パナソニック コミュニケーションズは21日、高速PLC規格「HD-PLC」の検証ハウスを報道関係者などに公開した。同施設は、福岡市博多にある同社本社内に建設された。
■ 宅内配線を新旧2種類用意した検証ハウス。認証試験も実施
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公開されたHD-PLC検証ハウス
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パナソニック コミュニケーションズは、HD-PLC規格の普及・拡大を図るために2007年9月に発足した「HD-PLCアライアンス」の事務局会社。また、HD-PLC関連機器を開発・製造・発売しているほか、他メーカーの検証作業なども行なっていた。なお、HD-PLCアライアンスの会員企業は10社で、参加準備中の企業は11社になる。
公開された検証ハウスは、ユーザーの使用環境により近い形で各種検証を行なうために建設。家屋は軽量鉄骨造2階建で、延べ床面積は141.2平方メートル(42.7坪)。ハウス内には、パソコンやテレビ、AV機器、電話機、FAXのほか、冷蔵庫や電子レンジ、掃除機、ドライヤーといった一般家電製品が旧モデルを含めて設置、実際の住環境に近づけられている。
宅内の電力配線は、新築戸建てや大規模マンションに多いという「ユニット配線」と、既存戸建てや小規模マンション、アパートに多いという「従来配線」の2種類を切り替えて利用が可能。ユニット配線は、スター型のジョイントで各コンセントに配線する構造で、従来配線はスター型にコンセントからコンセントを送り配線を加えた形になる。また、住宅近傍10m四方の電界強度取得が可能で、輻射レベル低減効果を確認できるとしている。
家屋内には、それぞれの配線に対応したコンセントやスイッチなどが設けられており、テストに使用する配線に応じて各機器をつないで動作状況が確認できる。加えて、製品試作機とリファレンス機を接続して互換性テストを行なう部屋も設けられており、同テストを通過することでHD-PLCの認証・ロゴ取得が完了できるようになる。
このほか、試作品を含めたHD-PLCの機器紹介ルームも用意。また、各社が開発した製品の相互接続試験(プラグフェスタ)を随時行なっていく考えで、台所や居間、寝室、和室などにおけるHD-PLC製品の利用シーン紹介も行なっていく。
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家屋構造。接続テスト用ルームは2階にある
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従来配線とユニット配線を切り替え利用できる
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配電設備は玄関を入って横に設けられている
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認証用ルーム。接続テストはシールド密閉して実施する
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旧モデルのAV・生活家電を多数設置。併用時の通信状況も確認可能という
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試作機を含め、HD-PLC製品を展示・紹介する部屋もある
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■ 「HD-PLCでグリーンユビキタスの実現を」。200Mbps超の製品も投入予定
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パナソニック コミュニケーションズの小林氏
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CESでは34社64製品を展示した
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同社のPLC標準化・アライアンス推進室 室長で、HD-PLCアライアンス会長を務める小林英次氏は、「今回建設した検証ハウスは、これまでの検証でやれなかったもの、やりたかったものを総結集したもの」と説明。「2種類の配線を用意したことで、豊富な検証とデータを取得できる」と語り、すでにアライアンス企業が検証に訪れていることも明かした。
国内市場に関しては、HD-PLC以外にHomePlugやUPA規格に対応した高速PLC製品も発売されているが、小林氏は「BCNデータによれば、国内シェアは94%とナンバー1である」と発言。HD-PLC製品はモジュールを含めて50万個を出荷しているとした。なお、2007年4月からは松下グループを挙げて台湾プロジェクトを実施しており、この成果として台湾企業からアダプタ製品以外の開発が進んでいるとした。
小林氏は、「2007年夏頃までをフェイズ1.0とすると、2008年1月に32社64製品を展示したCESの前後がフェイズ1.3である」とコメント。その上で、「HD-PLCを通じて環境問題にも貢献していきたい」と考えを示し、「HD-PLCでグリーンユビキタスの実現をスローガンに、フェイズ2.0に向けて取り組んでいきたい」と述べた。
オープンハウス公開では合わせて、今後の新製品投入も予告。発売時期は未定だが、現行製品が持つ通信速度190Mbps(理論値)を上回る、200Mbps超の製品提供を検討しているという。
なお、パナソニックではHomePlug Powerline Allianceと規格の共存利用における提案をIEEEに対して行なっている。小林氏は3月に福岡で行なわれるというIEEEの会合に向け、「他規格と共存できるような形を考えていきたい」と語った。
■ URL
HD-PLCアライアンス
http://www.hd-plc.org/
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(村松健至)
2008/02/21 16:32
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