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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
情通審、光ファイバの1分岐単位貸出に答申。「さらなる検討が必要」

 情報通信審議会は29日、次世代ネットワークに係る接続ルールの在り方に関する答申を発表した。シェアドアクセス方式の光ファイバに関する1分岐単位での貸出についてはさらなる検討が必要とし、パブリックコメントを踏まえた意見の整理が必要であるとした。


光ファイバの1分岐単位貸出を求めて通信事業者が議論

 現在、戸建向けのFTTHサービスでは1つの光ファイバを複数の戸建で共有するシェアドアクセス方式が主流だが、NTT東西では最小で8分岐単位での貸出を行なっており、光ファイバの貸出を受けてFTTHサービスを展開する事業者からは1分岐単位での貸出を求める要望が出されている。

 これに対して情報通信審議会では、サービス品質面でNTT東西にリスクが発生する、1分岐単位(OSUの共有)には地域IP網の改造と新機能の実装が必要になる、接続事業者は自らOSUを設置することでNTT東西と同等のサービスが提供できるとの理由から、1分岐単位での貸出を義務づけるべきではないとの答申を2007年3月に発表。ただしこの答申の中でも、1分岐単位での共有にはさらなる議論や検証を深めるとともに、妥当性についてもNGNの接続ルール検討の際に改めて検討することが適当としていた。

 この答申以降、光ファイバの貸出を受ける事業者の7社連合は、複数事業者間で光信号電送装置(OLT装置)を共有する実証実験を実施。2007年9月には、ユーザーのトラフィックを一定に制御するといった運用ルールによって1分岐単位での貸出が可能であるとの検証結果を発表した。これに対してNTT東西はサービス品質面や新サービス提供上の支障、追加費用負担や競争上の面で問題があるとし、1分岐単位で貸出は適当でないとの意見を示している。

 こうした意見を踏まえて「次世代ネットワークに係る接続ルールの在り方について」の骨子案では、OSUの共用による1分岐単位での貸出について検討が行なわれた。また、OSU共用以外の方式として、OSUは分岐単位貸出ではなく専用するものの、接続料を光ファイバ1芯単位ではなく分岐ごとに算定するという「OSUの専用」案、光ファイバを分岐して貸し出すのではなく、NTT東西のサービスであるBフレッツの機能をアンバンドルして接続料を設定するという案についても検討された。


情通信は「さらなる検討が必要」。パブリックコメントを踏まえて決定

 審議会の答申では、FTTHシェアで約7割を占めるNTT東西であっても、光ファイバ1芯あたりの契約数は2~3契約程度と最大8契約を下回っており、さらにNGNの展開によって従来のBフレッツとは異なる芯線を敷設する必要があるなど、1芯あたりの契約数で著しい上昇は期待できないと指摘。OSUの共用による1分岐単位の貸出がコスト低廉化や競争の活性化を実現する効果があることは事実とした。

 一方、OSUの共用を義務づけることに関しては、NTT東西の意見などを踏まえて「さまざまな問題がある」と指摘。事業者間の共通ルール策定による問題解決の可能性を「現時点で必ずしも否定するものではない」とした上で、電力系事業者やCATV事業者も懸念するサービス競争や設備競争の問題などもあり、「NTT東西の経営の自由や営業の自由を制限することが可能かどうかは判断が分かれる」とコメント。FTTHを巡る市場環境や競争環境を考慮しながら判断すべきとした。

 OSUの専用案に関しては、現行の光ファイバ接続料では未利用の光ファイバ芯線も接続料原価に算入されており、接続事業者間で分担しているという状況を踏まえ、分岐ごと接続料を設定した上で未利用分岐のコストを接続事業者で負担することも可能であるとコメント。NTT東西の「収容効率が低い事業者のほうが品質の良いサービスを提供できてしまい、モラルハザード的な借り方を助長する」との意見についても、接続料の算定措置次第で対策は可能とした。

 ただし、この方式に関しては基本料の設定金額が重要であるとともに、最も多くの分岐を保有するNTT東西が最も多く負担する点、OSU共有に比べて効率面で劣る部分があるといった点に留意した上で、その適否を判断すべきとした。

 Bフレッツの機能を接続料化するという案については、ISP事業者も要望しており、アクセス回線部分だけを見れば現在よりもNTT東西に近い料金水準で利用できるメリットがあると説明。

 ただし、この方式では競争事業者のIP網へアクセス回線を直接接続するというニーズを満たせないと指摘。また、複数のISP事業者の切り替えが可能であり、ISPとは接続しないNGNに閉じたサービス利用も可能になっているBフレッツでは、特定のISP事業者に接続先を限定することができない仕様のため、接続料設定に技術的な問題があるとした。

 OSUの共用、OSUの占有、Bフレッツ機能の接続料化という3案については、他事業者間でのOSU共有といった選択肢も含め、「FTTH市場の市場環境や競争環境や、それぞれのメリット・デメリットに関する意見招請結果を踏まえた整理が適当」とコメント。総務省では1月29日から2月28日まで行なわれる意見募集の結果に基づいて調査審議を行ない、総務大臣に対して答申するとしている。

 なお、情通審では本検討に関し、NTT東西が目標とする「2010年のFTTH2,000万加入」などを踏まえ、2010年度までを視野に入れて行なったものであり、2010年までの普及・構築期と2011年以降の発展期では接続ルール検討の前提も異なると説明。本答申を受けて行なわれる制度整備後3年をめどに、接続ルールの見直しを検討することが適当としている。


関連情報

URL
  総務省 報道資料
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080129_6.html

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(甲斐祐樹)
2008/01/29 18:55
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