Broadband Watch logo
【 2009/10/09 】
【 2009/10/08 】
【 2009/10/07 】
【 2009/10/06 】
【 2009/09/24 】
【CEATEC JAPAN 2006】
「あらゆる端末にYahoo!のサービスを提供する」ヤフー井上社長が講演

 幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2006」で4日、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏による「Yahoo! JAPANが推進する『Yahoo! Everywhere戦略』」と題した講演が行なわれた。


PC以外のデバイスにもサービスを提供することで利用時間の拡大を目指す

ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏
 井上氏は、Yahoo! JAPANがスタートした1996年から利用者数は大幅に拡大し、提供するサービスも10年前は検索のみだったが、現在では100種類以上のサービスを提供するようになるなど、拡大を続けてきた10年間だったと振り返った。

 現在では、Yahoo! JAPANの利用者数は4,500万人に達している。井上氏は「日本人の人口を考えると、この人数がさらに倍になるということは考えにくい」とする一方で、「Yahoo! JAPANの平均利用時間は1カ月あたり3時間26分だが、ここをさらに増やしていきたい」と語り、今後のYahoo! JAPANの成長は利用時間の拡大にかかっているとした。

 井上氏は、講演のテーマである「Yahoo! Everywhere戦略」は、こうした利用時間拡大のための戦略でもあると語る。Yahoo! Everywhereとは、PC以外に携帯電話やテレビ、カーナビなどさまざまな端末にもYahoo!のサービスを提供していこうという構想だ。「PCは置いてある場所や使える場所が限られいてる。携帯電話やテレビなどさまざまな環境にもYahoo!のサービスを提供し、生活時間のあらゆる場所でサービスを利用できるようにする」ことで、利用時間をさらに伸ばしていこうという考え方だ。

 各種のデバイスにYahoo!のサービスを提供していくことについて、井上氏は「Yahoo!は創業時から自分達自身がユーザーであり、こうしたサービスがあるといいよね、というサービスを提案してきた」として、携帯電話やテレビなどの環境で使える便利なサービスを提案していきたいと語った。


Yahoo! JAPANの利用状況 Yahoo! Everywhere構想

携帯電話の現状は「10年前のパソコン通信の世界と同じ」

 井上氏は、PC以外の端末で最初にサービスを展開していくのは携帯電話だとして、携帯電話の現状を「10年前のパソコン通信の世界と同じだ」と説明する。「パソコン通信の時代には、ユーザーはPC-VANやNiftyといったそれぞれの通信会社の専用サービスを利用する形で、インターネットはメールの交換に使われていた程度。携帯電話も、現状では各キャリアが提供する専用サービスが中心だ」として、Yahoo! JAPANでは「キャリアに関係なく、専用サービスではない、真のインターネットサービスを提供していきたい」と語る。

 Yahoo! JAPANでは、ソフトバンクモバイル(ボーダフォンから社名変更)に対して専用のポータルサイトなどの提供を10月から開始した。これについて井上氏は、「新たに閉じたサービスを提供するものではなく、インターネットのオープンな世界のサービスを携帯電話の世界に持ち込むもの」と説明。「パソコン通信の時代に、いち早くインターネットの世界をユーザーに紹介したのはAOLで、AOLはナンバーワンになった。ソフトバンクモバイルとの提携もこれと同様に、インターネットのサービスを携帯電話のユーザーに紹介するモデルだ」とした。


モバイルインターネットの今と将来 これからのインターネット

 井上氏は携帯電話のほかにも、テレビやカーナビといったデバイスへの取り組みを進めているとして、CEATEC JAPAN 2006の会場でも展示している「Yahoo! Digital Home Engine」を紹介。Yahoo! Digital Home Engineは、Yahoo! JAPANのコンテンツをDLNAガイドラインに準拠した機器から視聴・閲覧できるようにするもので、壇上ではシャープの「インターネットAQUOS」などの機器からYahoo!のサービスを利用するデモを披露。また、カーナビについては、日産のカーナビ向け情報サービス「カーウイングス」がYahoo!メールに対応したことなどが紹介された。

 井上氏は、「これまでの10年はPCが中心で、インターネットのサービスはアメリカが作って日本が真似してきた。これからの10年は携帯電話やテレビが中心になる。これらのデバイスは日本メーカーのシェアが高く、ブロードバンドや携帯電話からのインターネット利用率も日本は高い」として、非PCデバイスの分野では日本が中心的な役割を担うと予測。「こうしたサービスはYahoo!だけで提供できるものではない。いいサービスはユーザーが決めるもの。ぜひ皆様と協力していいサービスを作り、日本から世界に提供していきたい」と語り講演を締めくくった。


関連情報

URL
  CEATEC JAPAN 2006
  http://www.ceatec.com/
  Yahoo! JAPAN
  http://www.yahoo.co.jp/

関連記事
ソフトバンクモバイル、ヤフーとの連携で無料コンテンツ拡充
【CEATEC JAPAN 2006】
ヤフー、DLNA対応機器からコンテンツを利用できるサービスを公開

【CEATEC JAPAN 2006】
日産、カーナビ向け情報サービス「カーウイングス」の新サービスを公開



(三柳英樹)
2006/10/04 19:40
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.