■おたより&アドバイス
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「なるほどその手もあったか!」といろいろ試みた! が!! |
んぐぁあぁぁァーッ!! スループット!! スループット値が上がらない!! 全然上がらない!! まるでまったくちっとも少しもちょびっとも通信速度が高くならないぃーっ!! と毎日毎日悩みつつADSL高速化を目指す拙者だが、今日も今日とてやはり状況は変わらず。速くなりません。……まあ速度低下も起こしてないからいいんですけどねぇ。
ともあれ、そんな拙者に対し、これまでけっこーたくさん、読者様から激励系おたよりをいただいた。中にはとても参考になるアドバイスもあり、いくつか試させていただいたりもした。そんなわけで、最近いただいたおたよりをいくつかご紹介したいと思う。
まずは、パソコンショップでサポートを担当なさっている藤原さん。ブロードバンドに関わるサポートで、速度向上策としてお客さんに勧めるのが『家のモジュラージャックからパソコンまでが遠いとき、延長するのはアナログ部分ではなくディジタル部分、つまりLANケーブルを長く取る』というおたより、っていうかアドバイス。
確かに!! 確かにそうなんですよ藤原さん!! アナログケーブル部分が短い方がノイズの影響を受けないってわけですな。ただ、拙者の場合、屋外の保安器から家までの距離がややあって、さらにそこから壁の中の配線があって、その先にモジュラージャックがあって、そこからさらにいろいろ事情があってADSLモデムって感じで、ちょいと手が出せない感じ。アナログケーブル部分は極力短くしているのだが、ん~、これ以上やるとなるとかな~り大がかりに……みたいな状況っス。
でも、モジュラージャックから先のアナログケーブルが長く、室内にもあるいはノイズ源と思われるモンが多いかもって人は、モジュラージャックのすぐ近くにADSLモデム置いて、そこから先は好きなだけLANケーブルを長く這わせるってのが吉なのであろう。
それから、小林さん。スプリッタの交換をするとイイかもよ、と。難でもインターネットサービスプロバイダの人と知り合の方で、使っているスプリッタを低ノイズをうたった製品と交換すると、スループット値が向上するケースが希にあるとか。
なるほど、たまーに聞く話で、拙者も最初いろいろやってみたんスけど、ウチはスプリッタの有無も種類もスループット値には関係しなかったのであった。ただ、スプリッタを経由してADSLモデムやフツーの電話など接続している場合、スプリッタをはずすとか、電話機をはずすとか、スプリッタ周辺の接続方法をいろいろ変えてみるとスループット値に変化があるケースが少なくないようだ。まあスプリッタを外しちゃうと困る環境の方は多いとは思うが、スループット値向上の一環としてチョイと実験してみると楽しいかも。
次に、工藤さん。スループット値向上に苦心されている方のようで、ヒジョーに具体的かつ実践的なアドバイスをいただいた。その内容を以下にまとめてみた。
(1)ADSLモデムを立てている場合は、モデムの下半分をアルミホイルで覆ってノイズを遮蔽
(2)ADSLモデムにアースがないので、ADSLの電源ケーブルにフェライトコアを装着
(3)ADSLモデムからAirMac BaseStation等ワイヤレスLAN機器を遠ざける
(4)ツイストモジュラーケーブルではなく、ツイストシールドモジュラーケーブルを使用
(5)ミヨシのノイズフィルターを使用
(6)Win98/98SE/MeはMTU値とRWIN値を調整
(7)MacOS9はTCP/IP Optionsを使用
(8)冷蔵庫の電源ケーブルにフェライトコアを装着
てな感じ。で、工藤さん、この方法でフレッツ・ADSL 1.5Mbpsにおいてスループット値1.3Mbpsを叩き出しているとのこと。これら方法を使っていない時のスループット値がわからないので何とも言えないが、どれもけっこー説得力のある対策ですな。
(1)なんかはかなりイイかも。アルミホイルで機器を覆うってのはマニア方面の人なら一度や二度はやったことある手軽なノイズシールド。ADSLモデムをノイズ源と思われる機器から離せないような状況の人には、かなり実践的な方法と言えよう。
(3)は、拙者としては無線LAN全然使ってないのでわからないが、携帯電話が鳴るとテレビやラジオやマイクにノイズが入るのと同様、高周波の電波がアナログ機器に与えるノイズ的影響はけっこーデカいと思われる。無線LANでADSL、とかなると、無線系機器を置く場所にも十分注意しないとマズいって感じですな。
(4)については、最近、ショップのブロードバンド関連製品売り場なんかに行くと、フツーのモジュラーケーブルはもちろん、ノイズ対策用としてツイスト線を使ったツイストモジュラーケーブルなんかも多く売られていたりして、さらに、ツイスト線の外側をノイズ対策用のシールド素材で覆ったケーブルなんかもあって、ついつい試してみたくなる感じ。フツーのモジュラーケーブルからツイストモジュラーケーブルに変えただけで効果があったって人も少なくないので、モジュラーケーブル系にまだ何ら措置をしていないという人は試す価値アリかも。
ともあれ、数多くのメッセージやアドバイス、ありがとうございます!!
■む!! コレはやってない!!
読者様からのおたよりやアドバイスをいただいては、ソレを試し、むむ~とか思ったり、むむむッと思ったりしている俺に、さらなるメッセージが。Hiroshiさんと、kanukaさん、同様の内容のメッセージであった。それは、“ブリッジタップ外し”に関わるアドバイスで、つまりNTTに頼んでブリッジタップを外してもらったらどうスか、というもの。
ブリッジタップ(Bridged Tap)というのは、NTT東日本によれば“NTT収容ビルからお客様宅への電話線(メタリックケーブル)の途中にある分岐点のこと”だ。分岐部分にある器具(らしいけど実物は見たことないヨ!!)で、電話線の分岐や回線の取り出しを行いやすいようにするもの。音声通話に関しては何ら問題を起こさない器具だが、周波数の高い通信を行うADSLでは、この器具の有無がスループットの高低につながりやすいらしい。
ぶっちゃけた話、電話局から自宅までの間に、このブリッジタップがあればあるほど、ADSLでのスループット値が下がる可能性があるヨ、と。なので、このブリッジタップを(NTTに頼んで)外してもらえば、スループット上がるかもネ!! ということである。
ちなみに、NTT東日本のADSLに関するFAQにも、このブリッジタップ(外し)の件が掲載されている。また、ブリッジタップ外しを行う場合、状況にもよるが2万円程度(以上)の費用がかかる。けっこーお金がかかる“工事”なのだが、工事した結果、ADSLのスループット値向上が見られない場合でも、費用の返却などはない。まあ、電線の工事を依頼するわけで、そこにお金がかかるわけで、ブリッジタップ外し=ADSL速度向上保証ってわけじゃないので、当然ですな。
ともあれ、俺の場合、コレは確かにやってないし、もしかしたらウチから電話局までの間、電話線上にたーくさんブリッジタップ付いてるのかも~? と微妙に気になりまくりなので、早速ブリッジタップに関してNTT東日本に問い合わせてみた。
■NTTに電話!! その結果は……
おもむろに俺がダイヤルした116で接続された先のお姉さんは、おもむろにブリッジタップのコトを知らなかったので少々脱力したものの、その後は実にビシッと調査してくれた。
まず使用回線の番号を聞かれ、収容局からの回線距離が約1.8キロであることが判明。ええっそんなに長かったんですくわ!? 某データベースで調べたらもうちょっと短か……まあNTTの人が言うならこちらが正しいと言えよう。
で、その1800メートルっていうか18万センチっていうか180万ミリっていうか1.8キロの電話線の途中に、何個のブリッジタップがあるかと尋ねたら、ななな!! な!! なんか、0個のブリッジタップが存在するそうであって、俺が使ってる電話回線の途中にはブリッジタップは存在しないとのこと。ついでだと思って、使用中のISDN回線はどーかと尋ねたら、こちらも0個だそうな。
その後、116のお姉さんは「あら何だかこのヒト、ADSLの通信速度上げたくてしょーがねーみたいだわ、かわいそうね」と思ったのか、フレッツ故障受付の連絡先を教えてくれた。スループットに関してそちらで詳しく調べてくれますヨてな感じ。
そしてさっそく、そのフレッツADSLの故障受付へ電話したら、何から何までわかりまくりの担当者が相手をしてくれた。ぶっちゃけた話、回線距離が1.8キロで650kbps前後っちゅーのはどうなんですかぁ、と訊いたら、だいたいまあそのくらいですヨ、と。また、116のお姉さんが言っていたように「そちらの地域は非常に問題が少ない地域なのよ」的なことも言っていて、つまりは電話回線的ADSL環境としては最高ってわけでもないけど決して悪くなく、強いて言えば良い環境なのだそうだ。
フレッツADSL故障受付の担当者は、その後、局からウチ(ADSLモデム)までもスループットを計測してくれた。その結果は800kbps。ええっ!! 800kbps!? ということは現在650kbps前後の拙者の場合はあと150kbpsくらいスループットが上がるんですかねえ担当者さんいやアニキねえねえねぇ~っ!? と詰め寄ったら、NTTで行うスループット計測とユーザーが(ウェブページなどを使って)行う計測とでは方法が違うことなどもあって、実際はその2割減くらいのスループットになることが多いとのこと。だからまあまあこんなもんだろうという結果に。……そうなのか。
悲しんでいたら、モデムの電源をコンセントから単独で取ったり、モジュラーケーブルを短くしたり、モデムやケーブルをノイズ源から離すなど、いろいろとアドバイスをいただけた。アドバイスいただきついでに、無理な質問をしてみた。拙者の1.5Mbpsサービスから、8Mbpsサービスに移行したら、速度は上がりますか、と。その答えは、相談中におけるここだけの話って感じではあったが、まあ下がることは考えにくいけれど上がるとは言い切れないというもの。そうか、じゃあフレッツADSL8Mbpsサービスエリア内になったら試してみようっと。
ともあれ、当初の目的のブリッジタップ外しは、そーゆーわけでヤレなかったのであった。
ブリッジタップ外しだが、又聞き情報などによれば、これによってADSLのスループットがガーンと上がったって人がけっこーいるらしい。また、DSL技術に関して調べたりすると、ブリッジタップが影響してDSL通信環境が悪化するってのはけっこー大きな問題らしい。なので、フレッツADSLのスループットがどーしても上がらないしすげー低いよーん、てな人は、試しに116に電話するのが吉かも。使っている回線上にブリッジタップがあるのかないのか、外すした方がいいのか悪いのか、ちょいと尋ねてみるといいかもしれない。
それと、電話線関連の事柄では、電話線を屋内に引き込む直前に付けられている保安器の老朽化も、スループット低下につながることがあるそうだ。ケースバイケースだが、これを適切なものに交換するなどすれば、スループット向上が見られる可能性もあるとのこと。ただ、これもケースバイケースだが、保安器を交換しようがしまいがスループットに影響なしだったり、交換が高く付いたり逆に激安(ないし無料)だったりするなど、状況によって費用も効果も違ってくるようだ。
それにしても……ん~、もう速度向上に関わる工夫はほとんど残っていなさそうな気がしてきたりして、あとは、8Mbpsサービスの開通を待つしかないのか? このままスループット上がらずじまいでしばらく待つしかないのか!? てな感じで、今回もパッとしない拙者のスループット値なのであった。
□ADSLに関するFAQ(NTT東日本)
http://www.ntt-west.co.jp/adsl/faq.html
□フレッツ・ADSL回線調整工事費(NTT東日本)
http://www.ntt-east.co.jp/flets/adsl/s_fee.html#fee05
□ブリッジタップと手ひねり接続(総務省)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/dsl/yougo/yougo.htm#1
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
(2002/03/12)
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