■情報取りに行くのが面倒
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ネットはこっちから取りに行くスタイルの情報メディアだが……こっちから取りに行くのは面倒ですな。向こうからやってきて欲しいモンです
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常時接続にしてから徐々に徐々に変わってきたことに、新聞やテレビと疎遠になったということがある。ニュース、天気予報、いろんなコトの情勢など、知りたいと思った事柄・情報をネットで調べるようになった。まあ、常時接続ユーザーの多くはそういう感じで、インターネットを生活の情報源として使うようになると思う。
目的の情報を手早く検索でき、かつ、いろいろな角度から調べられるという点で、ネットおよびネット上の情報はナイスである。が、それでもなお新聞とかテレビってのは便利だなぁと思うところがあった。
例えば新聞を始めとする紙媒体の場合、一覧性やブラウズ性に優れている。新聞を広げて斜め読みすれば、どんなニュースがあるのかがザッとわかる。雑誌をパラパラッとめくれば、新聞と同じような感覚で、新しい情報が次々と目に入ってくる。テレビの場合は、向こうから自動的に情報がやってくるという感覚が良い。電源を入れてダラ~ッとしたスタンスで何となく観ていれば、ニュースから天気予報から巷の話題までがどんどん流れてくる。
インターネットを使ってそういう情報を得ようとすると、まず第一にユーザーの積極性っちゅーモンが求められる。どのサイトにアクセスし、どんな情報を得るか? こっちから情報を求めて出て行かないとイカンのだ。新聞やテレビなどが訪問販売的っていうか押し売りっていうか向こうからやってきてくれる情報メディアだとすれば、ネットはこっちから取りに行くスタイルの情報メディアだと言えよう。
でも……こっちから取りに行くのは面倒ですな。向こうからやってきて欲しいモンですな。てなわけで、今回はユーザーが何にもしなくたって、情報のほーからコッチへ来てくれるとゆーよーなサービスをいくつか見ていきたい。
■情報で活気づくわしら
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エキサイトサーチストリーム ご存じエキサイトのサーチストリーム。見ているだけでも何となく愉快だが、キーワードをクリックすることでそのキーワードを用いたウェブページ検索もできる
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情報が向こうからやってきてくれる感じのサービスとしてまず俺の脳内に浮かぶのが、エキサイトのサーチストリームなのだ。
サーチストリームは、エキサイトの検索エンジンでの情報検索に使われたキーワードをリアルタイムで表示するサービス……サービスなのかぁ!? 役立つのかぁコレ!? ともあれ、多数ユーザーがエキサイトに対して入力したキーワードが電光掲示板のように流れて表示されるもので、俺としては「みんなどーゆーキーワードを入力してんのかナ!?」という視点でそれを見て、笑ったり和んだり刺激されたり悲しくなったりして暇つぶしをするというものだ。
サーチストリームには2種類あって、入力されたキーワードを全部ビシバシ表示してしまう“フィルターなし”と、一部ヤバい言葉やヒドい言葉やエロい言葉などを除去した“フィルターあり”がある。基本的にはリアルな人間模様を垣間見られる“フィルターなし”のサーチストリームが愉快であるが、時々不快になる可能性があるので、デリケートな方は“フィルターあり”のサーチストリームを見るのが吉だと言えよう。
さておき、これを見ていると、みんなインターネットを活発に使っているんだなァってことがよくわかる。時事について調べたり、仕事情報を探したり、あるいは真っ昼間っからヤバいことを考えていたり、インターネットは人類の巨大百科事典なんだなァと実感する。と同時に、情報が向こうからやってきてくれる利便も感じられる。
サーチストリームでは、右から左にずーっと一生無限に多種多様なキーワード類が流れる。これを眺めていると非常に目が疲れて気持ち悪くなったりもするが、時々「あっそうそうソレについて俺も知りたかったんよ!!」てなキーワードに出くわす。何となく見ていた新聞やテレビに「おっ」と思う情報が出てきた時と良く似た感覚だ。脳味噌の奥底に沈殿してしまっていた知的好奇心にビリッと電流が流れて急浮上した感覚!? とにかく、向こうから次々と送られてくるキーワードをダラリとしたスタンスで見ていると、ピンと来るキーワードに出くわし、それについて知りたくなったりする。
で、そのピンとキたキーワードをクリックすると、同キーワードで検索を行った状態で、エキサイトのウェブ検索ページが(別ウィンドウで)開く。そこから、各ウェブサイトにリンクしていけば、キーワードについて調べていける。
さっきまで何も考えずにサーチストリームを見て喜怒哀楽していたのに、今はひとつの事柄について積極的に調べる気になっていたり、調べていたりする。情報が向こうからやってきてくれるってのは、何というかブッたるんだ脳味噌を刺激してくれて、ユーザーを積極派にしてくれるモンなのであった。
■自動更新電子瓦版!? のエキサイトデスクトップ
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エキサイトデスクトップ エキサイトが提供しているコンテンツ表示ソフトウェア。政治経済からスポーツやエンタテイメントまで、さまざまな情報をデスクトップ上に自動収集・表示させられる
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エキサイトのサーチストリームにはそーゆー妙味があって実に愉快&ちょっぴり実用的だが、前述のようにずっと見ているとマジで目が疲れて気持ち悪くなってくる。また、キーワードで閃きはしても、その先の検索は自分でやらなきゃいけないわけで、テレビ等に比べるとまだまだ“面倒な感じ”がする。
そんなわけで、さらに積極性が低くても情報を得られるサービスはないかと探してみたら、同じくエキサイトであっさりと発見。それはエキサイトデスクトップである。
エキサイトデスクトップは、スクリーンセーバー型のコンテンツ配信サービスだ。コンピュータ上でスクリーンセーバーを起動するような感覚で常駐させられるソフトウェアで、そこには最新の情報が次々と自動送信されてくる。表示される情報は、ニュース、天気、経済情報に星占いにその他多種多様で雑多な情報などなど。オマケに前述のサーチストリームを表示させる機能もある(こちらのサーチストリーム表示だと見続けていても気持ち悪くなりませんヨ)。
使用感としては、エキサイトやヤフーやMSNなどのポータル的サイトのトップページを表示させたように、多方面のトピックスが一覧できて便利。また、それらの情報は刻々と自動更新されるので、何となく眺めているだけでも新しい情報を多々入手できる。また、表示される多くの情報は、リンク先のウェブサイトがある。ワンクリックでより詳細な情報(ウェブページ)を読むことができる。
エキサイトデスクトップは“スクリーンセーバー型コンテンツ配信サービス”というコトになっているが、しかしスクリーンは全然セーブされないっていうかコレずっと起動しっぱなしだと逆に焼き付き起こすよと言えるが、でもマシンを特に使わないようなときに起動しておくと向こうからガンガン情報がやってきてくれて楽しい&実用的だ。コレを毎日使っていると話題に事欠かなくなり、かつ、世間に疎くない人物になれると言えよう。
■IEのツールバーに情報が届くLocmag
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Locmag IEのツールバーとしてニュースヘッドライン等を表示させるソフトウェア&サービス。IE使用中に使うなら場所を取らずに便利
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エキサイトデスクトップは、ユーザーが何もしていない状態で画面上に次々と情報を表示させるにはグレイトなソフトウェア&サービスだ。が、小さいウィンドウで表示させておくようなコトができないため、他ソフトウェアとの同時使用の利便にはやや欠ける。例えばウェブページを閲覧しつつ、エキサイトデスクトップを見つつ、原稿も書きつつ……なんてなコトがしにくい。ソフトウェアとしては少々出しゃばりなのである。
なので、今度はもうちょい控え目というか奥ゆかしいというか、あまりオレがオレがと前面に出てこないソフトを探してみた。で、まず見つけたのがLocmag。ウェブ上の各種コンテンツをInternet Explorerのツールバー上に表示してくれるプラグインでありサービスだ。
使い方は簡単で、Locmagのウェブサイトを開き、インストールを実行するだけ。するとIEに新たなツールバーが表示され、その細いツールバー上に情報表示等がなされる。IEにニュース等を表示する電光掲示板が加わった感じで使える。ニュース等のカテゴリは数種類から選べて、また新たなカテゴリも増加中なので、好みに応じたコンテンツを利用……というか受信することができる。
IEを起動中は常に新しい情報が更新・表示されまくる感じで便利なLocmagだが、ぶっちゃけた話、コンテンツがまだまだ少ないってのが残念。また、IEを起動しておかないと使えないのも残念。ビクターのSoundReceiverやJ-WAVEツールバー、楽天検索など、ユーザーによってはかなり楽しめたり便利だったりするコンテンツもあるのだが、万人向けというのはちょいと成熟度が足りないかも!? さらにコンテンツが増えることを期待したい。ともあれ、手軽に使い始められるし、IEの一部として動いてくれて煩わしさもないってことで、興味のある方は試してみるとおもしろい。
■デスクトップでニュースを読む
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イーヘッドライン ウィンドウズのタスクバー上にニュースヘッドラインを表示してくれるもの。プッシュ型サービスで常に最新情報をゲットできる
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Locmagの場合、例えばASCII24なんかのコンテンツを選んでおくとちょいとイイ感じ。IEのツールバー上にASCII24の最新ニュースヘッドラインが流れるのだ。で、気になる内容が流れた時、それをクリックすると、ニュースページが表示され、ニュースの詳細をじっくり読める。いちいちウェブサイトに行かずとも、ウェブサイトのほーから誘ってくれる感じ。怠惰モードの俺をうまく誘導してくれやがるのだ。でもずっとIEを開いておかないとイケナイってのが玉に瑕。
ってことで、今度はヘッドラインだけをシンプルに表示させるソフトウェアおよびサービスを探してみた。で、まず見つけた非常に良さそうなのが、eHeadLine。イーヘッドライン日本語版と呼ばれるソフトウェアを使うことで、各種ニュースを電光掲示板風に表示してくれるというものだ。サービスとしてはまさに“プッシュ型”で、ニュース配信用サーバからオウチのコンピュータに対して新しい情報をどんどん送り込むというスタイル。具体的には、タスクバー上に表示される細長いエリアに、次々とニュースヘッドラインが流れていくというものだ。
コンテンツもけっこー豊富で現在は20チャンネルある。ソフトウェア自体も強力で、ヘッドラインをクリックすればそのニュースソースとなるウェブページが表示されたり、最新ニュースの一覧表示を行えたり、ヘッドラインをブックマークできたり、表示色等のカスタマイズができたりする。で、無料で使える。
実用性が高く非常に便利なサービスなのだが、悲しいかな、拙者の環境ではこのソフトがうまく動かないのであった。デュアルディスプレイだから!? Matroxのドライバと相性が悪いのか!? なぜだかタスクバーを隠すようにヘッドラインが表示されて、スタートボタンさえクリックできなくなっちまうのであった。
さておき、非常に実用性が高いサービスと思えるので、ラクしてニュース等最新情報をチェックしたいという人はインストールしてみるといいだろう。
■すごッ!! 最強に強まっている!!
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よっしーニュースバー ニュースヘッドラインをデスクトップ上に表示するよっしーニュースバーは、ヘッドライン表示用ウィンドウの数やスタイルなどを自由にカスタマイズできる
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あーもー拙者の環境ったらイーヘッドライン日本語版使えなくてダメかも~と嘆いていた時、救世主のように現れたっていうか救世主を発見したっていうかとにかく見つけて感動したのが、よっしースズメのホームページさんの、よっしーニュースバーである。
これはイーヘッドライン日本語版と同様、デスクトップに電光掲示板っぽくニュースヘッドラインを表示してくれるもので、ユーザー登録をすれば無料で使用可能なソフト。方式としてはプッシュ型サービスではなく、登録されたウェブサイトを自動巡回し、ニュースヘッドラインを収集するタイプのようで、あらかじめ登録されているコンテンツ数もヒッジョォ~に多いので超実用的。加えて、好みのニュースを設定できるカスタマイズ機能も強力なので非常に実用性が高い。常用のニュースヘッドライン表示ソフトとしてイチオシのよっしーニュースバーなのである。
ソフトウェアとしても柔軟で使い勝手が良い。例えば、ヘッドライン表示用のウィンドウの位置や数はほとんど自由自在で、表示方法やフォントやウィンドウサイズなどのスタイルもほとんど自由自在で、コンテンツ数も非常に多い。もちろん、ヘッドラインをクリックすればそのニュースの本文が書かれたウェブページが自動的に開かれたりする。さらに、メールサーバやユーザー等の設定をすればメール着信を確認できたり、コンピュータの時刻を合わせる機能までも持っている。
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よっしーのオプション設定 カスタマイズ可能な項目等は非常に多く、ウィンドウの挙動やフォントまでほとんど自由自在に設定可能だ
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よっしーのメールチェック機能 よっしーにゅーすばーだけで新着めーるのちぇっくもできる。めーるが届いている場合はこのように着信を知らせてくれる
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デフォルトで使っても十分実用的なソフトなのだが、より便利に使うためには前述のように好みのニュースだけを選んだり、ある程度のソフトウェア的な設定をする必要がある。ので、カスタマイズするとなると多少は試行錯誤しないといけないかもしれない。まあ、多機能で柔軟なソフトには常につきまとう設定的煩雑さですな。しかしまあ、マジで良くできているソフトウェアなのである。コレ使っときゃぁ毎日定期的に巡回するサイトに行かなくて済んじゃうかも!?
てなわけで各種ソフトウェアを見てきたが、常時接続時代の現在、情報は向こうから来ていただくのが安楽であり、ネットへ常時接続されたコンピュータは実用的なニュース端末になってくれるのである。ニュース等情報受信専用コンピュータを一台導入しちゃうってのもアリかもしれませんな。
□スタパ齋藤常時出演中!!「スタパトロニクスTV」(impress TV)
(2002/12/25)
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