLanの格納庫 格納庫から長久手会場外周を見たところ。左に見えるのはグローバル・コモン5

 FREESPOTは、飛行船下部に備え付けられるゴンドラの四方に4台の無線LAN機器を設置してサービスが提供される。無線LAN機器は、IEEE 802.11gに準拠した「WZR-HP-G54」に改良を加えたものを利用しているという。また、インターネット回線はBフレッツ回線を利用し、係留用ロープを通じてゴンドラ内のスイッチングハブと有線接続される。

 飛行船は、イギリス館やロシア館などがある長久手会場のグローバル・コモン4およびEXPOドーム周辺の上空30~100mに係留され、バッファローでは「飛行船から半径100m程度の範囲でFREESPOTが利用可能になる」としている。


SoLanの下部に設置されるゴンドラ 無線LAN機器はゴンドラの四方に設置

 同プロジェクトの代表を務める、中部大学工学部電子情報工学科の梅野正義教授によれば、「愛・地球博の開催が決まった頃から研究を進めてきた」という。また、実験の開始当初は太陽電池による光発電で実験が行なわれるが、梅野教授は「燃料電池の研究も進めており、会期後半には燃料電池を利用した実験もしたい」と抱負を述べた。

 格納庫内での作業が公開された19日は、残念ながらSoLanの飛行は行なわれなったが、愛・地球博の会期中を通じて行なわれる実験の成果に期待が寄せられる。


格納庫内では飛行に向けた最終作業が続けられていた こちらは飛行船上部に設置されるソーラーパネルの作業風景

SoLanにはバッファローをはじめ、協力企業名などが入っている FREESPOTロゴも 飛行船の係留用ロープ。同ロープをつたって、LANケーブルなどがゴンドラへと接続されるという

瀬戸会場にもFREESPOTを提供。市民記者による万博レポートなども

瀬戸会場のゲート付近にあるウェルカムハウス
 合わせてバッファローでは、同社が主宰するFREESPOT協議会を通じてFREESPOTを瀬戸会場でも提供する。

 瀬戸会場内では、瀬戸会場ゲート内のウェルカムハウスをはじめ、市民パビリオンや海上(かいしょ)広場にアクセスポイントが設置され、同会場のほぼ全域でFREESPOTが利用可能だという。

 ウェルカムハウスではまた、万博や市民プロジェクトの模様を市民記者が独自の視点でレポートする市民プロジェクトの1つ「愛・地球博市民放送局」のステーションが設置される。レポート映像などは、Jストリームの技術協力により、インターネット配信も行なわれる。


ハウス内にFREESPOTの機器を設置。瀬戸会場内では、ほぼ全域でFREESPOTの利用が可能だという ウェルカムハウスでFREESPOTに接続したところ 愛・地球博市民放送局の映像はハウス内からも視聴できる。このほかハウスには、地元CATV局のスタジオも設置されている

関連情報

URL
  愛・地球博公式サイト
  http://www.expo2005.or.jp/

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(村松健至)
2005/03/22 11:15
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