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すんげぇ快適だぞUA-700!! スタパバンド実験放送第6回
[2003/06/11]
プロお勧めのマイク「AKG C747」に惚れちゃった拙者 スタパバンド実験放送第5回
[2003/05/29]
ノイズ除去してみました! スタパバンド実験放送第4回
[2003/05/14]
まだまだやるゼ!! スタパバンド実験放送第3回
[2003/04/30]
拙者環境にもっとも合うルータは? ――と、スタパバンド実験放送第2回
[2003/04/16]
高スループットの無線LANルータが欲しい!! &スタパバンド実験放送第1回
[2003/04/02]
プロバイダー乗り換えで下り速度が倍ッ!!
[2003/03/12]
きた来たキたんだよアニキ!! Bフレッツ開通!!
[2003/02/19]
テキストじゃない伝達ってのも行なっていきたい!!
[2003/02/05]
糞忌々しいケーブル地獄を解消していきたい!!
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取りにいくのが面倒。そんな時、情報が降ってくるサービス
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ウイルスを笑う者はウイルスに泣く!
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全然イライラしないんです
~フレッツISDNからADSLへ・2~
[2001/12/11]
常時接続は健康的な通信サービス!!
~フレッツISDNからADSLへ・1~
[2001/11/28]
ADSLの帯域を使い倒していきたい!
[2001/11/13]
スループットをめぐる紆余曲折とADSLにして変わったこと
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またしてもスループットが低下!! 480kbpsに!
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スループットが100kbps以上も謎の減速!!
[2001/09/25]
激祝 for ADSL開通っ!!
[2001/09/11]
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常時接続は健康的な通信サービス!!
~フレッツISDNからADSLへ・1~


通信環境が変わると生活が変わる

テレホーダイを利用していると夜型の生活になりがち。定額フレッツISDNで健康的な生活に切り替え可能! しかしこれも慣れてくると速度が……

 数年前のことを思い出すと、現在の通信環境――ADSLによる高速なインターネットアクセスがもたらした生活の変化ってのが、やはりヒジョーに大きいと感じる。大きさにして東京ドーム32個分程度と言えるし、あるいは霞ヶ関ビル64杯分とも言えるが、そーゆーデカいモノの容積を例えに出されてもわからねえと言うのが読者諸氏および拙者の本音ゆえ、具体例を挙げながら俺の通信環境の変貌がもたらした生活の変化を見ていきたい。見ていきたくない人にも見せていきたい!!

 ISDNのダイヤルアップ接続をしていた頃は――今から4~5年前だろうか――実に慎ましいようなわびしいような通信をしていた。俺は首都圏近郊に住んでいるものの、市内にはダイヤルアップのアクセスポイントがなく、また隣接区域にもない。圏内にはあったが、ソコはビジー率がミョーに高かったので、結局は都内のアクセスポイントにつなげていた。

 なので、通信=通話料金が高い。必要な通信を行なったら速攻で回線を切断しないとどんどんお金がかかる感じ。実際、トロトロと通信しているとアッと言う間に月額3万円以上の電話料金を請求されたりする。ウェブページは表示された瞬間、即、丸ごと保存して回線切断!! メールを書くたびに送信してるとアクセス回数がかさむので数通まとめて送受信!! というふうに、なるべく短時間のネット接続にとどめ、通信料金を抑えた。

 それでも最低限月額2万円くらいの通信料金(通話料含む)がかかっていた。高い時には4万円以上も!! しかし、モデム使うよりもTA使った方が快適だし、そろそろネット上の情報も加速的に充実し始めた頃だしってことで、通信料金は「しょーがねえや」とあきらめていた。

 その後、NTT東日本がINSテレホーダイというサービスを開始した。テレコミュニケーションしホウダイ、ということからのネーミングだろうか、相変わらずベタなノリで愉快な企業だと思ったが、このサービスは全く実に物凄く強烈に素晴らしかった!! 定額料金を支払えば、夜11時から朝の8時まで、ネットにアクセスし放題なのだ。通話先(アクセス先)の電話番号は、プランによってひとつかふたつに限られるものの、毎日の夜間9時間、ずっとネットに接続しっぱなしで2400円か4800円(ホームプランの場合)で済むってのは、月額3~4万円の通信料金支払い野郎の俺にとって気絶するほど衝撃的であった。てなわけで、もちろん、このINSテレホーダイを速攻で利用開始。

 で、INSテレホーダイは確かに超安上がりでネットを活用できるサービスであったが、予期せぬ問題……というよりも生活の変化を起こしてくれやがった。INSテレホーダイは夜11時から翌朝8時までの通話(ネットへの接続)が定額となるサービスなので、ユーザーはその時間帯にだけ積極的にネットに接続するようになる。夜11時から朝8時と言えば、本来ぐっすり眠るべき時間帯なのに、その時間帯だと通信料金超お得!! ということで、俺は案の定、慢性的な夜型生活者になったのである。

 無理してテレホーダイの時間帯(以下テレホタイム)に接続しなくてもいーじゃん、とは思う。が、テレホタイムだと定額で済む=つなげばつなぐほどお得な感じであり、テレホタイム以外だと、つなげばつなぐほど丸損な感じがする。ネットユーザー的観点からすれば、テレホタイム=バラ色の時間帯であり、非テレホタイム=暗黒の時間帯となり、夜11時から朝8時が物凄く有意義な時間帯に思えまくりであって、ずるずると夜型生活を続けてしまうのであった。

 現在でもINSテレホーダイを利用する人は多く、それが起因して、テレホタイムの開始時間である夜11時になると、突然BBSなどへの書き込みが激化するような現象が見られる。また、静止画や動画を多く配信するサイトも、夜11時になるといきなり重くなったりする。テレホーダイによって生活を変えられちゃってる人が多いんだなぁと思う。



常時接続は健康的な通信サービス!!

 俺の場合、けっこー長い間、INSテレホーダイを使い続けてきた。フリーライターなので、まあ夜中に活動するようになっちゃってもヘーキと言えばヘーキである。が、やはり人間は昼間に活動すべき動物。夜型生活が続くと疲れがヤケにたまりやすくなる。仕事の効率も落ちる。お肌も荒れて目も血走って、美容的にもイヤだわ~、みたいな。

 ちょいと以前には(現在もあるけど)、OCNという常時接続サービスがあり、コレを使えば夜型生活から脱せるだろうと思えた。が、料金的に3万2000円とけっこー高め(と言っても当時は安いように感じられもした)で、通信速度は最大128kbps。INSテレホーダイでMP接続(ISDNの2Bで128kbps接続)すれば、通信速度的には差がない(とも言えるが実際はユーザーが増えるとOCNの方が遅くなりがち)。昼型生活は嬉しいが、んー、料金的なオイシさがないなぁ……と思ってそのままINSテレホーダイで夜型生活を続けていた。

 ところが、そこへ、彗星の如くスンバラシいサービスが現れた。NTT東日本のフレッツISDNサービスである。これは、ご存じのとおり、定額料金を支払えば、いつ何時であってもインターネットに接続し放題というサービスだ。開始当時は確か月額4500円だったと思うが、ともかく、この料金を払えば一日24時間ずーっと接続しっぱなしでもOK。これを一ヶ月間続けても料金的に何ら心配することはない。スバラシ過ぎ!! ということでコレに加入。

 フレッツISDNにしてからは、それまでのネットと俺の関係が大きく変わった。まず、フレッツISDN加入当初は、堰を切ったようにスゲぇ勢いでネットを使いまくった。じっくり読みたかったページを読みまくり、ダウンロードしたかったデカいファイルをゲットしまくり、巨大な添付ファイルが付いたメールをビシバシ送受信した。時間さえあればネットを使う。用もないのにウェブブラウザを起動したりして。さらに複数開いたりして。しかもリロードしたりして。そうやっても定額!! いつやっても定額!! キャーッこれって凄くなくなくなくないですかいや凄いですぅ~NTTさん!! などとオカシな興奮状態に陥ったりした。

 もちろん「いつでも自由にネットにつなげられるのダ!!」と確信でき、長く続いた夜型生活は以前のように比較的にマトモな昼型生活に戻った。夜はゆっくり寝て、朝から頭脳明晰状態でネットを使い放題。これだ!! これぞネット時代のスタイルなんだよアニキ!! こういう環境になってとても嬉しいんだよアネキ!! と、1カ月くらいはリーズナブルな常時接続環境の喜びに浸れた。

 フレッツISDNおよびプロバイダ利用料に月額料金はかかるにせよ、そーんなに高くないと思える金額。それを毎月払う感覚は、何というかNHKの受信料金とか生命保険料とか国民年金など毎月自動的に引き落とされる一連の支出と同様のもの。月日が経つとともに「払っている」という感覚が薄れ「当たり前にかかる料金」という感覚が強くなる。同時に、ネットっつーモンは何時間使おうと使わなかろうと、それ自体には全然料金がかからないという感覚になった。



人間の欲望は底なしなのか?

 ネットは無料で使えるもの、という感覚になり、その感覚が常識化すると同時に、また別の感覚が芽生えた。フレッツISDNは確かに便利で、それを使い始めてからしばらくは、“料金のストレスが激減した”という開放感に近い気持ちよさを堪能できた。

 が、気持ちよさに慣れ、気持ちイイのが当たり前の常識であるようになると、別に気持ちよくも何ともなくなるのだ。戦時中に「わーい白いゴハンだ白いゴハンだー!!」と喜んだハズなのに、今では「なんだ、メシだけか」と眉ひとつ動かさないで吐き捨てるようなモンである……って世代的に高すぎる例えですな。アレですよ、真夏に冷房が壊れたり、真冬に風呂が沸かなかったりするのと同じような、贅沢に対する鈍化ですな。

 フレッツISDNは、フツーにメールしたりウェブ見たりする分には十分快適だし低料金(最近は月額2520円ってプランもありますな)な通信サービスだと思う。通常の通話料金でのISDNダイヤルアップ接続に比べたら、天と地ほどそのお得感や便利さや料金的安心感が違うサービスだ。が、常時接続サービスという観点で考えれば、フレッツISDNは速度的に底辺のサービスとも言える。

 実際、俺など、フレッツISDNに加入したよーん快適だよーんお得だよーんと喜んで出版社などに出向くと、そこにはまた別の、もっと魅力的な通信環境があるのだ。すなわち高速な専用線。

 社内LANなんかを組んでいる企業で、特にパソコン寄りの企業内では、まったくフツーかつアタリマエに専用線を使ってインターネット接続している。

 その通信速度は、専用線の種類によって異なるが、1Bで接続するISDNユーザーからすれば“専用線=超ッ速”なのである。ウェブページを見ればスパッと一瞬で表示され、画像添付メールなんかもスコココッと嘘みたいに短い時間で受信し終わる。フラッシュムービーのデータ受信に待たされる感覚もない。ストリーム配信のMPEG動画も途切れることなく、しかも高クオリティで再生される。

 そういう環境を見ると、とても素晴らしくて快適でリーズナブルなハズのフレッツISDN環境が、なーんかこう、地味で弱くて寂しくて物足りないサービスに思えてくる。あーやっぱり高速な回線はイイなぁ~欲しいなぁ~使いたいなぁ~と羨望しまくり。

 アタマではわかっているのだ。1BのISDNすなわち64kbpsでも十分だって。巨大なファイルなんか滅多にダウンロードしないじゃん。動画なんか見ないじゃん。ウェブページが一瞬で表示されても読むのに何分もかかってんじゃん。実用上、フレッツISDNで十分イケることはわかっているのだ。

 パソコンのスペックアップに燃えるのと同様なのだ。CPU速くたってテキスト書いてウェブ見てメールするだけじゃん。処理速度持て余しじゃん。HDDデカくたっていつも“使用容量<必要容量<余らせ容量”じゃんしかもその差が超デカい状態で。過剰なパフォーマンスってのはいつだってムダなのだ、とは理解しているのだ。

 が!! しかし!! やはり使いたい!! あの専用線ってヤツ……ていうか何でもイイから超ッ速の通信回線を使いたいんだよアニキ!! 高い通信速度をモノにしたいんだよブラザー!! だって使ってる人はニコニコしてるんだもーん!! きっと何か新しい世界が見えているんだよ!! 喜びを見いだしているんだよ!! そして俺もそーゆー新しい世界を見た~い!!

 ということで、結局俺は、ADSLっつー高速通信回線に手を出してゆくのであった。そして、ADSLを導入したら、なるほどそうかそうなんだよなぁという、大きな生活の変化があるわけだが、その話はまた次回に。



□フレッツ・ADSLサービス情報
http://www.ntt-east.co.jp/flets/
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
http://impress.tv/it/article/stv.htm

(2001/11/28)
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。近況等はスタパライフメーリングリスト5人組で読める。
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