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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
J:COMが情報交換会を開催「SNSの活用でテレビとネットの融合を目指す」

 ジュピターテレコム(J:COM)は6日、番組供給事業者とのマーケティング情報交換会を開催した。会ではJ:COMの森泉知行代表取締役社長などが2006年のJ:COMの事業展開について説明を行なった。


2006年は大手通信事業者と大きな競争を繰り広げる勝負の年

森泉知行代表取締役社長
 森泉社長は、自身も参加した総務省開催の「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」で、ソフトバンクやKDDIがNTTのインフラ開放を強く要求した件を挙げ、「大手通信事業者はインフラをいかに安く使うかという、インフラ重視の事業を進めていくのだろう」とコメント。「通信事業者の歴史やビジネス環境で言えばそれが正しいのだろう」との考えを示した上で、「CATVの最大の武器は地域密着型ということ。テレビもデジタルやVOD、デジタルビデオレコーダ(DVR)などさまざまなサービスが登場してくると説明なしでは売れない商品になる」と指摘。「J:COMにしかできない差別化を図りながら、顧客視点のサービスを展開していく」との姿勢を見せた。

 また、番組の配信経路を衛星から地上の光ファイバネットワークに切り替えたHOG戦略についても触れ、「配信費用が高い衛星を使わない地上ネットワークはCATVの大きな武器」と主張。番組供給者に対して、「24時間すべての番組をハイビジョンにするのはビジネス的にも難しいが、こういったネットワークを利用してハイビジョン化を少しずつ進めて欲しい」との要望を語った。

 2006年の事業展開に関しては「大手通信事業者だけでなく電力会社までも参入し、非常に大きな競争が繰り広げられる勝負の年」と指摘。多チャンネル放送の加入率が20%に満たない現状を踏まえ、「多チャンネルのシェアが伸び悩んでいる現状は先進諸国から見てもおかしく、ヨーロッバ並みの40~50%近いシェアがあってしかるべき」とコメント。「多チャンネルが普及しない理由を考える時期が来ている」とした上で、「J:COMは引き続き番組供給者とWin-Winの関係を築いていきたい」との抱負を述べた。


モバイル事業やSNSなどサービスを拡充、差別化を進める

事業開発統轄部長の加藤徹氏
 事業開発統轄部長の加藤徹氏は、J:COMの事業戦略に関して説明。「FTTHインフラベースの事業者に加えて、スカパーがNTTと合弁会社を設立するなど、競合環境も厳しくなっているという危機意識が必要だ」とした上で、「価格競争ではなく他との差別化を図り、コストパフォーマンスを考えながら事業展開を進めていく」とした。

 主力事業であるテレビに関しては、VODに加えて2006年春にはDVRのレンタルサービスも開始、「放送型のサービスにこだわらず、いつでも好きなものを見られる環境を提供していく」。また、4月より試験サービスを開始するという視聴率事業についても、「番組編集に役立てるだけではなく、広告収入としても価値がある」と説明。「広告で収益を上げ、よりよいコンテンツを作っていってもらいたい」と語った。

 通信事業では、c.LINKを採用した上下最大100Mbpsの「J:COM NET 光」を集合住宅向けに積極展開中。また、「これもテレビとネットの融合の1つだろう」と前置いた上で、J:COMと@NetHomeが運営するSNS「@myページ」を紹介。J:COM NETおよび提携CATV事業者限定のSNSサービスで、日記やコミュニティ、メッセージ送受信機能などを備えている。加藤氏は「ネットとテレビでシナジーのあるサービスを展開していくために、こうした事業への参画もお願いしたい」と呼びかけた。

 電話事業では、固定電話「J:COM PHONE」のIP化を進めていくとともに、ウィルコムの回線と端末を利用したモバイル事業「J:COM MOBILE」を加え、テレビ、電話、インターネット、携帯電話の4サービスを利用できる「グランドスラム」サービスとして展開していく。モバイル事業に関しては音声サービスに留まらず、「モバイルEPGや携帯電話からのDVR操作といったサービスも順次立ち上げたい」との姿勢を示し、「放送としてのチャンネル強化に加え、インターネットとの融合を含めたコンテンツ事業の展開で差別化を図っていく」との方針を述べた。


集合住宅を中心に展開する「J:COM NET 光」 SNSを利用したコミュニティ展開

地域密着の強みを活かしたマーケティング活動を展開

マーケティング統轄部長の中谷博之氏
 マーケティング統轄部長の中谷博之氏は、J:COMを中心としたCATV業界と大手通信業界の関係を日本の幕末に例えて説明。資金力も大きい大手通信事業者を幕府に例え、「CATV業界内で一致団結して大手通信事業者と戦っていくはずが、中には大手通信事業者と共同でやっていくCATV事業者も現れ、まさに幕末の体制に似ている」とし、「2006年は業界の連携を密にし、真剣に勝負していく1年になるだろう」との考えを示した。

 J:COMの優位性として中谷氏は「次々に新サービスを投入する商品開発力」「サービスを展開するマーケティング力と営業力」「地域密着型の事業展開」の3点を指摘。2005年はコールセンター経由で加入した理由の1位が「口コミ」だったという事例を挙げ、「お客様視点で地域密着の強みを活かした事業展開を進めていく」とした。

 顧客満足度向上の施策としては、「お客様本部」を新たに設置。また、大手ショッピングセンターとも個別で業務提携の話が進んでおり、この提携を軸とし、薄型テレビと販売面で連携を図るといった施策も行なう。さらに地域密着型の強みを活かし、地域イベントと連動したプロモーションも進めるとともに、SNS「@myページ」のようなコミュニティサービスも活用し、「ビジネスチャンスを作っていきたい」との抱負を示した。


CATVを取り巻く環境は「幕末の体制に近い」 J;COMの競争優位性で差別化を図る

関連情報

URL
  J:COM
  http://www.jcom.co.jp/

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(甲斐祐樹)
2006/02/06 17:46
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