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【JR東日本・平成20年度 技術開発展示会】
鉄道向けWiMAX評価試験、最大1.5km先からの通信も確認

 JR東日本の東京工事事務所、東京電気システム開発工事事務所は、2月4日から5日にかけて「平成20年度 技術開発展示会」を開催している。会場は、新宿駅付近にあるJR東日本本社ビル2階 JRホール。

 技術開発展示会は、工事事務所が推進するプロジェクトや技術開発成果などの紹介を目的に、1992年から毎年開催されている展示会。両工事事務所以外にも、建設工事部構造技術センターやJR東日本コンサルタンツの技術開発成果も展示されている。開場時間は両日ともに10時から17時までで、一般も無料で入場できる。


北柏駅周辺で高速移動中のモバイルWiMAX性能評価を実施

北柏駅周辺での走行試験映像も展示されている
 鉄道向けWiMAX評価試験の展示コーナーでは、2007年12月に常磐線柏駅周辺と中央本線大月駅周辺に基地局を設置し、鉄道沿線における電波伝搬特性試験で得られた結果が紹介されている。また、北柏駅にはモバイルWiMAXの評価システムも構築され、高速移動環境での性能評価試験を行ったという。

 このうち、柏駅周辺と大月駅周辺の評価試験では、都市部エリアと郊外エリアに基地局を設置し、鉄道沿線における電波伝搬特性試験が行われた。高速移動実験も含め、高さ5mの場所に設置した無線装置が利用され、都市部と郊外エリアにおける飛びの差や電界強度の評価が行われた。この際、郊外エリアでは山などからの反射状況も確認したという。

 高速移動実験は、北柏駅に設置された基地局1基のみを使用。先頭車両内にアンテナを設置し、上り下り双方から通信可能距離などが調べられた。今回は変調方式を切り替える形で実験が行われ、QPSKの場合で最大1.5km、16QAMの場合で最大1.3km、64QAMの場合で最大800mの範囲で通信が確認できたとしている。なお、基地局が1基のみだったため、ハンドオーバー試験は行われなかった。

 その上で、時速100kmで走行する車両でも安定した動画のストリーミング視聴を確認。具体的な実用化時期は未定だが、列車内での無線ブロードバンドサービスの展開に適用可能であることを確認したとしている。


実験概要図 高速移動実験時の評価イメージと結果

WiMAX用指向性アンテナ 大容量通信に対応するための鉄道沿線用光情報ターミナルも展示

「UQ WiMAX」の屋内基地局設置で、地下ホームでもWiMAX利用が可能に

UQ WiMAX屋内基地局が設置される駅
 同展示コーナーでは合わせて、UQコミュニケーションズ(UQ Com)によるモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」で、JR東日本の首都圏44駅構内に基地局を設置する旨の紹介も行われている。なお、JR東日本はUQ Comに資本参加している。

 JR東日本では、2月26日に開始する「UQ WiMAX」に伴い、東京駅や新宿駅、横浜駅など首都圏44駅に屋内基地局を約160局設置。同社広報によれば、JR東京駅の京葉線ホームをはじめ、屋外から電波の届きにくい改札内のコンコースや地下ホームでもUQ WiMAXが利用できるとしている。


関連情報

URL
  JR東日本
  http://www.jreast.co.jp/
  展示会開催のニュースリリース(PDF)
  http://www.jreast.co.jp/press/2008/20090106.pdf
  関連記事:JR東日本が長期経営ビジョン、WiMAX活用して列車内通信サービスも[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/03/31/19016.html

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(村松健至)
2009/02/04 14:15
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