| システムトークスが販売する「スゴイカード」シリーズの「SGC-X3UFL」は、10BASE-T/100BASE-TXのLAN、USB 2.0、IEEE 1394と3種類の異なるインターフェイスを1つのPCカードにまとめた製品だ。
 
 これらの機能は最近のノートPCなら標準搭載しているだろうが、一昔前のノートPCではこれが結構重宝するもの。特に、筆者のように無線LANは内蔵してもLANポートがない、USBは1.1のみというノートPCの場合には、たった1つのPCカードスロットで3つのインターフェイスが同時に利用できる本製品は、まさに“スゴイカード”様々なのだ。
 
 ■ インストール作業は、基本的にクリックしていくだけ 
SGC-X3UFLのパッケージ内容は本体のほか、インストール用CD、電源補助ケーブル、A4サイズのクイックスタートガイド1枚とサポート依頼用紙という非常にシンプルな構成だ。クイックスタートガイドも「画面の指示に従ってインストールを進めます」と案内がある程度なので、インストール作業は基本的にはCDの指示に従って進めていけば良い。| 
 |  | システムトークスの「SGC-X3UFL」。購入価格は10,479円 |  
 画面上にある「次へ」をクリックしていけば、基本的にインストール作業は進んでいくが、注意しなければいけないのは、USB 2.0のセットアップ後に指示される再起動をいったん無視し、カードの設定終了後に初めて再起動を実行する点だ。といっても、「USB 2.0のセットアップが完了しても再起動を選択しないように」という旨の注意書きが表示されるので、画面の指示にさえ従っていれば問題はないだろう。
 
 ただし、“無視すべき”最初の再起動指示画面では、再起動をしない旨の注意書きが改めて表示されるのだが、この注意書きが再起動画面の上に表示されてしまう。このため、操作すべき画面が隠れてしまって先に進めなくなる。注意画面は移動もできないので、Alt+Tabなどのキー操作で画面を切り替えないと隠れた再起動画面が表示されないのだ。このあたりの仕様は、PCに不慣れなユーザーは戸惑うかもしれない。
 
 無事に再起動を回避して作業を先に進めると、カード装着の指示が出る。USB 2.0やIEEE 1394のドライバが次々にインストールされるので、「次へ」を押してどんどん進めていこう。一通りドライバがインストールされると、今度こそ再起動を実施、インストールが終了する。
 
 あとは実際にSGC-X3UFLを装着して使い始めるだけ。3種類のポートを搭載するだけにPCカードスロットからはみ出す部分も大きいが、カード1枚で済むことを考えれば個人的にはそれほど気にならない。ただ、はみ出し部分は予想以上に大きいので、購入する際はこの点は考慮に入れておいたほうが良いだろう。
 
 
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| 本体側面。左からLAN、USB 2.0、IEEE 1394 | PCカードスロットに装着したところ。スロットからはみ出す部分は大きい |  
 
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| 再起動回避の指示画面。この画面の背後に再起動画面が表示されているが、このままでは先へ進めない | 本体を装着した後はドライバをインストールしていくだけ | 1枚のカードでハードウェア情報が5つも表示される |  
 ■ インターネット接続時のスループットは50Mbps以上SGC-X3UFLでは、LAN/USB 2.0/IEEE 1394にそれぞれ独立したチップを搭載。LANにはRealtekの「RTL8139D」、USB 2.0にはVIAの「VT-6212」、IEEE 1394にはTexas Instrumentsの「TSB43AB22A」が使われている。インターネット接続時のスピードは、CPUにPentium III 600MHzを搭載したノートPCを使用し、Bフレッツ・ベーシックタイプで測定したところ実測値で50Mbps以上のスループットを実測した。USB 2.0では、約174MBの動画ファイルをSDカードからPCへ転送した場合で約30秒程度。ノートPC標準のUSB 1.1ポートでは約3分程度かかったので、6倍程度のスピードで転送できていた。とはいえ、USB 2.0やLANポート非搭載のPCであれば、スピードうんぬんよりもこれらの機能が使えるだけで十分かもしれない。 
 電流はカード単体で最大550mAまで対応しており、カードリーダーなどを接続するには十分な電流だ。また、付属の電源補助ケーブルを使えば最大2,200mAまで接続可能となり、大容量の電流が必要な外付けHDD、CD/DVDドライブなどにも十分対応できるのも嬉しい。
 
 また、これはかなりオマケの機能だが、SGC-X3UFLにはインターネット最適化ユーティリティ「BB Tune」も同梱されている。同社Webサイトに「特に、Windows 95/98/98SE/ME には効果絶大」と記載されている点から判断して、おそらくMTU値やRWIN値を最適化するソフトなのだろう。同梱ソフトながらも、最適化はアッカ・ネットワークスやイー・アクセス、NTT東西のフレッツ・ADSLなど回線種別ごとに設定できるなど使いやすい。ただし、サイトに説明のなかったWindows XPやWindows 2000といった環境下ではそれほど大きなメリットはないかもしれない。
 
 PCカードスロット1個分で3つものインターフェイスを手に入れられるSGC-X3UFLは、コストパフォーマンスも高い上に、数年前のPCを現役バリバリで使っているユーザーには特にお薦めできる一品だと思う。ちなみに、スゴイカードシリーズにはIEEE 1394の代わりにUSB 2.0を2ポート搭載した「SGC-X2UL」や、PCI型の製品もラインナップされている。また、メーカーは異なるがアイ・オー・データ機器からもUSB 2.0を2ポート搭載したIEEE 802.11g準拠の無線LANカードが発売予定だ。自分のPCで足りないインターフェイスを、これらの製品から選んで使うのも良いだろう。
 
 
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| 補助ケーブルを使用すれば最大2,200mAまで電源供給が可能に | フレッツ・スクウェアでは約50Mbpsを記録 | BB Tuneの画面。回線ごと設定を選べる |  
 ■ URL
 製品情報
 http://www.system-talks.co.jp/product/sgc-x3ufl.htm
 システムトークス
 http://www.system-talks.co.jp/
 
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 (結城 海)
 2004/04/21 11:03
 
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