外出先から自宅のテレビや録画番組を視聴できる「Slingbox」を手がけるSling Mediaは、2007年中旬発売予定の新製品「SlingCatcher」を展示していた。価格は200ドル程度になる見込み。
■ テレビでSlingboxが視聴可能に。PCの画面もテレビに出力
PCやWindows Mobileなどのクライアント端末に対して映像をストリーミング配信するサーバー的役割を持つSlingboxに対し、SlingCatcherはSlingboxの映像をテレビに出力して再生できるクライアント的役割の端末。日本ではソニーが「ロケーションフリー TVボックス」という同様の製品を発売している。
テレビへの映像出力には本体に搭載されたアプリケーション「The SlingPlayer for TV」を使用。ネットワークインターフェイスは有線LAN×1ポートを備えており、映像出力はコンポジット、S映像、コンポーネントに加えてHDMIにも対応。音声出力ではコンポジットのほか同軸デジタル音声も備えている。
さらにPCの映像をSlingCatcherへ伝送し、テレビでPCの画面を表示できる「SlingProjector」機能も搭載。SlingCatcherが設置済みの環境であれば、PCとテレビを直接ケーブルで接続する必要なくPC画面を映し出すことが可能になる。
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SlingCatcher
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SlingCatcher背面
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■ SlingboxシリーズやVista対応、動画アップロードなどサービス群拡充
日本ではSlingboxと言えばアイ・オー・データ機器から発売されている1製品のみだが、米国ではテレビチューナーを搭載したテレビ再生限定の「Slingbox TUNER」、コンポジット/S映像入力を搭載したレコーダやSTBの映像再生限定の「Slingbox AV」、TUNERとAVの機能に加えて1080i対応のコンポーネント入力を搭載し、HD映像1台とSD映像3台まで接続できる「Slingbox PRO」の3製品でSlingboxブランドを展開している。価格はTUNERとAVがそれぞれ179.99ドル、PROが249.99ドル。
PC視聴用のクライアントソフト「SlingPlayer」は、Windows Vista対応バージョンを参考出展。Windows Vistaのエフェクト機能「Aero Glass」を利用したフルスクリーン再生が可能になるほか、複数のSlingbox端末の制御が可能になる。
Sling Mediaのブースには出展されなかったが、1月9日に行なわれたCBSの基調講演では、Slingbox向けの新サービス「Clip+Sling」も発表。Slingboxで配信される映像の好きな箇所を任意に指定して切り出し、その動画をWeb上にアップロードして他のユーザーと共有できる。現在は試験サービス中だが、2007年第2四半期には正式サービスを開始する予定だ。
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Slingbox PRO
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Slingbox 背面
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クライアントソフト「SlingPlayer」のVista対応版も参考出展
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基調講演で紹介された新サービス「Clip+Sling」。指定した動画を切り出してアップロード、他ユーザーと共有できる
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■ URL
2007 International CES(英文)
http://www.cesweb.org/
ニュースリリース(SlingCatcher、英文)
http://us.slingmedia.com/object/io_1168286861787.html
ニュースリリース(Vista対応、英文)
http://us.slingmedia.com/object/io_1168267118087.html
ニュースリリース(Clip+Sling、英文)
http://us.slingmedia.com/object/io_1168395718976.html
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(甲斐祐樹)
2007/01/12 16:04
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