■便利さは [バーチャルショップ]＞[リアルショップ] !?

考えてみると、食品や小間物、消耗品の類を除くと、ほとんどバーチャルショップで購入しているかも!!

　ADSLを使うようになってから変わったことと言えば、まあネットを利用するスタイル全般が大きく変わったのだが、特に通販を利用することがヒジョーに増えた拙者。

　マジな話、最近では一般の店舗すなわちリアルショップで買い物をするのは数えるほどになった。例えば、えーと、食品や酒類、それから……んーと、ああ緊急的に足りなくなった小間物や消耗品の類。あとは……えーとえーと……ええっホントかよ＞俺!!　思いつかないよ!!　てなほど、リアルショップで買わず、バーチャルショップで購入しているのである。

　いやいやホントに。実のところ、食品や酒類の類も、生協なんかを利用しているのでおおよそだいたい通販感覚なのだ。緊急的に足りなくなる小間物──乾電池とか綿棒とか、ちょっとした衣類とか、そのあたりはリアルショップで買うが、他に思い当たる買い物ってのはバーチャルショップでばかりしている。

　リアルショップにはけっこー足を運ぶが、それはどちらかと言えばウィンドウショッピング。何となくデカいストアに行って、何となく品物を見て、何となく物欲を発生させたり消滅させたりカタログもらったり実物触ったり。店にとっては迷惑な野郎である。そして欲しいモノが出てきて、それが超欲しくなって、たまらなく欲しくなったりしたらネット通販で購入。だって便利なんだもーん。また、正直なところ、リアルショップは不便であることが多い。

■リアルショップの良さ

　リアルショップは、何がイイかと言えば、実際にソコに商品が置かれている点だ。ネットショップじゃ写真だけで触れないが、リアルショップだと触れる。この違いはデカい。大きさや質感や存在感や重さなどなど、リアルショップに置かれている商品からは非常に多くの情報が伝わってくる……てのは当たり前だが、それ以上に、得たいと思わなかった情報まで得られるからニクい。

　例えばUSBケーブル1本買いに出かけたとする。当初は、本体から約1.8メートルの位置にあるUSB機器をPCに接続できさえすればいいのダと思って、適当なUSBケーブルを探す。予定では、2メートルのUSBケーブルの安いのを買えばいいや、と。ところが、実際にUSBケーブルを物色していると「お!!　こここコレは光るのかUSBケーブルが光るのか!!」とか「ええっコレってすげー細いよ!!　細くてしなやかだよ!!　イカス!!」などと、小規模な感動を呼び起こす多種多様なケーブルの存在を知ることになる。

　で、俺の場合は、ノーマルな2メートルUSBケーブルと、光るUSBケーブルと、極細USBケーブルと……極細のは恐らくイイに決まってるし何かと便利だろうから各長さ買っちゃえ……あとそうだUSBハブも見てみ……うそぉ～この積み重ねられるトランスルーセントなハブは欲しいじゃないか!!　しかもUSBとIEEE1394がある!!　積み重ねてコンパクトにハブるでしょ!!　これは買うしかな……ていうかIEEE1394ケーブルも買……むむむこの細身のIEEE1394ケーブルは非常にイケてると思ったらその隣にアメリカの宇宙航空技術から生まれたマルチメディアクリーナーの大ボトルが激安!!　さらにCD-Rメディアも激安!!　ついでにDVD-RAMメディアもいつの間にか値下がりしていて俺的にお買い得!!　というようなことになり、ホントは480円とかでUSBケーブル1本買うはずだったのが、1万4800円でいろんなモン買っちゃって妙な汗をかいて少々の罪悪感を感じるもののズシャァァァッと気持ちよい買い物となったりするわけだ。

　あれ？　何の話でしたっけ!?　……そうそう、つまり、リアルショップってのはモノを購入できるという実用性に加え、消費者に新たなヴィジョン（ていうか物欲）を与えてくれるという点で、非常におもしろおかしく愉快で楽しい場所なのである。

■リアルショップの不便さ

　前述のように、発火した途端に大炎上しがちな物欲を搭載している俺の場合、リアルショップにおけるウィンドウショッピングは、時としてヤバい。激ヤバと言える。てのは、買う気も物欲もない状態であっても、ヒキの強い商品を見つけてしまうと、こここここりゃ欲しぇーッとなって爆発的衝動買いをしてしまうからだ。

　例えば先日、工具店にて。

　最初は何も買う気がなかったのだ。が、炎天下であり酷暑であったため、本能的に涼しげな場所に避難したいフィーリングとなった。涼しいもの……冷たいもの……冷えているもの……金属だろう!!　金属はいつも冷え冷えな印象!!　となれば工具店だろう!!　冷房が効いて冷えててフツーの人はあんまり行かないから活気や熱気もなさそーな工具店!!　これだ!!　入店!!　そして発見!!

　どわーっ!!　ななな何だコレは非常にカッコ良いじゃないか凄まっているじゃないか松下電工の新型POWERCOSMOシリーズ!　とりわけマルチインパクトドライバーがイカス!!　あうあう!!　これひとつ下さ……危ない!!　ダメだ!!　いきなりこんなプロツール買うな＞俺!!　まずはカタログをゲット。

　工具屋の巨大冷房機の前でカタログ読んじゃおーっと。ふむふむ。ニッケル水素電池パックが大容量3.0Ahになったのか……そうそうやっぱりねぇクラッチとインパクトをひとつの工具で使えるのは便利だよねぇ……おッ!!　カラーも選べるのか。赤いのステキ!!　ステキーッ!!　欲しぁァァーッ!!　えーと、それでは、やはり、これをひとつ下さい。

　避暑のつもりで入った工具店にて、体は冷えたものの、物欲が熱く燃え上がり、すげぇ高い電動工具を買ってしまった俺。窓型冷房装置でも買っとくべきだったかもと思う酷暑の日の出来事だが、もうちょい話が続く。

　俺が買ったPOWERCOSMOシリーズや、他の松下電工製の充電式電動工具は、全部ではないがだ～いたいそのバッテリーを共通して使える。前述の大容量3.0Ahニッケル水素バッテリーパックはメーカー価格で1本1万6000円もする（まあこのクラスのバッテリーはこんなモンです）が、他の電動工具などに流用できるからお得感はある。

　さておき、高い工具買っちゃって微妙に後ろめたいが、でも非常に嬉しい!!　てな心意気で帰宅し、回す必要のない手近なネジを強引に回したりして喜びつつ、ショップで貰ったカタログを眺めていた。ら!!　むむむ!!　このよーなモンもあるのか!!　てな調子でPOWERCOSMOシリーズのバッテリーで使える作業支援ツール群を大発見!!　前述の高価だけど大容量な3.0Ahニッケル水素バッテリーで使える、いろいろ便利そうな電気製品である。

　んむー。正直なところ、電動工具なんて1カ月に多くて3～4回使うかどうかってところ。だが、使うときには性能の高い電動工具を使いたいということで、この素晴らしいマルチインパクトドライバーを購入したのだ俺は!!　ん!!　間違っていない（←のか!?）。しかし月に数回しか使わない1万6000円のバッテリーというのはモッタイナイ。特にニッケル水素電池ゆえ、ガシガシ使ってやったほーが電池の健康上よろしいのだ。

　となれば!!　日常でも役立つであろうこのプロアシストシリーズを買うしか!!　例えばパワークリーナーや小型ライトだ。掃除は毎日のようにするし、この小型ライトは俺んちの最強ライトとして常用していけるであろう!!　すなわち高価なバッテリーを複数の機器でシェア!!　そうして宝の持ち腐れ感払拭!!　これだ!!　これしかない!!　ライトと掃除機も買うしか!!　くわッ!!

　勢い余って先ほどのショップに出向いた瞬間、そそそ掃除機とライトください今ください即ください!!　と財布を出したが、ええっ!?　そうなんスか？　取り寄せ？　10日前後ぉ～!?　何だ貴様、人がせっかく購入意欲満々だっつーのにそれはないだろ取り寄せだけはないだろ在庫置い……え？　ブロアならある!?　いやソレは要らないんですけど……はぁ？　全ネジカッターなら安くしとくって……もしかして俺って電工職人っぽい格好してます？　あ、してますな。ていうか取り寄せならけっこうです。

　つまり俺はいつもＴシャツとベストでありスポーツ刈りゆえ工具屋さんにおいても違和感がないっていうか外国人労働者と間違われがちってゅーか違う!!　話が逸れまくった!!　すまんス!!　要するに、リアルショップは愉快で楽しく、消費者に新たな物品と世界を提供してくれるのだが、在庫がないというケースが意外に多いのだ。

　ウィンドウショッピングで在庫がなくても全然問題ない。のだが、アレを買おう!!　と思って出向いて在庫がない時の悲しさわびしさやるせなさ、そして微妙な怒り。物欲臨界点の俺に手ぶらで帰れってか!!　と、これがまったく残念である。買いたいのに買えない。買う気満々なのに在庫ゼロ。デートをすっぽかされた時の落胆に匹敵するガッカリ感だ。

■バーチャルショップの良さ

　ネット通販をはじめとするバーチャルショップの場合、在庫がナイなんてことはほとんどナイ。それが良い。非常に良い。

　もちろん、単一店舗の品揃えや在庫だけ見れば、リアルショップもバーチャルショップも変わらない。大きなショップなら品揃えも在庫も豊富。小さなショップならば主流の商品だけで他商品は取り寄せとなる。

　しかし、バーチャルショップは、客のスタンスで見れば、小さなショップも大きなショップも、ひとまとめ。ネット通販ならば、端末画面これすなわちショップなのである。リアルショップのように、近所の小さなショップなら10分でアクセスできるが、大きなショップまで行くには1時間もかかる、ということではない。全部同じ距離＝目の前にある感覚だ。特にネット通販の場合は、自分のPCが超巨大複合ショップという状況であり、つまりは、リンクを辿って行けば必ずや在庫が見つかり、手に入れられるのだ。

　実際、前述の松下電工の各製品などは、例えば工具屋ドットコムに行けば全部あるのだ。コレもコレもコレもある。こんなのだってある。さらにこのよーな激安感もあったりするので、怒濤の勢いで買っちゃいました。ちなみに、個人的には他にもP-TOOLS.COMとかも好きだ。こういうのとかこんなのとかまでキッチリ揃っているあたりがいい。

　工具屋ドットコムにせよP-TOOLS.COMにせよ、普通はあまり買わないようなサブ的製品や小間物類まで取り揃えている点がニクい。リアルショップではここまで揃えている店はほとんどなく、多くが取り寄せ品となってしまうだろう。って、何で工具の話になってますか？＞俺。いや～最近電動工具が俺ブームなんスよ＞俺。

　工具に限らず、んむむ!!　と思ったらスコッと検索して即座に注文できるのがネットショップの魅力だ。在庫の有無はメールや電話で確認できるゆえ、そのショップになければ別のショップを当たれば良い。そーとーマイナーなものでない限り、どこかのネットショップが必ずや在庫を持っている。アッチへコッチへと足を棒にして8件もショップを回って全部在庫無しかよ取り寄せかよコンチキショー!!　とかいった不毛さがない。ザザッと検索して1本あるいは何本か電話をかけるなりメールするなりすれば、そこに欲しい物品が存在しており入手できることが判明してハッピーになれるのだ。

■ネットにないモノはどこにもない!?

もしも在庫がなくても別の販売サイトで買うだけ。その移動時間は数秒、検索しても数分！　どの販売サイトにも在庫がない場合には、オークションサイトという手もアリ

　これは欲しい。欲しい!!　欲し過ぎる!!　よっしゃ買うぜと思ってネットを探し、これまで「あーあ、なかったヨ」というモンは……あったろうか？　ほんの少しあったかもしれない。が、たいていのモンは見つかり、そして購入できた。例えば俺の場合、こんなふうにゲットしている。

　まずはフツーにgoogleで品物を検索。メーカー名や品名や型番がわかれば、これでだいたい見つかる。俺の場合は、検索キーワードとして“[型番]　[販売]　[価格]”などと入れて見つけることが多い。メーカー名や型番がからない場合は、例えばホルマリンを含有しない木工用ボンドならば“ホルマリン　木工用ボンド　販売　価格”てなキーワードで見つける感じだ。こんな調子で検索すれば、まぁたいていのモンが見つかる。

　しかし、見つかったはイイが、どのショップでも在庫切れとか納期未定なんてコトもある。例えば新発売の人気商品とか、もう製造中止になっている物品などだ。そのような場合は、オークションサイトで見つける。俺は猛烈にタイガー計算機を欲している状態なんだよ大本寅次郎!!　てな時にgoogleで骨董品店を見つけようとしても、そうそう簡単には見つからない。が、Yahoo!オークションで“タイガー計算機”を検索すれば、すぐに見つかったりする。

　ネットショップとしてのYahoo!オークションは、ことのほか便利だ。オークションとして参加するのも愉快だが、今すぐアレが欲しいんだけどどこにも売ってない!!　という切実な消費者の立場で利用すると、いろんなモンがアッという間に（しかも案外安く）見つかったりする。

　ところが、世の中案外厳しいもので、googleでもヤフオクでも見つからないモノもある。例えば製造中止のハードウェアのパーツとかドライバとか、レアでも大人気でもウワサでも何でもない非売品とか、あるいは低視聴率と思われるマイナー番組のビデオとか。世界がもし100人の村だったら確実に「それ欲しいなぁ」と思う人が0人未満であり、1000人の村でも1万人の村でも0人以下であり、10万人の村っていうか都市クラスになってやっとひとり程度が欲しがるようなモノは、ネット上でも見つけるのは難しい。

　しかし、それでも見つかる可能性はある。例えばマトモな趣味系BBSやメーリングリストで「このよーなモノを切実な思いで探し中ですがどなたかお心当たりは？」と問いかければ、情報をいただけることがある。ただ、このあたりまで行くと、バーチャルショップ云々ではなく、尋ね猫捜索レベルの行動力や根気が必要となる行為になるが。

　ともあれ、どーしても欲しいと思うモノを見つけられて買えるという点で、やはり俺はバーチャルショップ、特にネット通販がすげぇ好きだ。また、実際に身近では売られていないような少々特殊なモノは、いつもネットでゲットしている。そして、ネットで品物を探したり買ったりすることにおいて、ウェブページをビシバシと高速で開きまくれるしずーっと開きまくっていられるブロードバンドは便利だなぁと思えるのだ。

□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」（impress TV）