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J-COM森泉社長「CATVのサービスはFTTHにも負けない」

J-COMのの森泉知行社長
 J-COM札幌 見学会の中で、J-COMのの森泉知行社長は同社の今後の展開に関して語った。今後はサービスの充実を図るとともに、CATV事業者間の連携を強化していく方針だという。

 森泉氏はCATV業界について「従来までは地域独占で展開してきたが、ここにきて大手通信事業者や電力系通信事業者との競争関係が厳しさを増してきている」とコメント。「ケーブルの持つサービスのうち、放送はいまのところ圧倒的な優位にある。FTTHでの放送はIPベースのために地上波の再送信ができないし、コンテンツについても権利者との関係で制限が多い」と語りながらも、「IP伝送が放送として認められ、放送事業においても強敵となるのは時間の問題だろう。それがいつになるのかはわからないが、CATV事業者に残された時間は極めて少ないと認識している」との危機感を見せた。

 一方で、「CATV事業者ならではの武器もある」と森泉氏は語る。「例えばJ-COM Phone。KDDIや日本テレコムが電話サービスを始めているが、ユーザー宅への回線にNTT東西のドライカッパーを利用している以上、回線の使用料として1,400円が発生するため、ユーザーの月額料金はそれ以下には下げられない。我々は同軸ケーブルを使うから、そもそも回線の使用料が発生しない(森泉氏)」。

 インターネット接続サービスについても、「c.LINKなど、最大100Mbpsのサービスは我々も準備を進めている」とした上で、「FTTHの導入には多額の費用が発生しているが、事業者のプロモーション費用でまかなっている状況。CATVであれば同軸を利用できるために実際の費用もFTTHほどは発生しない」と指摘。「電話、インターネット、放送を1つのケーブルで提供できる点がCATVの強みだ」と自信を見せた。

 今後森泉氏が重要視するのはCATVのブランド力向上。「サービスの内容ではFTTHにも負けていないが、それをユーザーに理解してもらう必要がある」との考えから、ブランド力向上も視野に入れたCATV事業者間の連携が重要になると考える。森泉氏は、「CATV事業者は大手通信事業者に対して、生き残るだけではなく勝ち残らなければならない。そのためにも各CATV事業者が手を携えて、できることは一緒に立ち向かっていきたい。メディアには『CATV事業者の提携は、総論賛成だが各論では反対で実現できないのではないか』と言われるが、メディアの予想を覆して提携のメリットを実現させたい」との意欲を示した。


関連情報

URL
  J-COM
  http://www.jcom.co.jp/

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(甲斐祐樹)
2005/02/14 15:56
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