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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ミクシィ決算、会員数や収益は増加もPVやアクティブ率は減少が続く

 ミクシィは30日、2008年3月期第3四半期(2007年10月~12月)の業績(非連結)を発表した。SNS「mixi」の会員数は1,331万人と1,300万を突破し、モバイルも好調な一方でPC向けが伸び悩んでおり、今後はmixiの楽しさを再訴求する施策を進めていく。


会員数は1,300万を突破。PVはモバイルが好調ながらPCは減少が続く

ミクシィの笠原健治代表取締役社長
 第3四半期の実績(2007年4月1日~2007年12月31日)は、売上高が前年同期比で約前年同期比111.7%増の72億3,580万3,000円、営業利益は85.8%増の27億3,343万9,000円、経常利益は91.6%増の27億4,272万円。第3四半期のみの数値では売上高が前年同期比で約1.8倍となる26億1,492万6,000円、経常利益は約1.6倍となる9億2,121万5,000円となった。

 事業別ではSNS「mixi」の売上高が前年同期比159.7%増の62億4,643万4,000円で、このうち有料サービス「プレミアム」会員料金の売上高は4億4,357万7,000円。インターネット求人広告事業の「Find job!」は前年同期比2.3%減少の9億8,936万8,000円となった。

 mixiの会員数は2008年1月30日現在で1,331万人と1,300万を突破。月間PVはモバイルが好調で、2007年9月30日現在の約63億PVと比べて2007年12月30日現在では68.1億PVと約5億PVの増加。一方、PC経由でのPVは約59億PVから約50.3億PVへと約9億PVの減少となっており、合計PVも前四半期の約122億PVから118.4億PVと減少している。

 3日以内にmixiを利用するアクティブ率も約58%と60%を下回り、当初ログイン率7割を誇っていたmixiのログイン率も減少が続いている。月間滞在時間は約2時間45分となった。

 Find Job!の登録企業数は2007年12月末現在で約19,500社で、登録求職者数は約23万8,000人、顧客平均単価は約95,500円。PV数は約490万PVとなった。


アクティブ率は60%を割り込み「危機意識を感じている」

左から経営管理部長の神田千勢氏、代表取締役社長の笠原健治氏、社長室長の小泉文明氏
 ミクシィの笠原健治代表取締役社長は、「インターネットメディア事業の各種広告販売が順調に推移し、売上高も右肩上がりで成長した」とコメント。広告メニューの改定や広告枠新設などの新たな広告展開により、モバイル、PCともにPV単価が上昇していると説明。特にモバイルが大きく伸びており、タイアップ広告の件数やクライアント数も増えているという。

 一方、PVに関してはモバイルが順調に伸びている一方でPC経由のPVが減少しており、アクティブ率も減少傾向が続いている点を踏まえ、「メディア力向上のための施策が重要」とコメント。笠原氏は「mixiの楽しさを理解していただけたユーザーは長く使い続けていただいているが、2006年頃に入会したユーザーのアクティブ率が低く、そのまま非アクティブにつながっていくことには危機意識を感じている」との認識を示した。

 こうしたPV減少とアクティブ率減少の対策として、「SNS本来の楽しさである、気軽に楽しく便利にコミュニケーションできるという価値を再度訴求していきたい」とコメント。「サイト規模も1,300万人を超え、改善すべきところは改善する必要がある」とし、「必要であれば新機能も追加していく」とした。

 こうしたSNSとしての価値を再訴求する施策をフェーズ1とし、フェーズ2ではAPIの提供でSNS上にアプリケーションやデータベースを集積。フェーズ3では映像・画像・音楽などのコンテンツをSNSで展開していき、さらにフェーズ4では検索技術やレコメンド機能などの実装により、パーソナルなメディア化を追求するとした。

 収益モデルでもデジタルコンテンツの課金やEC展開、海外の「mixi」提供などを計画。デジタルコンテンツ課金は「携帯電話を使い、mixiの延長線上でデジタルコンテンツを使っていくことになる」と説明したほか、EC展開は「現在準備中だが、詳細はまだ発表できない」とした。


携帯電話フィルタリングは「影響は限定的」だが「強い危惧を感じる」

 また、総務省が発表した携帯電話・PHSへのフィルタリングサービス導入についても言及。「mixiは18歳未満の利用を禁止しているので影響としては限定的」とした上で、「ユーザーが情報発信していくSNS型のサービスがフィルタリングで使えなくなることは、長期的に見てインターネットサービス全体にいい影響がない」と指摘した。

 また、未成年のユーザーがフィルタリング対象外の年齢になった場合にもフィルタリングは自動で解除されず、身分証などを持参して手続きが必要になるほか、新規契約ユーザーはフィルタリング対象が20歳未満を対象とする点にも触れ、「未成年保護のフィルタリングとしては問題があるのでは」と指摘。「インターネットのサービスを制限されるユーザーが毎年増えていくことには強い危惧を感じている」との懸念を示した。


関連情報

URL
  第3四半期財務・業績の概況(PDF)
  http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=565436
  関連記事:「オン・オフだけのフィルタリングは無益」施策の再検討を求める声も[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/30/18279.html

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(甲斐祐樹)
2008/01/30 18:36
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