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エレコムの「MF-SU2シリーズ(写真右)」とバッファローの「RUF2-HSCL-Uシリーズ(同左)」。どちらもセキュリティ機能を特徴としたUSBメモリである
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超小型タイプからキャラクターをデザインしたタイプまで、幅広いラインナップが登場しているUSBメモリ。今回はその中から、セキュリティにも配慮した2製品をご紹介する。
■ フォルダ単位でファイルを保護するエレコムの小型USBメモリ
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エレコムの「MF-SU2シリーズ」は全長18mm。パスワード認証機能搭載の超小型USBメモリだ。4GBモデルの実売価格は2500円前後
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まず最初は、エレコムの「MF-SU2シリーズ」。近頃よく見かけるようになった超小型のUSBメモリである。キャップを取り外すと、ほとんどプラグ先端の金具部分だけの本体があらわれる。全長は約18mm。どこに数GB分ものメモリチップが入っているのか、不思議になるほどの小ささだ。
MF-SU2シリーズの大きな特徴は、この超ミニサイズのボディに「PASS(Password Authentication Security System)」を搭載しているという点である。「PASS」はメモリ内にセキュリティフォルダを作成し、内部データを保護するセキュリティソフトだ。
ログイン画面からパスワードを入力しない限り、セキュリティフォルダ内にあるファイルにはアクセスできない。そればかりか、そのフォルダの存在自体を隠すこともできるのである。
パスワード入力が面倒な場合は、オートログインするPCを3台まで登録可能。また、セキュリティフォルダ以外に置かれたファイルは自由にアクセスできるため、保護する必要のないデータは、通常のUSBメモリと同様に扱える。オフィスや自宅のPCであれば手軽な自動認証で、それ以外のPCではパスワード認証、オープンにしても問題のないデータは認証不要というように、1つのストレージをマルチに使い分けられるのである。
セキュリティ機能は比較的シンプルなものではあるが、使用者を制限できるし、万一、紛失などのトラブルに見舞われたとしても、無関係の第三者にすべての内容を見られるリスクを回避できる。データ流出などのトラブルを未然に防ぐという意味では非常に有効なシステムである。Windows Vista/XP/2000だけでなく、Mac OS Xに対応している点にも注目だ。
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パスワードで保護されたセキュリティフォルダが利用できる「PASS」
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「PASS」のオートログイン機能。3台までのPCを登録し、パスワードレスでセキュリティフォルダにアクセスできる
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本体色はブラックのほか、ピンク、ブルー、ホワイトの4色。それぞれ4GBと8GB、計8モデルのラインナップする。キャップを取り外してUSBポートに挿し込むと、外部にはみ出す部分は、約6mmほど。とは言っても、メーカーロゴの中央付近には赤く発光するLEDインジケータランプが埋め込まれているし、隅にはストラップを通す小さな穴も開けられている。また、周囲には指先でつまみやすいよう浅いミゾが刻まれており、取り外しにも不便はない。
以前のUSBメモリは、PCに挿したまま持ち歩くには細心の注意が必要だった。細長く突き出る形状が邪魔になるし、何らかの衝撃が加われば、メモリだけでなくPCのUSBポートを破損させてしまう恐れもあったからだ。しかし、本製品をはじめ各社が発売する小型USBメモリは露出部分が少なく、存在がまったく気にならない。
多少の力がかかったとしてもポートへの影響が小さく、安全性は高いはずである。筆者の場合、普段はPCに挿したまま、データだけを持ち歩いたり移動させたりする場合に取り外すという使い方が気に入ってしまった。どちらかと言えば、PC内蔵ストレージに近い感覚である。超小型化されたことで柔軟な利用が可能となる良い例と言えるのではないだろうか。
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USBポートから外にはみ出す部分は6mmほど。ノートPCなどに挿し込んだままでも気にならないのが大きな特徴だ
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携帯電話用としてよく見かけるストラップパーツが付属している。キーホルダなどへの取り付けに便利だ
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■ トレンドマイクロ製ソフト内蔵のバッファロー「RUF2-HSCL-U」
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バッファローの「RUF2-HSCL-Uシリーズ」。1GBモデルの実売価格は5000円前後
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本体メモリに内蔵するトレンドマイクロのウイルススキャンソフト「Trend Micro USB Security for Biz」
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続いて紹介するのは、バッファローの「RUF2-HSCL-Uシリーズ」。ウイルスススキャン、パスワードによるアクセス制限、ファイル暗号化という強力なセキュリティ機能を備えた製品である。全長は76mmで、上述した小型USBメモリと比べるとさすがに大きいが、通常タイプの中ではコンパクトな部類に入る。
メモリ容量は1GBと2GB、4GB、8GBの合計4種類がラインナップされている。ボディカラーはブラックのみ。本体内にUSBプラグを収納するスライドアップ式を採用しているほか、丈夫な紐などを通せる大きなストラップホールがある。携帯時に不安を感じさせない実用性を重視したデザインだ。
ウイルススキャン機能は、トレンドマイクロの「Trend Micro USB Security for Biz」を採用している。トレンドマイクロが定期的に更新、リリースするパターンファイルをもとに、最新のウイルスにも対応できる信頼性の高い製品だ。PCに挿し込み、認証をクリアすると同時に自動起動。本製品に転送されるファイルを逐次検査し、危険と判断すれば専用フォルダへと移動、隔離する。
複雑な設定は必要なく、ユーザーが操作しなくても自動的にチェックしてくれるので、普段は存在を感じさせないのが大きな特徴だ。PCのパフォーマンスを低下させたり、あるいは他プログラムと干渉するといったトラブルの可能性も低そうである。
ウイルス検出用パターンファイルの更新チェックとダウンロードもユーザーの手を煩わすことはない。インターネットに接続したPCで普通に使用していさえすれば、常に最新の状態に保つことができるのである。また、他のトレンドマイクロ製品で利用しているパターンファイルを流用することも可能だ。こういったアップデートをはじめとするトレンドマイクロのサポートは機能の有効化から1年間有効。2年目以降は、年額980円の有料サービスになる。
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横のツマミを動かすことでUSBプラグが飛び出すスライドアップ式を採用。保護キャップを必要とせず、使い勝手が良い
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尾部に設けられたアーチ状の大きなストラップホール。丈夫なヒモなどを通しておけるので携帯時に安心感がある
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管理フォルダの「PASSWORD_L.exe」による認証が必要。オートログインなどの設定も可能だ
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本製品は、PCのUSBポートに挿し込んだだけではデータドライブにアクセスすることができない。管理ドライブにある専用アプリケーションを起動させ、パスワードを入力、ログインする必要があるからだ。また、データドライブにコピーしたファイルは自動的に暗号化された上で保存される。転送時と保存時それぞれにファイルの保護機能が用意されているのだ。
対応はWindows Vista/XP/2000。PC側にソフトウェアをインストールする必要がないので、オフィスなど、PCを共有する環境でも気軽に使用できるのがありがたい。無断で使用される恐れがないPCなら、パスワードレスのオートログイン機能が利用できるし、USBポートに本製品を挿し込むだけでパスワード入力ウィンドウが表示されるオートラン機能も用意されている。
どちらかと言えば、ビジネスユーザー向けの製品ではあるが、高度なセキュリティ機能を簡単に使いこなせるのは大きな魅力。オフィスのPCから自宅のPCまで幅広く活躍してくれそうなアイテムである。
■ URL
エレコム MF-SU2シリーズ製品情報
http://www2.elecom.co.jp/data-media/usb-flash/mf-su2/bk/
バッファロー RUF2-HSCL-Uシリーズ製品情報
http://buffalo.jp/products/catalog/flash/ruf2-hscl-u/
(斉藤成樹)
2009/04/08 10:59
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