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【東京ゲームショウ2005】
任天堂岩田社長「Revolutionのコントローラは家庭の誰もが触る対象に」

 東京ゲームショウ 2005の初日となる9月16日には、任天堂の岩田聡社長が基調講演に登場。「ゲーム人口の拡大に向けて〜ゲーム産業に今、何が必要か〜」と題し、任天堂の取り組みについて講演を行なった。


ゲーム人口の拡大のために任天堂が行なった取り組み

任天堂の岩田聡社長

ゲーム業界は「発展と衰退の岐路にある」と岩田氏
 岩田社長は、「ファミコンから20周年、ゲームビジネスは順調に成長してきたが、これまでに30年間同じスタイルで発展したビジネスはない」とコメント。「そもそもゲームを楽しんでくれる人が増えなければ、最終的な市場拡大は望めない。任天堂は当事者としてゲーム人口の拡大を目指すための取り組みをこの2年間行なってきた」とした。

 ゲーム人口拡大のために任天堂が取り組んだのは「ゲームから離れてしまった人達を呼び戻す」「今までゲームをしていなかった人達を呼び込む」「ゲーム熟練者も、ゲーム初心者も楽しめる新しい商品を提案する」の3つ。この取り組みの具体的な例として、岩田社長はファミコンミニを例に挙げた。

 ファミコン20周年を記念して発売されたファミコンミニは、トータル30タイトルが日本国内で400万本をセールス。岩田氏は「発売日には幅広い年齢層が店頭に訪れ、ゲーム業界が活性化したとの話題もあった」とコメント。「ゲーム人口拡大に少しでも拡大できたのでは、との手ごたえを感じた」と話した。

 6月13日には、マリオ20周年を記念し、30万本を出荷しながら現在も品切れ状態が続いているというファミコンミニの「スーパーマリオブラザーズ」を再発売。さらに「任天堂の歴史上もっとも小型なハード」というゲームボーイミクロも同時に発売した。ゲームボーイミクロもゲーム人口拡大のための取り組みの一環であり、「日常生活でゆっくりゲームを遊べない人に、電車で携帯電話を触るかのように使っていただくことを期待している(岩田氏)」。


ファミコンミニはトータル400万本以上のセールス ゲームボーイミクロでユーザー人口の拡大を狙う

女性層や高年齢層の取り込みに成功したニンテンドーDS

ゲーム人口拡大の取り組みとして発売された「ニンテンド-DS」
 第2の取り組みとして挙げられたのが、2004年12月に発売された携帯用ゲーム機「ニンテンドーDS」。岩田社長は「誰もが楽しめるゲームのために、両手でボタン操作すると決まっていたインターフェイスを最初から考え直した製品」と説明。2画面ディスプレイやタッチスクリーン、ワイヤレス機能、マイクなどの新たなインターフェイスをサポートしたと述べた。

 一方で、「(ゲーム人口の拡大は)ハードだけで解決する問題ではなく、どんなソフトを提案するかが重要」ともコメント。新たなジャンルの開拓として「Touch Generations」シリーズを紹介した。タッチペンや自分の声で犬を育てられる「nintendogs」は国内で100万本を出荷、北米でも発売から1週間で22万本が販売されたという。岩田社長は「犬と触れ合うコミュニケーションの魅力は世界共通だと認識した」とコメント、「欧州の期待も高まっていると聞いており、来月の欧州での発売が楽しみ」と期待を示した。

 また、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」といった商品も非常に好調だという。岩田氏は任天堂の会員制サービス「クラブニンテンドー」のデータを紹介。ニンテンドーDS自体、今までのプラットフォームの中で最も女性ユーザーの比率が高いものの、nintendogs、脳を鍛える大人のDSトレーニング、やわらかあたま塾の3タイトルはDSの平均と比較してもさらに女性比率が高いという。

 この3タイトルを年齢別に見ると、「脳を鍛える大人のDSトレーニングは25〜34歳が多く、、やわらかあたま塾は全年齢層に受け入れられている(岩田氏)」。このデータはクラブニンテンドーにインターネットや携帯電話で登録したユーザーに基づいているため「実際のシニア層はさらに比率が高いのではないか」との考えを示した。

 ソフトと同時にハードを購入する「ハードウェア牽引率」も、この3タイトルは非常に高いという。また、プレイステーション 2やゲームキューブといった据え置き型ゲームの週間販売推移は一般に3カ月で商品の動きが止まることが多いものの、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」の2タイトルは週が進んでも販売数を持続、脳を鍛える大人のDSトレーニングに関しては発売から14週で最高セールスを達成したという。

 岩田氏はニンテンドーDSが8月に日本国内で300万台を販売したというデータを公表した上で、Touch Generationsなどのデータを踏まえて「ハードが売れただけではない、ユーザー層拡大の成果である」とコメント。ゲーム市場全体の市場規模も、据え置きゲームが落ち込む中で携帯ゲームが好調を維持しているとした。


Touch Generation購入ユーザーの性別(クラブニンテンドー調べ) 年齢層の比較

、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」は週間販売推移が順調に推移 ゲーム市場は据え置きが落ち込む中で携帯ゲームが好調。2005年は2003年の規模に回復した

Nintendo Wi-Fi Connectionは11月スタート。詳細は10月上旬に

Nintendo Wi-Fi Connectionは11月スタート
 さらに岩田氏は「これからのゲーム人口拡大の取り組み」の施策として、「Nintendo Wi-Fi Connection」にも言及。任天堂が全国の小売店にアクセスポイントを設置、ユーザーは設定を行なうことなくネットワークに接続して複数人数での同時プレイを楽しめるほか、普及を担うタイトルでは月額料金も徴収しないという。岩田氏は「インターネットの匿名性ゆえに、見知らぬ人とのコミュニケーションでいやな思いをしないような対策も万全」と自身を示した。

 Nintendo Wi-Fi Connectionの対応タイトルは「どうぶつの森DS」「マリオカートDS」の2タイトルを予定する。岩田氏は「今回は時間の関係で詳しくお話できないが、10月上旬には詳細がご説明できるだろう」とコメント。「今までオンラインゲームは敷居が高く、一部のユーザーだけが利用していた。任天堂は、対応ソフト購入者が少なくとも一度はNintendo Wi-Fi Connectionを体験するように提案し、そこで価値あるイノベーションを実現したい」との意気込みを示した。


Nintendo Wi-Fi Connection対応の「どうぶつの森DS」(左)と「マリオカートDS」(右)


Revolutionではゲーム人口拡大と画期的な商品開発を期待

Revolution本体とワイヤレスコントローラ
 「前置きが長くなりましたが」とのコメントののち、岩田氏は据え置き型ゲーム機での取り組みに言及。2005年5月のE3に合わせて筐体デザインなどを公開した「Revolution」の説明に入った。

 岩田氏は、「任天堂が目指すものはDSもRevolutionも同じ。進化かつ高度になったゲームの操作系が敷居の高さとなり、ゲームから離れてしまったユーザーや、ゲームに触っていない人々に“触ってみたい”と思わせる提案が必要。そのために最も重要なのはコントローラのインターフェイスだ」とコメント。「本質的にはDSと同じアプローチだが、テレビを2画面やタッチスクリーンにはできないので」とした上で、Revolutionのコントローラデザインを初公開した。

 岩田氏が「20年間変わらなかった“コントローラはなぜ両手で持つのか”というところから考え直した」というコントローラは、テレビのリモコンのように片手での操作が可能なほか、画面を指している位置や距離、ひねりといった動作も検出できる。また、標準同梱されるフリースタイルコントローラを利用することで、片方のコントローラをキャラクター操作、もう片方でアクションを行なうなど、FPS(First Person Shooter)ゲームの新しい操作方法も可能だという。

 このコントローラの発想の発端は「なぜ家庭の中にあるコントローラに触る人と触らない人がいるのか」という点にあると岩田氏は語る。「今までのコントローラは、両手で握って左右の指を器用に動かすことへの恐怖感や食わず嫌いがあったのではないか。片手で操作できるコントローラにすることで、家族の誰もが自分の触る対象だと思って欲しい」。


楽団の指揮者をイメージした利用方法 孫と一緒に釣りゲームを楽しむイメージ

フライパンに見立てて料理を作るゲームも 歯医者のゲームイメージには会場から笑いが巻き起こった

フリースタイルコントローラを併用することで冒険感覚も楽しめる 片手で操作できるため、従来よりも気軽にゲームに触れることができるという

同梱のフリースタイルコントローラでより幅広い操作スタイルを実現
 このコントローラには、ユーザー人口を広げる以外の狙いもあるという。岩田氏は「次世代機は開発がどんどん大規模化するというが、規模が小さいメーカーでは次世代機が自分たちの土俵にならないという疎外感もあると聞いている」とコメント。「予算や規模が小さくても、アイディア次第で画期的な商品ができる。『脳を鍛える大人のDSトレーニング』もアイディアがキモの製品で、開発期間は4カ月足らず、開発スタッフも10人を切る程度」との裏話を披露した。

 岩田氏は「オーディオビジュアルの進化や3Dグラフィック、アナログコントローラなどの登場は、ユーザーに驚きを与えてきた」と認めた上で、「今でも同じ方法論で、高度で豪華な競争を勝ち抜いていけばいいと思っているゲーム業界の人は少なくない」と指摘。「何が正しいかを決めるのはユーザーで、今までの方法論が正しいならそれを突き進めばいい」としながらも、「我々はその方法論が今後も通用するとは思わない。日本市場の変化、そしてそれに対するDSの取り組みの手応えから、これまでと違うイノベーションの重要性を感じている」とした。


コントローラを一新するメリット 小規模な開発環境でもアイディア次第でチャンスが生まれる

関連情報

URL
  東京ゲームショウ2005
  http://tgs.cesa.or.jp/
  任天堂
  http://www.nintendo.co.jp/

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(甲斐祐樹)
2005/09/16 16:21
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