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【ちえらぼ2】
加速度を体感できる「茶の間でGO」と未来通信を描く「テレパシー通信」

 NTTは、同社のエンジニアが自ら開発した新技術や発想を発表するイベント「ちえらぼ2」を10月14日、15日の2日間開催している。会場はインターネットカフェ「Necca 秋葉原店(東京都千代田区)」で、入場は無料。


レースゲームで0.5Gの加速度感を体験できる「茶の間でGO」

今回の「ちえらぼ」でも出展者を紹介するパネルを用意。肩書きも健在だった
 「茶の間でGO」は、人間の平衡感覚を司る「前庭」に電気刺激を与え、横方向の加速度を体感できるレースゲームがプレイできる。コミュニケーション科学基礎研究所に所属する安藤英由樹氏、前田太郎氏、雨宮智浩氏が出展した。

 展示物では、両耳に装着したヘッドフォン型の機器から耳の後部に対して2mA以下の電流が送られる。この電流により前庭感覚が刺激されて、ゲームで操作している車の動きに応じて左右方向に対して0.5Gの加速度が体感できる。また、体感する加速度は個人によって異なるため、ボリューム装置を利用して調整も可能だった。

 安藤氏によれば、今回デモで利用したレースゲームのようにグラフィックから速度が測定できるものであれば、他のゲームなどにも応用が可能だという。加えて、加速度感によって“酔い”が生じることから、「酔い防止研究への利用も考えられる」と語っていた。

 なお、同実験では電気刺激や実験前にアルコールを利用した前処理を行なうため、希望者によっては参加できない場合がある。また、体験する場合にも展示スペースに用意された同意書に署名する必要がある。


「茶の間でGO」展示スペース ヘッドフォン型の機器を装着する点などを除けば通常のレースゲームの操作と同感覚

肩こり解消など低周波治療器と同じようにゲル状の素材を通じて電流が送られる 実験参加時に書名の必要がある同意書

若手研究者が考える20年後のコミュニケーション手段「テレパシー通信」

出展者および展示物紹介パネル
 「2025年コミュニケーション革命」と題した展示では、NTTの若手研究者が中心となって2025年におけるコミュニケーションのあり方を検討した一例がパネルで紹介されている。パネル紹介されていた「テレパシー通信」は、会話をしたい相手に対してテレパシーを送ってコミュニケーションを図ろうというもの。出展者はサービスインテグレーション基盤研究所の清水健太郎氏とネットワークサービスシステム研究所の四七秀貴氏。

 例えば、家族同士がテレパシー通信によって気軽に会話が可能になるケースや、テレパシー通信によって構築された仮想世界などが想定される。ただし、前者ではテレパシー通信だけになった場合、結果として家族間で直接のつながりが弱くなる点、後者では仮想世界と現実世界で自我を保つのが難しくなる可能性も指摘するなど、同コミュニケーション手段を利用した場合のメリット、デメリットが挙げられていた。

 また、エアコンやコンロなどとのテレパシー通信も想定。通信では感覚の伝達も行なえるため、各機器から温度の感覚などといった現状が伝達されるとともに、自己処理によって自動的に対応を行なうことが可能になるのではと考えているという。

 このほかの利用方法としては、医療現場での患者とのコミュニケーションの実現への可能性もあるとしている。清水氏によれば、通信方法として「電波を使うものなのか、当社のコアネットワークを使うものなのかという議論もある」という。また、「ちえらぼ2の出展物を組み合わせた利用法も考えられる」と述べた。

 ちなみに利用方法としては、常に通信を開放していると“サトラレ”状態になってしまうため、テレパシー通信が実現された場合には「伝えたい場合に相手にテレパシーを送るトランシーバー型のような利用になるだろう」とした。


テレパシー通信が実現された場合のイメージパネル コミュニケーション端末以外の用途について

関連情報

URL
  ちえらぼ2
  http://www.chie-lab.jp/
  Necca秋葉原店
  http://www.necca.ne.jp/~akihabara/a/m.htm

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(村松健至)
2005/10/14 19:01
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