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[2001/09/11]
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ウイルスを笑う者はウイルスに泣く!


ウイルスは絶対になくならない

コンピュータ系危機警戒マニアである拙者の場合、ウイルス被害はこれまでゼロ。ウイルスごときで信用を失わないために、予防が重要なのだ

 最近はウイルス騒ぎが多い。毎月2回くらいウイルスの話題がメディアを賑わしたりしている。そして俺の周囲でも、マジでウイルスにヤラれちゃってヒッジョーに困ったりしている人が増えまくり中だったりする。

 俺の場合、後述する各種手段および姿勢を貫きまくりの、ある意味では過敏なほどのコンピュータ系危機警戒野郎っていうか警戒マニアなので、これまでコンピュータウイルスが原因で被害を被ったことは一度もない。もう20年以上パソコンを使い、パソコン通信時代から通信もビシバシやりまくり、フリーソフト類もガンガン使ったが、幸いながらウイルスと関わったことがない。

 俺のパソコンったらウイルスに感染したことないんだゼぇ~とかいう自慢話はさておき、ネットユーザー増えまくりでしかもブロードバンド時代突入ってことで、コンピュータウイルスは今後もどんどんどんどんどんどんどんどんどんどん(以下4096回繰り返し)どんどん増えると言えよう。いやそーんなには増えないかもしれないが、たぶん減ることはないだろうし、根絶されることもないと思う。人がいる限り法律が必要であると同時に犯罪が起きるように、コンピュータがある限りこれを快適に使いたいと思う人がいると同時にそれに目を付けて悪さしようとする糞馬鹿野郎ことウイルス開発者が出てくるのだ。

 コンピュータウイルスはコンピュータやソフトウェアの問題ではなく、コンピュータユーザーの問題なのである。そして、ウイルスを作るヤツは超悪いが、ウイルスを意識しない人もちょっと悪いのだ。ってキレイ事の屁理屈を述べている暇はない。こうしている間にもネット上(だけじゃないですけど)にはウイルスが蔓延中!! この糞忌々しいウイルスからわしらの大切なコンピュータをぜひ守っていきたい!! てなわけで、今回はいかにしてウイルスの被害から逃れるかというお話をば。



ウイルスって何さ!?

 コンピュータウイルスは、その名前こそなーんか伝染病っぽく、どこからか自然に侵入してきちゃいそーな存在に思えるが、その実体は、我々が日常使っている各種ソフト類のお仲間。ウイルスバスターやノートンアンチウイルスも、コンピュータウイルスも、基本的には同じプログラムでありソフトウェアだ。が、ウイルスの場合、その動作が悪意とか無責任なイタズラ精神に満ちている。

 ウイルスの目的は、簡単なところで単なるイタズラから始まり、パソコン上のデータ破壊など迷惑なもの、さらに高度(?)なところではインターネット全体の機能停止などがある。例えば、画面上に何かメッセージを出すだけとか、感染した瞬間にハードディスク等の超重要情報を消す(ディスクが読めなくなったりするゾ!!)とか、誰彼構わす無差別にメールを送りまくる(ネット上を行き交うデータが超ウルトラ増えたりメールサーバが最強に弱まったりするヨ!!)など、いろいろな被害をもたらす。

 共通するのは、自分=プログラム自身を次々と自動複製するなどして被害を自動的に拡大させようとする、という目的のもとで作られている点。その状況が、病原体がどんどん増殖して被害を広げていくような感じがしなくもないことから、コンピュータウイルスと呼ばれるわけだ。

 コンピュータウイルスの感染経路は、現在では何となく「インターネットから感染する」と思われているものの、それだけではない。ネットが普及していない頃は、フロッピーディスクやCD-ROMなどのメディアから感染するケースが多かった。誰かのフロッピー内にどーゆーわけかウイルスが存在し、そのディスクのコピーを使った人(のパソコンやディスク)が感染し、ということを繰り返してウイルスが広がった。時には、雑誌に付属するCD-ROM内にウイルスがあり、その雑誌を買ってCD-ROMを使った人が軒並み感染していった、みたいな事件もけっこーあった。

 前述のように、ウイルスもコンピュータプログラムだ。なので、結局、ユーザーがフロッピーやCD-ROM内のウイルスを起動することで、ウイルスに感染したり、ウイルスが増殖したりする。ウイルスにもいろいろあるが、典型的っていうか古典的なのが、何らかのフツーのプログラムに入り込み、ユーザーがそのフツーのプログラムを起動すると同時にちゃっかりとウイルスも動き出す、というもの。

 ネット経由で広がっていく多くのウイルスも、基本的にはこれと同じ理屈。例えば謎のフリーソフトをダウンロード・実行した途端、そのフリーソフトの中に埋め込まれたウイルスが動き出し、パソコンに影響を与えたり他のプログラムに感染したりする。メールの添付ファイルを開くとウイルスに感染する!! てのは、そーゆーコトなのである。

 ただ、最近においては全部が全部“プログラムを起動すると感染する”ってわけじゃない。最近はフツーのソフトウェアやOS自体が高度化し、複雑な自動処理をやってのける。一連の処理手順をプログラムに指示すれば、ユーザー様がいちいちヤルんじゃぁ面倒だゼかったりぃゼってな処理を、プログラムが肩代わりして全部やってくれる。表計算ソフトやワープロソフトの“マクロ機能”がその一例だ。また、ウェブページを表示させたりその一部をクリックすると別のウィンドウが開いたりメールソフトが起動したりするのも、まあそういう自動処理の一部だ。つまり、ユーザーが敢えて何か操作しなくても、処置手順さえ与えれば、どんどん自動処理しちまうソフトが多いヨ、と。で、ウイルスの中には特定のソフトがユーザーにとってヤバい方向で動く指示を出すよーなモンも多数あり、クリックしただけで自動的にダウンロード・インストール(感染)が行われたり、ユーザー様のメールソフトを勝手に使ってビシバシ多量のメールを送りまくったりするのだ。

 ともかく、ウイルスってのは、その動作がユーザーにとってすげぇ迷惑な感じのプログラムやスクリプト(処理手順書みたいなモン)なのである。



ワクチンをインストール!!

 ウイルスはプログラム(ソフトウェア)の一種だから、単純な話、そのソフトウェアを動かさなければイイのである。とは言え、じゃあどのソフトがウイルスなのかーッ!? ってコトが問題だ。これを発見・削除等するのがいわゆる“ワクチンソフト”……いやこの言い方はもう古いかもしれない。現在では“アンチウイルスソフト”と言ってますな。

 つーか結局、ウイルスの被害をなくすには、何はともあれまず速攻で今すぐ、自分のマシンにアンチウイルスソフトをインストールすることだ。今時の市販アンチウイルスソフトなら、インストールして設定を何らいじらなくても、ネットやCD-ROMやFDDなどから入り込もうとするウイルスのほとんどをブッ殺すっていうか消去したり隔離したりしてくれる。

 アンチウイルスソフトをインストール・スキャン実行すると、既にパソコン内に潜伏中のウイルスを駆逐することができる。ウイルスの種類にもよるが、大半のウイルスはこれで駆除できるだろう。ただし、少々極端な例だが、既にウイルスが感染しているパソコンにアンチウイルスソフトをインストールするんじゃ全然ダメってケースもある。アンチウイルスソフトのアップデート処理を禁止してしまうウイルスも存在するようだ。

 なので、最強に安心な方法としては、パソコンのハードディスクをいったん初期化してOSをイチから入れ直すか、あるいはリカバリCDなどでメーカー出荷状態にもどすかする。その後、まずアンチウイルスソフトをインストールするのだ。そして、他のソフトなりデータなりを順次(ウイルスチェックしつつ)インストールすれば、すげー健全なシステムを構築できる。

 ところがしかし、アンチウイルスソフトをインストールしたからって安心できない。アンチウイルスソフトは、確かに既知のウイルスを撃退してはくれる。けれど、新しいタイプのウイルスに対しては効果がない。最新ウイルスをなるべく速攻で発見させるべく、比較的頻繁にアンチウイルスソフトのアップデートを行う必要がある。まあ、今時の市販アンチウイルスソフトなら、そのアップデート作業も自動的に行われたりするので安心と言えば安心だ。

 でもやっぱりしかし、アンチウイルスソフトをインストールし、さらに頻繁にアップデート作業を行ったとしても、まだヤバい。例えば、アンチウイルスソフトの設定などにもよるが、毎日毎日パターンファイル(ウイルス発見のための情報)をアップデートしていても、最新最強ウイルス発生直後に感染したら超危険だ。ウイルスあってのワクチン(アンチウイルスソフト)なのであり、つまりウイルスが発生してその内容が十分解明されたりした後(パターンファイルが配布された後)でないと、アンチウイルスソフトはその最新最強ウイルスに対して効果を発揮できない(ことが多い)のだ。



ウイルスを笑う者はウイルスに泣く

 なーんだ結局どうやっても完全にウイルスを防げないのかダメなのか、と言われれば「はい」としか答えようがない。でもアンチウイルスソフトを入れれば確実に効果はあるし、それだけでウイルスの多くは防げるのも確かだ。なので、とりあえずアンチウイルスソフトのインストールだけはやっといて欲しい。

 最悪なのは、ウェブページも見るしメールのやり取りもするし、しかもウイルスって怖いヤバいってことを知りながら、アンチウイルスソフトをインストールしようともしないユーザーだ。本人がウイルスに感染してハードディスクが初期化されたりするのは自業自得ゆえオーケーだ。が、前述のようにウイルスってのは感染していくからウイルスなのである。その自業自得ユーザーの関係者にもウイルスが伝わっていく可能性が大きいのである。関係者の関係者に伝わる可能性もちょっと大きいのである。関係者の関係者の関係者は、あ、自業自得ユーザー本人だからいいや、とかいうギャグはアンチウイルスソフトに隔離・消去してもらうとして、ウイルスをほったらかしにすると、周囲に多大な迷惑がかかる可能性が大ということなのだ。

 でも、しっかり正しい使い方でアンチウイルスソフトを使っているなら、自業自得ユーザーの迷惑を被るって心配もあまりない。ウイルス付きの添付メールが送られてきても、ほとんどの場合はアンチウイルスソフトがどーにかしてくれるわけで、「キーッ!! てめえオレにウイルス付きメール送りやがったな!!」とか逆上することもない。「あ、ウイルス付いてたのか」程度のヒジョーに広大な心の持ち主になれるのである。

 自信を持ってハッキリ言えるのは、ウイルスに感染し、大切なデータ類が消えるとかマシンの調子がすげーおかしくなるなどすると、ユーザーはヒッジョォ~に荒んだ気持ちになるということだ。そんなユーザーには笑顔なんかねぇッ!! あるのは疑いの眼差しと閉ざされた心だけだッ!! そんなユーザーを何人も見てきた拙者であった。

 結局、「おまえ!! 最悪だそ最悪!! オレにウイルス付きメール送ったってわかってんのか!!」とか「ふざけんな知らねえよオイラこそウイルスにヤラレて頭来てんだっつーの!!」とか、たかが恐怖のプログラム1本で殺気立ちまくって人間関係壊れたりするのは、どっちも自業自得ユーザーってことなのだ。

 あなたは、そーゆーユーザーになりたいですか?
 なので、ぜひ、アンチウイルスソフトをインストールして欲しい。そして完璧ではないまでも、ウイルスからの被害や、ウイルスの感染をくい止めて欲しい。

 ところで、アンチウイルスソフトを使う以前にも以降にもぜひやって欲しいウイルス対策がある。その方法を全部ビシッと実行すれば、あるいはアンチウイルスソフトを使わなくてもウイルス被害を避けられるカモ!! という方法であり、拙者が長年行ってきた方法なのであって、比較的に眉唾な方法じゃぁねぇのかぁ~~~!? てな感じだが、少しでも参考になればということで、ココで一気に大紹介!! と思ったら、本日はもうキーボード押下エナジーが底をついたので、具体的な話はまた次回にて。



□IPA情報セキュリティセンター
http://www.ipa.go.jp/security/index.html
□Microsoft TechNetセキュリティセンター
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)

(2001/12/25)
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。近況等はスタパライフメーリングリスト5人組で読める。
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