■紆余曲折のご褒美!?
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突然スループットが20kbps向上!! これはきっとADSLの女神からの贈り物なんダ!! |
フレッツADSLを利用開始してから約1カ月、わりと細かいけど納得はできない速度低下を何度か経験し、でもなんとかそんな問題も解決した俺は、いくつかの教訓を得た。
ひとつは、ADSLモデムは特にノイズに弱いようなので、ADSLモデムの周辺にノイズ源が来ないように超注意するということ。それから時々ADSLモデムの電源を切ってまた入れて、つまりモデム・電話局間のリンクを再確立すること。とりあえず俺のWindows 2000環境では、このふたつの単純な掟を守れば、ADSLのスループットは非常に安定する。
ちなみに安定時のスループットは約640kbps。計測に使わせていただいているサイトはOSO氏のOSO's Modem Site内にある受信速度自動計測ページ。
さておき、この約640kbpsという平均スループット値を維持するべく、いつもやるようになったのは、数日に1度程度のADSLモデムの電源オフ・オン。たまに電源を切って、また入れて、リンクを再確立することで、前回書いた“フォールバック”による速度低下の維持状態を回復させること。時々何らかの原因でスループットが630kbpsとかあるいはそれ以下になり、その状態が長く続くときにモデムのオフオンをやると、スコッといつもの速度に回復するので、なんかこう、ある種のおまじない的によく行なうようになった。
で、そんなコトを続けているある日、何となくADSLモデムのオフオンを試したら、あらま!! これは!! むむむ!! と少々嬉しい出来事が。それは、いつもよりも少々スループットが上がったこと。具体的には、いつも640kbpsくらいだった速度が、突然660kbpsに上がったのダ!! やりぃ!! ラッキー!!
……でも、これってたまたま何かの拍子に、ウチから電話局までのどこかで出ていたノイズが一時的に消えたことからくる、あくまでも一時的な速度向上かも……とも思えた。でもまあ、一時的にせよこれまでで最高のスループット!! このわずかな速度向上を楽しんでいきたい!! そうだこれはきっとADSLの女神からの贈り物なんだよ!! 俺がノイズがどーだモデム電源がどーだと四苦八苦して悪い汗をかいていたのを見つけて「がんばったからご褒美よチュ」みたいなことなのだ!! と、たった20kbpsの速度向上とは言え、ミョーな妄想までするほど喜んじゃった拙者であった。
■米国同時多発テロの影響か!?
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スループットが20kbps向上して喜んでいたら突然の23kbps低下。もしかして米国テロの影響? みんなこぞってインターネットにアクセスしてるせいなのか!? |
降って湧いたようなこの20kbpsの速度向上。660kbpsでの通信も、きっと1日か2日したらまた640kbpsに下がるんだろうなぁと思っていたら、そうでもなかった。4日後には664kbpsとなり、これがそのまま3日間維持されたと思ったら、その次の日には669kbpsに上がった。
そしてその後、665~669kbpsの間のスループット値で安定するようになった。結局、660kbpsを上回るようになった日からこれで半月、安定して660kbps以上のスループットをマークし続けている!! ということは!! アレか!! アレなのか!! って原因っていうか要因はわからないが、電話局までのメタリック回線のどこがが品質向上したと思えてならない!! そうだよきっとそうなんだよ!! メタリック回線自体が良くなったのか途中のノイズ源がキッチリ撤去されたかなんかして、通信状態がよくなった恩恵を受けたんだよ俺の最強に強まったフレッツADSL接続環境が!!
わずか20kbpsの速度向上ではあるが、その20kbpsを生み出したであろう背景を想像すると、なんだか先行き明るい感じですヨ!! この調子で回線やら交換機やらが整備されると、もっと速度が上がったりするのカモ!! ADSLの未来はすげー明るいのカモ!! 一瞬、フレッツADSLとは全然関係ないけど東芝の昔のCMとナショナルの昔のCMが脳内を流れましたヨ!! あ、東芝のは「ひか~るーひかるとおしば~」というアレで、ナショナルのは「あっかっるーいなっしょなぁーる」というアレですけど、どなたか覚えてますか?
しかし、この喜びは、そこまでだった。東芝とナショナルの曲が脳内を通過した翌日、スループットがガクン(ってほどでもないんですけど)低下した。値は637kbps。
あ。急に下がった。下がった。下がった。ヤかも。ということで、またモデムの電源を切って入れてリンク再確立。しかし、スループットは依然として637kbps。いや2週間以上続いた660kbpsに戻るはずだよどうにかすれば、と何度かモデムの電源を切ったりパソコンを再起動したりしてたが、スループットは637kbps。もしかしたら何かノイズを発生し始める原因があ……とさらなる試行錯誤を続けようとした時、そのことを知った。
米国同時多発テロの発生である。
俺がこの事件を知ったのは、既に各テレビ局で盛んに報道が始まってから1時間程度経ってからだ。まったく大変なコトが起きてしまったっていうか、まったく信じられないコトをしでかしたという、何だか現実離れしたショックを受けた。とにかく、亡くなった方々のご冥福をお祈りする。
話をADSLに戻すが、今になって思い起こしてみると、このテロ事件の直後から、俺んチにおけるADSLのスループットが低下したような気がする。事件を知った直後、俺もネットでそれ関連の情報を見ようとしたのだが、同様に多くの人もネットを通じて情報を得ようとしたと思う。確信はないものの、その直前までスループットが660kbps程度で、その後3週間以上、スループットが640kbpsを上回ったことが一度もない。まあこういう大変な事件が起きている時に俺ンちのスループットなんざぁどうでもいい些細なことだが、あるいは事件後、ネットのトラフィックが大きく増えたのかも、と思う。
■ADSLが変えたもの
以前はフレッツISDNを使っていた俺が、フレッツADSLに乗り換えた最大の理由は、非常に単純なコトで、単に通信速度を速めたいというそれだけのことだ。ISDNだとインプレスのページとかって重いんだよなー、ヨドバシカメラのウェブサイト表示するのにちょいと時間かかるんだよなー、でも速い回線ならもっと気持ちいいだろうなー、という単純なことであった。
実際にADSLにしてみると、確かに各種ウェブサイトを非常に軽快に表示できるようになってジョリーグッドであるが、それ以上に、ああそうかそうだったと改めて感じるような変化がいくつか起きた。
フツーのISDN接続からISDNテレホーダイを利用し始めたときもそうで、ISDNテレホーダイからフレッツISDNにしたときもそうだった。わぁーいISDNテレホーダイにしたから1MBのメールを送ったりしても電話代気にならないしチャットもし放題だゼ!! と。さらに、フレッツISDNにしたら、ぎょわっいつ何時何時間つなげても定額!! 無理して夜中に通信する必要もなくなった!! これからは好きなときに好きなだけインターネットを使える!! と、ネットへの接続サービスによって生活がけっこー変わったことを思い出す。
フレッツADSLになったら、まず時間の感覚がかなり変わった。大雑把に言えば、ネットを使ってやりたいと思うことを自然に即、行なえるようになった。いやフレッツISDNでも即行なえると言えば行なえるが、通信速度が遅いと何かする気になれないことがあった。
例えば、ヘンな話だが、これからスグに出かけなきゃなんないときには、ヘタにメールを読み出せない。仕事上のデカめの画像ファイルが添付されていたりすると、そこから十数分から数十分、ファイルのダウンロード待ちをするハメに。途中でキャンセルしちゃえばいいのだが、メールをダウンロードし始めるとついつい「きっとそんなにデカくないファイルだろうからあと1分」みたいな感じで待ってしまう。そして、マーフィーの法則ではないが、時間がないときに受信するファイルほど容量が大きかったりして、1分どころか20分くらい待たされたりして、メールの送信者を逆恨みしたりなんかして……。
他にも、Windows updateしたいんだけど現在資料的Webページを参照しつつ仕事中なんて時には、updateは後回し。Webページの表示が遅くなると仕事に差し支えるからだ。良さそうなフリーソフトを知っても、そのサイズが大きかったりすると、風呂入ってる間にダウンロードした方が効率いいだろうなみたいなコトになる。
しかし、ADSLにしてからは、そういう点で神経質になることはなく、つまりはダウンロード時間に対するストレスが激減。思ったらいつでもダウンロード。同時にウェブページを見たりしても支障はないし、俺の環境(スループット637kbps)だと1MBのファイルをダウンロードするのに約14秒。ISDNの時と比べると、かなり大きなファイルでも何ら気にすることなくダウンロードできるゆえ、非常に気楽に通信を行なえるようになった。
そうか、2~3MBのファイルなら、いつでもスコッとダウンロードできるんだ!! つーか10MBくらいでも大して気にならない時間でイケる。ダウンロードに専念して待っていられる時間を……例えば10分としたら、うわっ40MBくらいのファイルがネット経由で手に入るのか!! 改めて637kbpsのありがたみを知る拙者。
そう思ったら、各種ドライバ類や、PDF、あるいはフリーソフトなどプログラム類、それから新型デジカメのサンプル画像などをローカルのHDDに保存しておくのがばからしくなってしまった。これまでは「必要な時にいちいちダウンロードするのは面倒」と思い、ダウンロード後の各種データにすぐアクセスできるよう、使用頻度が高そうなデータをHDD内に保存していたのだ。が、サーバーに存在してきっと当分は消されちまわねーだろと思えるデータを、ローカルHDDにコピーしておくのは、ディスクスペースの面でもネットワーク的考え方においても、あまりスマートな方法ではない。
しかし現在は十分に実用的な速度を持つADSLを使える。原本のコピーをわざわざローカルHDDにコピーしておかなくても、必要なときにサーバーから取り出してデータを使うというスマートな方法を実践できるようになったのダ!! と思うが早いか、ため込んでいたプログラムやらPDFやらドライバやら画像やらを一気に削除!! そしてHDD内が超スッキリ!!
なるほど、通信回線が速くなるってことは、サーバーとクライアントの間をより密接にしてくれることなのだ。ADSLは、コンピュータとコンピュータの間の電話回線を、むしろコンピュータ間のバスのようなニュアンスに近づけた、というような気がした。637kbpsくらいの速度でそう感じるのだから、む!! これがもっと速ければ遙か向こうのサーバとココのクライアント、って距離感覚がさらに薄れるハズ!! そっちのサーバとココのクライアント!? いやサーバ・クライアント間の距離感覚さえなくなるのだいずれ!! なんて思ったら、やっぱりもっともっと速い回線を使いたくなった。
そんな近未来の情景を描きつつ、そうだアレもやってみよう、複数台のマシンの同時接続を、と思い浮かんだ。せっかくの高速回線を1台のマシンだけで使ってるんじゃぁもったいない。家のパソコンを全部このひとつのADSL回線につなぎ、プロバイダもひとつに絞っちゃえ!! そうだ合理化だよ合理化!! これをやっていきたい!! ってことで、次回はフレッツADSLで通信費軽減作戦を。
□フレッツ・ADSLサービス情報
http://www.ntt-east.co.jp/flets/
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
(2001/10/23)
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