マイクロソフトは12日、家庭用ゲーム機「Xbox 360」の日本における今後の展開を発表する「Xbox 360 Briefing 2007」を開催した。発表会では、同社 執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部長の泉水敬氏からXbox 360の現状や新作タイトルが紹介された。
■ Xbox 360のタイトル数は年末年始で約250本に。新作タイトルも披露
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マイクロソフトの泉水氏
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泉水氏は冒頭、「すべてのゲームファンにXbox 360がもっとも楽しく、エキサイティングなゲーム機であることを肌で感じていただきたい」と発言。「E3で日本に関する発表がなく心配された方もいるかもしれないが、この場で日本における展開を自信をもってお見せしていく」と語った。
「この年末にお届けする最強の作品」と泉水氏から紹介されたのは、ミストウォーカー代表の坂口博信氏が手がけるRPG「ロストオデッセイ」。発表会では坂口氏自らがデモプレイを行なうとともに、12月6日に発売することが明かされた。価格は7,140円で、シナリオは重松清氏、音楽は植松伸夫氏、キャラクターデザインは井上雄彦氏。なお、日本以外にも2008年1月にアジア地域で、2月に北米・欧州地域での発売も予定している。
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ミストウォーカーの坂口氏
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ロストオデッセイ
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発表会ではまた、テクモからアクションゲーム「NINJA GAIDEN 2」が2008年をめどに発売されることが発表された。Xbox用ゲーム「NINJA GAIDEN」の続編にあたるタイトルで、テクモの板垣伴信氏は「Xbox版で盛り込めなかった企画やフィーチャーを、Xbox 360という素晴らしいハードウェアで実現できる」と自信を示した。
泉水氏はこのほか、すでに100万本以上の予約が全世界で入っているというFPS「Halo 3」をはじめとしたマイクロソフトゲームスタジオのタイトルに加え、「ACE COMBAT 6 解放への戦火」や「真・三國無双5」、「DEVIL MAY CRY 4」といったサードパーティー各社の新作タイトルを紹介。PC向けゲームプラットフォーム「Games for Windows」のオンラインサービス「Games for Windows - LIVE」については、Xbox 360ユーザーとの対戦が可能なある点などを挙げ、「今後も継続してタイトルを拡充していきたい」と語った。
その上で泉水氏は、「パッケージとダウンロードを合わせたタイトル数は8月末で約170タイトルにのぼり、今回紹介した新作タイトルを含めると250本のゲームが楽しめるようになる」とコメント。「Xbox 360のラインナップは数や質、ジャンルの幅もかつてないほどに強力なものになっている」とタイトルの充実ぶりを強調した。
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テクモの板垣氏
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NINJA GAIDEN 2
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Games for Windows - LIVEとXbox Liveの対戦なども紹介
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Games for Windowsで投入を予定するタイトル
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■ 「Xbox 360は広がりをもったデバイス」。チャットパッドの日本発売も
ハードウェア展開については、すでに発売中の「Xbox 360」と低価格モデル「Xbox 360 コアシステム」に加え、10月11日にHDD容量が120GBでHDMI端子を搭載した上位モデル「Xbox 360 エリート」を47,800円で発売。泉水氏は「ユーザーの使い方に合わせて、3バリエーションから本体をお選びいただける」とした。
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Xbox 360のモデルは3ラインナップに
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エリートでは新たにHDMI端子を背面に備える
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コントローラに装着できるチャットパッドは、ヘッドセットとのセットで発売を予定する
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周辺機器の新製品では、Xbox 360のコントローラに装着して使用できる「Xbox 360 チャットパッド」を国内初披露。Xbox 360では2007年5月のアップデートでWindows Live メッセンジャーとのチャット対応が実装されており、泉水氏は「ヘッドセットとセットにしたメッセンジャーキットとして発売したい」と述べた。発売日や価格は現時点で未定。また、ワイヤレスコントローラ自体も従来のホワイトのほかに、ブラック/ピンク/ライトブルーの3色を追加。価格は4,725円で、ブラックは10月11日に、それ以外は11月1日に発売する。
泉水氏はまた、Windows VistaのWindows Media Center機能をXbox 360上で利用できる点を紹介し、「Xbox 360は最高のゲーム機であるとともに、マイクロソフトが提供するエンターテインメントプラットフォームの1つとして広がりを持ったデバイスである」と発言。「個々の製品やサービスに止まらないコネクテッドなエンターテインメントを今後も充実させる」とした。
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パッド右下には「漢字」や「カタ/ひら」ボタンも
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ワイヤレスコントローラのカラーは4色へと拡充
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Windows Vistaとの連携も紹介された
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■ Xbox Live会員は700万人以上。アイマスのダウンロード数は世界第3位
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アイドルマスターを例にダウンロードコンテンツによるゲームの新しいビジネスモデルを提唱
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続けて、Xbox 360向けのオンラインサービス「Xbox Live」の現状を説明。泉水氏は「Live会員は全世界で700万人以上で、2008年6月末までに1,000万人を獲得したい」という。また、「累計オンラインプレイ時間は29億時間と、33万2,000年分に匹敵する想像もつかないプレイ時間に到達している」と付け加えた。
Xbox Liveでゲームの追加アイテムやデモ映像などをダウンロード配信する「Xbox Live マーケットプレース」に関しては、ダウンロード可能なアイテム数が9,000以上、累計ダウンロード数は2億2,000万件になるという。その中で泉水氏は、バンダイナムコゲームスが発売する「アイドルマスター」を取り上げ、「日本国内でのみ発売するタイトルにも関わらず、ダウンロード数は世界第3位になっている」と語り、「マーケットプレースにおけるダウンロードコンテンツは、ゲームの新しいビジネスモデルを提唱している」と述べた。
マーケットプレースではまた、ゲームタイトルを配信する「Xbox LIVE アーケード」を用意。最大8人のオンライン対戦が可能な「ボンバーマン・ライブ」は、7月の配信開始から全世界で16万を超えるダウンロードを記録したという。泉水氏は「Xbox LIVE アーケードのゲームはXbox Live会員の約70%に利用されており、Xbox Liveは家庭用ゲーム機における最高のオンラインサービスを提供している」とした。
Xbox LIVE アーケードの新作としては、「Rez HD(仮称)」や「E4」、「斑鳩」などの配信を予定。また、マイクロソフトのゲーム開発ツール「XNA Game Studio Express」を利用したコンテストの優勝作品を世界配信する予定で、泉水氏は「世界中に広がるインフラと開発ツールを一般に広く公開している当社の強みとも言え、こうした施策は今後のゲーム業界の発展にも重要だと考えている」と述べた。
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ボンバーマン・ライブは既に16万ダウンロードを超えるという
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今後はREZ HDや斑鳩などの配信も予定
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■ 泉水氏「年末商戦に向けて真っ向勝負をかける」
発表会の最後には、2006年春にマイクロソフトが発表したRPG「インフィニット アンディスカバリー」をスクウェア・エニックスが発売することを発表。開発はトライエースが引き続き手がけ、「国内市場でユーザー人口が最も多いRPGジャンルに向けて、3社の強みを活かして一層素晴らしいゲームを提供する」とした。スクウェア・エニックスからはまた、2007年5月に発表した「ラスト レムナント」の実機映像も披露された。
泉水氏は「2007年12月で3年目を迎えるXbox 360は、年末年始で250タイトルが出揃い、オンラインサービスも確実に進化を遂げている」と強調。「今もっとも成熟し、楽しく、エキサイティングなゲーム機であり、年末商戦に向けて真っ向勝負をかけていきたい」と抱負を語った。
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インフィニット アンディスカバリー
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ラスト レムナント
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■ URL
Xbox.com
http://www.xbox.com/ja-JP/
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(村松健至)
2007/09/12 19:18
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