■快調ADSL環境
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ルータをWARPSTARΔに変えてから、快調にADSL回線を利用できまくり!
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5月頭からブロードバンドルータをNECのWARPSTARΔ、Aterm WDR85FH/CECに変えてから、実に調子よくADSL回線を利用できまくっている俺。細かい話だが、本連載のバックナンバー『ケーブル接続信者の拙者がワイヤレスLANに挑戦』にもあるように、ブロードバンドルータをDIRECTSTARΔ Aterm DR35FH/CEから、前述のAterm WDR85FH/CECに変えたら、それまでだいたい1950kbpsだったスループット値が2000kbpsに上がった。
その後、Aterm WDR85FH/CECおよびADSL回線の調子は徐々に安定して、現在ではそのスループット値がほとんど2000kbpsを下回らなくなった。これはブロードバンドルータがナイスなのか、それとも電話局までのノイズ等通信環境が良くなったのか、ともかく、2Mbpsがアタリマエという嬉しい通信環境となった。あ!! そう言えば最近は電波時計もコンスタントに電波受信しまくりだ!! 通信運と電波運が開運しているのかもしれない!! ……って運のせいにしちゃいけませんな>拙者。
また、IEEE802.11bによるワイヤレスLANの調子、というか使用感も超すこぶる気持ちよい。常用のメインマシンはWARPSTARとケーブル接続しているのだが、そのネットワークにサブノート等他のパソコンを接続するときにワイヤレスLANがチョー役立つし手軽なのだ。
WARPSTARΔのAterm WDR85FH/CECは、ブロードバンドルータ本体と2枚のPCカード型ワイヤレスLANアダプタ(WL11CA)のパックだ。同梱のPCカードのうち1枚は本体に内蔵して使い、もう1枚をサブノート等に挿して使えば、スコッと楽勝にワイヤレスLANを構築できる。
ワイヤレスLANのスループット値的な実用性は高く、WARPSTARΔ本体=アクセスポイントが見える位置の同じ階なら、ワイヤレスLANでもケーブル接続でもほぼ同じスループット値が出ている。また、1階と2階くらいの距離なら、ケーブル接続時の80~90パーセント程度のスループット値が出ている。やや通信速度的ロスはあるものの、それ以上に「わーいケーブルのこと考えずに端末を移動できるぅ~」という大きな安楽感が嬉しい。
■速度減の原因の目星はついているが……
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WARPSTARΔ向けの周辺機器のひとつ、ワイヤレスLAN強化アンテナPA-WL/ANT1。これで電波を強めていきたい!
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しかし、正直を言えば、ワイヤレスLANでもケーブル接続でも、俺の環境でのADSL回線が持つパフォーマンスを徹底的に引き出したいとは思うのだ。前述のように、ウチでは“1階と2階でワイヤレスLANするとケーブル接続時の80~90パーセントの速度になる”わけだが、これを“1階と2階でワイヤレスLANしてもケーブル接続時とおんなじ速度が出ている!!”とかいった喜ばしい状態にもっていきたいのだ。
違う階でワイヤレス接続するとそのスループット値が下がる理由は、いくつか思い当たる。ウチの場合、家の構造は鉄筋コンクリートで、窓は比較的に大きめだが、窓ガラスにやや広い間隔で鉄線が入っている。IEEE802.11bの2.4GHz帯電波は鉄筋コンクリートの壁や床を貫通しやしねえので、電波は窓を介して階上階下へ伝わっている。てなわけで、1階と2階の間でこの2.4GHz帯の電波を弱めている要因は、たぶん窓ガラスに入った鉄線だと言えよう。
もうひとつは、クライアント端末側で、ワイヤレスLANアダプタのWL11CAが使われる環境に問題がありそうだ。と言うのは、ワイヤレス接続しているサブノートの置き場所が、ステンレス板を張ったテーブルの上なのである。サブノートに挿したWL11CAのアンテナ部が、あと数ミリでステンレステーブルの上にくっつくような、そんな環境で通信している。別の位置にある木製のテーブルの上で通信すると、70~100kbpsくらいスループット値が上がったりすることがあるので、このステンレステーブルも原因じゃねーのかァと思っている。……でも家具等諸々の置き場事情から、このステンレステーブルの上じゃないとサブノートを快適に使えないのであり、ん~まあ多少の速度減はいいか~と諦めつつ使っているのであった。
ワイヤレスLAN使用時でも、やはりケーブル接続時と同様のスループット値であって欲しく、その気持ちは山々すなわちダブルマウンテンとも言えるわけだが、いやダブルマウンテンなんて言わねーよと言えるのだが、しかし、住宅事情ってやつですな、これ以上どうにもならなそーな俺的通信環境なのである。
実際、個人でワイヤレスLANを導入している人の場合、俺と似たような些細な問題を抱えている人が多いのではなかろうか? 例えばコンセントやモジュラージャックの位置の問題で、どーしてもワイヤレスLANのアクセスポイントがタンスや本棚や机の陰に入ってしまうとか。あるいは、ドアが電波の通りを悪くしてるのはわかるけれど、アクセスポイントと端末はドア越しの関係にならざるを得ないとか。でもケーブル接続にしようとしてドアや壁に穴開けると大家さん(もしくは奥さんあるいはご両親)に叱られちゃう、みたいな。やっぱ理想はLAN前提のハイテク住宅なんだろーか!?
■イカシた周辺機器たち
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LAN同士を無線接続したり、PCやルータの位置に縛られず、好きな場所にアンテナを設置したりするのに有効な、ワイヤレスLANサテライト(ETHERNETタイプ)PA-WL/11E
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しょーがないから多少の速度減は我慢……と思っていた矢先に、ちょいと良さげなモンを発見。WARPSTARΔ向けの各種周辺機器である。特にWL11C/WL11CA専用ワイヤレスLAN強化アンテナPA-WL/ANT1と、ワイヤレスLANサテライト(ETHERNETタイプ)PA-WL/11E。
強化アンテナのPA-WL/ANT1は、WL11CAやWL11CなどのPCカード型ワイヤレスLANアダプタの電波送受信性能(感度)を高めるためのアイテムだ。アンテナとしては無指向性で、立てて置いた場合は水平方向360度の指向性となる。広いオフィスの隅々まで電波を“通す”ための、まさにワイヤレスLANを強化するための製品だ。
PA-WL/11E(以下WL11E)は、そのサイズが約25×80×106mmで重量約130gの小さなアンテナ付き小箱で、電源は付属のACアダプタを使う。背面にはイーサネットポートがあり、そこにルータやADSLモデム、あるいはパソコンなどを接続し、目的に応じていろいろ使い分けられる製品だ。
例えばWL11EにADSLモデムやルータをつなぎ、アクセスポイントモードとして使えば、好みの位置にアンテナを設置可能なアクセスポイントになる。ワイヤレスLANにおけるモデム・ルータ側の電波基地局っていうか親機を自由な位置に設定できるようにする、てな使い方だ。
WL11Eをクライアント側――パソコン等の端末につなげば、今度はサテライトモードとして使える。モデム・ルータ側につないだWL11Eや、あるいは他のIEEE802.11b対応アクセスポイントと接続するための子機となるわけだ。サテライトモードとして使う場合、WL11Eに1台のパソコンを接続(クロスケーブルを使用)しても良いし、WL11Eにハブ経由で複数台のパソコンをつないでも良い。
つまり、PA-WL/ANT1は、PCカード型のワイヤレスLANアダプタ使用上の宿命である“ブロードバンドルータやサブノートの位置がアンテナ位置になる”という問題を解消し、自由な位置にアンテナを持って来られるようにした製品だ。WL11Eは、PA-WL/ANT1と同様にアンテナ位置を自由に設定できるようにしたり、あるいはネットワークとネットワークをイーサネットケーブルじゃなくて無線で接続できるようにする製品と言えよう。
これらの製品は、恐らく俺の現状=もーちょっとアンテナ位置がどーにかなればスループット値が上がるかも!! という状況を良くしてくれそう!! てなわけで早速試用。
■効果アリ!! の使える周辺機器
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PA-WL/ANT1とWL11Eで2Mbpsゲット!! カンペキ!
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俺の部屋におけるWARPSTARΔ Aterm WDR85FH/CEは、窓からちょいと離れた場所にある、棚の後ろ側に位置した金属棚の上側のプリンタの横の小間物の後方に突っ立っている。すなわち、細々したモノに囲まれつつ少々窓から離れているのだ。このブロードバンドルータの中には前述のPCカード型ワイヤレスLANアダプタのWL11CAが内蔵されているので、つまりは細々したモノに囲まれて少々窓から離れた位置に、ワイヤレスLANのアクセスポイントが位置しているわけだ。
この、階下と通信するにはいかにも具合悪そーな位置のアンテナを、いきなり窓際までもっていきたい!! そのためにはコレっ!! 強化アンテナのPA-WL/ANT1っ!!
PA-WL/ANT1は、前述のようにWL11CAやWL11CなどPCカード型のワイヤレスLANアダプタと接続して使う外部アンテナだ。接続方法は簡単で、WL11CAなどのカードの端、アンテナ部にある小さなコネクタに、PA-WL/ANT1のケーブル先端のプラグをカチッと挿すだけ。PA-WL/ANT1とWL11CA等のカードを接続するケーブルは、全長約140センチ程度ある。また、PA-WL/ANT1は平らなところに立てても、天井などに固定して(逆さまにして)使っても良い。ちなみに、WARPSTARΔ Aterm WDR85FHのPCカードスロット部には、PA-WL/ANT1のケーブルを通すための切り欠きがあり、PA-WL/ANT1をつないだ状態でもPCカードスロット部のフタが閉められるようになっている。
さておき、ブロードバンドルータの位置を少々動かし、さらにPA-WL/ANT1のケーブルをいっぱいに伸ばしたら、PA-WL/ANT1がビシッと窓に密着するように設置できた。すなわち、階下への電波の通りは格段に良くなったハズである。で、階下にてWL11CA(PCカード型ワイヤレスLANアダプタ)を挿したサブノートを使い、早速スループット値計測ッ!! したところ、おっ!! 上がってる上がってる!! PA-WL/ANT1未使用時は1800kbps前後だったのが、1900kbps近く出るようになった!! かなり効果アリ!!
でもまだ足りない。もっと速度が出て欲しい。てなわけで今度は、階下のサブノートのワイヤレスLANアダプタを、PCカードのもの(WL11CA)からWL11Eに変えてみることに。いくつかの設定を済ませてWL11Eとサブノートをクロスケーブルで接続。WL11Eを階下窓際に置いてスループットを測ってみると、おおおっ!! よっしゃぁヤッタぜトーチャン2000kbpsっていうか2Mbpsゲット!! カンペキ!! ケーブル接続時もワイヤレス接続時も同等のスループットが出るようになったよーん嬉しいよーん!! と、非常に好ましい結果となった。
ただ、俺の場合、例えば窓ガラスに入っている鉄線の間隔が比較的に広いこと(よくある網目状じゃないのダ)、それから窓がやや特殊でWL11E・PA-WL/ANT1間の距離を3メートル程度にできたことなど、アンテナ類の性能を発揮しやすい環境なので、好結果が出たとも言える。窓と窓の位置関係が悪いとか、距離が離れすぎているとか、あるいは電波の通り道に遮蔽物が多い場合などは、アンテナ類を使ってもさほど効果が上がらない場合があるかもしれない。
でもしかし、アンテナ(PA-WL/ANT1)の位置をより好ましい位置に変えられたり、あるいはイーサネットケーブルの這わせかた次第でアクセスポイントやサテライトの位置(WL11Eの位置ですな)を自由に設定できるメリットは、やはり大きいと言えよう。
特にWL11Eの可能性は大きく、例えばルータ等につないだWL11Eと、別のネットワークをまとめるハブにつないだWL11Eとを、窓越しでうまく接続できれば、(もちろん距離や遮蔽物にもよるが)別の建物の間で無線ネットワークを構築できるだろう。WL11EやPA-WL/ANT1は、ホントは横方向の通信距離を延ばすための周辺機器だが、あまり距離がなければ、階上と階下を無線で結ぶこともできる(この場合も距離や途中の遮蔽物により通信速度が変わるが……って但し書きが多くてスイマセン)。一筋縄ではいかない状況で無線LANを組んでいる人にとって、あるいは大きな効果を上げてくれるアンテナ系周辺機器となるかもしれない。
■ビミョーな心配事
ところで、話はまるで変わるが、先日、インプレスの広告方面の仕事で、DELLの新型ノートパソコン、Latitude X200を試用した。X200はB5サイズなのに全部入り的スペックが魅力のモバイルノートで、BTOオプションで内蔵無線LANモジュールを選択可能だ。さておき、そのX200の無線LAN機能を試すべく、現在活躍中のWARPSTARΔ Aterm WDR85FHのアクセスポイントとつないでみた。結果、何の面倒も問題もなく、X200とWARPSTARΔアクセスポイントは、スコッとつながって一瞬でインターネットにアクセスできるようになった。
まあ、それはそれで良いのだ。X200にもWARPSTARΔにも何ら問題なく、どちらもすこぶる快調&超簡単でノープロブレムであった。
気になったのは、こーゆーふーに、非常に簡単にあっけなく速攻で、アクセスポイント(WARPSTARΔ)と、クライアント端末(X200)が、無線で結ばれ、LANないしインターネットにアクセスできちまって、いいんでしょーかというコトだ。
例えば、ウチのお向かいのオジサンが、X200などの無線LAN機能を持つパソコンを買ったヨ、と。で、そのオジサンがパソコンの電源入れてIEを立ち上げたら、ありゃりゃりゃどーゆーワケかインターネットにつながったゾ、なるほどこのパソコンはインターネット内蔵型かっ、と。ちげーよオジサンそれは無線でウチのアクセスポイントにつなげてるからだよ、勝手にウチのADSL回線使わないでチョ、と言えればいい。が、目に見えない無線接続だし、気づかないかもしれない。ブロードバンドルータのデータ送受信ランプがチカチカしているのを見れば、「あれれ、誰かがデータをやりとりしてるよーですな」と気づくかも知れないが、「きっと家族の者がネットで遊んでるだけであろー」と思うかもしれない。
すなわち!! アカの他人のオッサンに俺のADSL回線を使われる可能性があるってことだ!! 無線LANのアクセスポイントを持つことは!! 他人は他人でもアカい口紅の美人奥様とかなら少しだけ使って良し!! すげー美人でセクシーボディのお姉さんとかなら俺の回線をどんどん使っても良……ってそーゆー問題ではないのだ。誰かが知らずのうちか、あるいは狙ってか、とにかく俺の回線を使ってしまう可能性がある。
もちろん、無線LANの器機設定時に、特定のMACアドレスを指定するなどし、通りすがりの無線LAN端末の接続を許可しないようにすれば良い。問題ナシ。なのだが、そうもできないorしたくないケースもある。例えば、来客の多いオフィス等で、来客の利便を計らって不特定多数ユーザーに対してオープンな設定にしてあるアクセスポイント(ていうかホットスポット)。
MACアドレスによるアクセス制限もWEPキーの設定もしていなければ、対応の無線LAN機器さえ持っていればつなぎ放題ということになる。隣にあるライバル企業のオフィスの人が「ゲーシシシあそこの企業の帯域幅をオレらの仕事で圧迫したる!!」と思って接続しまくるかもしれない!! 団地やマンションの窓際に置いたアクセスポイントに、謎で不気味で怪しい人物が無線接続してくるかもしれない!! モスバーガーやマクドナルドで何も買わずに路駐してるネット野郎が無線接続しまくるかもしれない!! ……あー別に接続されても大問題ってわけじゃないと考え方もあるかもしれないが、ルータに誰か他人のパケットが行き来しているのは、いろんな意味で少々危うい。危ういコトにならないケースが大半だとは思うが、決して気持ち良い状況ではない。さらに、家庭内LANでサーバーを立てており、こちらもアクセス制限なしとなれば、簡単に侵入を許してしまうことにもなり、この場合は危ういコトになる可能性もある。
てなことを考えると、無線LANにおけるセキュリティのベンキョーをマジメにやらないといかんのぉ~と思うと同時にネット関連って学習すんのタイヘン~と思うゆえ、やっぱ単純明快安全なケーブル接続だけ使おうかなぁとか思ったりもするわけだが、それにしても無線LANって死ぬほど便利なので多少他人に使われちゃう可能性があってもいいかな~と思ったりもしていて、少々あやふやな気分の拙者なのであった。ん~む。
□Aterm子機などの製品情報(NEC)
http://aterm.cplaza.ne.jp/product/warpstar/satellite/wl11_uce.html
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
(2002/06/19)
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