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アクションで気持ちを伝える? 「IPロボットフォン」


IPロボットフォン。リリ(ホワイト)とルル(ゴールド)の2種類が用意され、価格は各38,000円
 「ワトソン君、ちょっと来てくれたまえ」グラハム・ベルがそう言った時から始まった電話の歴史。そして今日に至るまで、世界中で電話回線が網の目のように張り巡らされ、絶えず会話が交わされ続けてきた。話したい相手の電話番号をダイヤルして呼び出す電話。「もしもし?」「Hello~!」などから始まる会話。しかし「ブロードバンド」という言葉が市民権を得た今ではコミュニケーションも新時代を迎えている。インスタントメッセンジャーの映像を使ったやりとりや、IP電話やインターネット電話がその代表だろう。そしてさらなる表現伝達の可能性をひっさげて登場したのが、この「IPロボットフォン」なのである。

 IPロボットフォンはインターネットを介して、会話しながら相手のロボットを遠隔操作できてしまうというスグレもの。遠隔操作というとなにやら物騒だが、この場合は目の前のロボットを動かすと、相手の持っているロボットもその通りに動くというものだ。ロボットは首、両腕など合計6カ所の関節が動くので、腕を振ったり首を動かしたりして会話に即した感情を表現することができるのである。

 自分も相手もロボット(クマのぬいぐるみ)を持っているのが理想だが、相手がIPロボットフォンを持っていない場合は、同梱の専用アプリケーションソフト(Windows XP/2000対応、コピーフリー)をコピーして相手にプレゼントすればよい。プレゼントされた側ではロボットの代わりにアプリケーション内のクマが動くというわけ。もちろんマイクとスピーカー(もしくはヘッドフォン)があればインターネット電話としての機能も使えるし、相手のロボットを動かしたいときは、画面上のロボットをカーソルで動かせばいい(ただし、ソフト同士でのやりとりや、また他のインターネット電話との通信はできない)。


ロボットを動かすと、アプリケーションも連動 しっぽのジッパーをあけると中が見える。お尻からでているのは各種コード類。ACアダプタのコードもここから接続する

 実際の通話はロボットのUSB、マイク、スピーカーの各端子をコンピュータに接続し、専用ソフトを起動して行なう。通信用に設定するのはニックネームと双方のメールアドレスのみというシンプルさ。これだけでIPロボットフォン専用サーバーを経由して通信することが可能なのだ。ただしルータを介して接続する場合は、ルータのポートを開放する必要があるため注意が必要だ(編集部注:ルータ設定についてはメーカーのQ&A情報をご参照ください)。

 ロボット本体にマイクとスピーカーを内蔵しているので基本的にはこの1体で十分だが、ロボットを激しく動かしながら話すと関節動作音のノイズを拾ったり、マイクとスピーカーの設定バランスが合わないときはハウリングする場合もある。このため、調整しにくいときはロボットのマイク、ヘッドフォン端子をコンピュータからはずし、代わりにヘッドセットなどを使おう。

 実はこれだけではない。IPロボットフォンは動作や音声を電子メールに添付できる「動くメッセージ」も作成可能なのだ。ロボットを動かしながら音声を録音し、それをメールに添付して送信する。受信側では専用ソフトを起動すれば再生できる。音楽をバックにロボットを踊らせながらメッセージを録音すれば、受信側では音声を再生するとともにロボットが動き出すのだ。

 メールに文字で書くだけじゃ物足りないと感じたときや、本当は直接言いたいけど言えないようなことなどを自分流の動きをつけたロボットに託してみよう。記録時間は10秒、20秒、30秒の3パターン。「ごめんなさい」あたりはクマの可愛さに免じて本当に許してもらえるかもしれないぞ!!

 1876年にグラハム・ベルが有線電話を発明してから128年。ただ、先端テクノロジーを詰め込んだクマちゃんを目の前にしても、筆者の第一声はやっぱり「もしも~し?」なのであった。


着信したときの様子 ファイルを選択すれば、動くメッセージが再生 1人でも遊べます(笑)の図

関連情報

URL
  イワヤ
  http://www.iwaya.co.jp/
  製品情報
  http://www.iwaya.co.jp/Fnew/09ip.html


(すずまり)
2004/02/18 11:03
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