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USB接続型HDDをネットワークHDDに!ネットワークコンバータ「USL-5P」


アイ・オー・データ機器の「USL-5P」。標準価格は16,590円
 パソコンが一家に1台から1人1台になりつつある現在、パソコン同士のデータ共有を手軽に行ないたいと思っている人は増えているはず。今回紹介するアイ・オー・データ機器の「USL-5P」は、以前当連載でも紹介したコレガやロボスの製品と同様に、USB接続型のHDDなどをネットワーク化できる製品だ。

 USL-5Pの本体前面には、上から順に電源ボタン、デバイス選択ボタン、デバイス取外しボタン、コピーボタンがある。USB 2.0ポートは、前面に1ポート、背面に4ポートの合計5ポートが用意され、前面ポートに接続した機器に保存したデータを、背面ポート接続のUSBストレージにコピーできる機能も備えている。ネットワークインターフェイスも本体背面に装備しており、電源はACアダプタから供給する。

 本体サイズは約24×90×126mm(幅×奥行×高)で、重量は約150g。大きさは、タバコ約2箱分程度で比較的コンパクトサイズとなっている。


(写真左から)本体前面と背面
 接続できるHDDはUSB接続型の製品。現在売られている外付けHDDは、ほとんどUSBマスストレージクラスに対応しているため、選択の幅が広いと言える。また、USL-5Pで認識可能なフォーマットは、FAT/NTFS/専用フォーマットの3種類。ただし、NTFSでフォーマットされたHDDの場合は読み込みにのみ対応するので、これまで使用していたHDDを流用する際には注意が必要だ。

 さて、本製品の使用方法は非常に簡単である。ACアダプタを接続して、ルータの空いているポートへ付属のLANケーブルを使用して、本製品を接続する。そして、ネットワーク化したいUSB接続型HDDを本体背面のUSBポートへ接続する。あとは電源を入れ、ネットワークの検索で「USL-5P」を探せば、USL-5Pに接続されているHDDが確認できるはずだ。確認できたHDDに任意のネットワークドライブ名を割り当てれば、より簡単に利用できるだろう。

 もちろん詳細な設定も可能で、上記のようにネットワークに接続したらInternet ExplorerなどのWebブラウザから、「http://usl-5p/」にアクセスするとUSL-5Pの設定画面が表示される。ここでは、基本的なネットワーク設定やディスクフォーマットなどが、ブラウザ上から設定が可能だ。


ネットワークの検索で「USL-5P」を検索したところ USL-5Pの設定画面 情報表示画面では接続したストレージのフォーマット形式や容量などが確認できる

加えて、接続した機器のベンダー名や機器名も表示可能 製品のコンピュータ名なども変更できる

デジタルカメラはUSBマスストレージクラス対応なら接続可能だ。画像下部にあるのは使用した松下電器産業の「DMC-FX2」
 本製品ではまた、HDD以外にもデジタルカメラやUSBフラッシュメモリが使用できる仕様になっており、前面のUSBポートに接続したデジタルカメラなどを前述のように背面接続のUSBストレージへとコピーできる。デジタルカメラで撮影したデータなどを、パソコンを起動せずにHDDへ転送できるのは便利な機能だと感じた。

 アイ・オーの製品ページには接続可能な機器が紹介されている。メモリカードリーダーライターなども本製品に接続できるので、使用しているデジタルカメラがUSBマスストレージクラスに対応していない場合は、リーダーライターにメモリカードを挿入して接続するという方法もある。ただし、複数メディア対応のカードリーダーライターや、USBハブ機能が付いているものは動作しないので注意が必要だ。

 そのほかの機能としては、本製品に接続したHDDのデータをあらかじめ決めたスケジュールで自動バックアップする機能も装備している。同機能では、USBポートごとの設定や、指定したフォルダにバックアップすることも可能だ。ついつい面倒で忘れがちなバックアップ作業を自動で行なってくれるのは有り難い。しかし、HDDをバックアップするには、もう1台HDDを用意する必要があるため、どちらかと言えば個人ユースというよりオフィスユース向けの機能かもしれない。

 また、同社のDVDドライブ搭載ネットワークプレーヤー「AVeL LinkPlayer」シリーズの「AVLP1/DVD」「AVLP2/DVDG」とも連携が可能となっている。これにより、USL-5Pに接続したHDDなどに保存した動画や画像データなどを、パソコンを経由せずに直接AVeL LinkPlayerから再生できるのだ。

 ちなみに内部構造はどうなっているのだろうかと思い、分解を試みることにした。硬いツメや接着剤で固定されていると思ったが、そんなことはまったくなく、ネジを1本外すだけで簡単に分解できた。基板には64MBのコンパクトフラッシュが装着されており、OSなどが書き込まれているのかもしれない。


ネジ止めは裏面の1箇所のみ。ドライバ1本で簡単に分解できた 筐体片側を外したところ

CPUはSH-4を採用しているようだ 64MBのコンパクトフラッシュが本体に装着されていた

 筆者はノートパソコンを無線LAN環境で使用しているのだが、実はUSB接続型HDDを使用するために机まで戻って作業をしていた。しかし、USB接続型HDDをUSL-5Pを利用してネットワーク化することで、家中どこにいても大容量のHDDへアクセスできるようになった。また本製品にはUSBポートが5ポートあるため、USB接続型のストレージの追加も気軽に行なえる。まだ店頭に並びはじめたばかりの製品だが、USBストレージを多数所有している場合には気になるアイテムと言って良いだろう。

■注意
・分解を行なった場合、メーカーの保証対象外になります。また、法的に継続使用が不可能となる場合があります。
・この記事の情報は編集部が購入した個体のものであり、すべての製品に共通するものではありません。
・この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はBroadband Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・Broadband Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2004/usl-5p/index.htm
  アイ・オー・データ機器
  http://www.iodata.jp/

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(東郷真之)
2004/11/17 11:02
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