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| 「ひかり de DVD」でセル市場を見据えた展開。既存東芝製品の対応も | ||||||||||||||||||||||
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パワードコムは、5月24日と25日の2日間にわたって東京都港区台場にあるホテル日航東京で「POWEREDCOM FORUM 2005」を開催した。25日には、パワードコム、東京電力、東芝の3社が実施している「ひかり de DVD」トライアルに関する講演が行なわれた。 ひかり de DVDでは、光ファイバ回線を利用して映像コンテンツを配信、ユーザーは自宅に設置したDVDレコーダ内のDVD-RAMにデータをダウンロードしてコンテンツが視聴できる。トライアルは、東京電力の光ファイバ接続サービス「TEPCOひかり」のユーザーを対象に2004年12月1日から2005年3月31日まで実施され、その後9月30日までトライアル期間が延長された。 また、トライアル期間延長に合わせて、全国の電力系通信事業者の光ファイバ接続サービスでひかり de DVDの提供を検討するため、試験地域がTEPCOひかり以外にも拡大された。 ■ 2004年秋以降の東芝DVDレコーダ一部製品はひかり de DVDに対応可能
また、ダウンロードしたコンテンツをDVD-RAMに書き込むスタイルを採用することで、「セルモデルの構築が可能になる」とコメント。ひかり de DVDでは、売り切り型の「セル」、一定時間視聴可能な「レンタル」、無料で視聴できる「プレビュー」の3メニューを用意している。このうち、セルでは暗号化されたコンテンツを複合化する鍵もDVD-RAMに書き込まれるため、「CPRMに対応するDVDレコーダであれば、東芝以外の製品でも再生が可能だ」とした。なお、ひかり de DVDでは、CPRMをネットワークダウンロードに対応させた著作権保護技術「CPRM for Network Download」を利用している。 同氏によれば、東芝が2004年秋以降に発売したネットワーク対応DVDレコーダの4～5機種程度に関して、「商用サービス開始時に公開を予定するファームウェアを適用することで、ひかり de DVDに対応できる」という。加えて、商用化の前後には広告やサービス展開などもユーザーへの周知を図りたい考えも示した。 ひかり de DVDではDVD-VRをフォーマットとして採用しているが、「将来的には現在話題にあがっている次世代規格へと発展していくだろう（大塚氏）」と次世代規格への対応も示唆。また、光ネットワークを利用する点に関して「映像コンテンツは4GBを超える大容量であるため、光ファイバ回線を用いて配信するのが理想的な環境である」と説明した。
■ ひかり de DVDではコンテンツダウンロードによる物理的な所有感も
大槻氏は、他社サービスの違いについて、「ひかり de DVDはダウンロードサービスである」点を強調。DVD-RAMに直接コンテンツをダウンロードできることで、「物理的に所有できる所有感が持てるとともに、いつでも見られるライブラリとしても楽しめる」とした。一方で、VODサービスが提供するIP放送については「現時点では対応を難しい」と述べた。 ひかり de DVDにコンテンツを提供する事業者は、2005年3月1日時点で25社が参加しているという。大槻氏は、「折々で参加するコンテンツプロバイダーは入れ替わっているが、今後商用化に向けて話し合いを進めている」とコメントした。 また、提供メニューの1つであるプレビューに関して大槻氏は、「最新映画の予告編という利用方法以外にも、コンテンツに映像を付加した広告モデルも考えられる」と発言。加えて、「視聴制限の必要がない企業間の場でも活用できるのではないか」と考え方を示した。 続いて大槻氏は、3月25日時点で集計された「ひかり de DVD」トライアルにおけるアンケートの中間報告を公表した。報告によれば、モニターへの申し込みは総計479件で、実際に参加したユーザー数は440件。また、提供タイトル数はセル・レンタル重複を含めて本編提供タイトルが178本、プレビュータイトルが28本だった。 視聴状況は、プレビュー件数が22件で、購入件数がセルが64件、レンタルが324件。購入件数について大槻氏は、「おおまかに計算すると、1ユーザーあたり、毎月1.数本をレンタルし、年間に数本を購入するペースで、この数値は社団法人日本映像ソフト協会（JVA）が出している月間レンタル数と年間購入数に近いものである」と述べた。その上で、「タイトル数が180本前後と少ないながらも、この数値が達成できるのは興味深い」とした。 また、セル専用タイトルとして十数本のコンテンツを提供するワーナー作品を例に、セルおよびレンタル件数も紹介された。ワーナーのタイトルは、980円と店舗価格の1,500円から提供されている影響もあり、大槻氏は「購入件数としては上位30位に2本しかないが、売り上げ順位では10本ランクインしており、売り上げを考えるとひかり de DVDではセルが占める割合が大きいことがわかった」と説明した。 ひかり de DVDではダウンロード形式でコンテンツが提供される。このため、ジャケットなしでDVDを購入する場合の割引価格の要望は、「半額」の40.2％に次いで、「30％引き」が28.1％だったといいう。大槻氏は「市販価格の半額が最も多いとは予測していたが、次点で30％が挙がるのは意外だった」とコメント。このため、ひかり de DVDでのセルメニューの料金体系は「30％引き程度が妥当では」と述べた。 一方で、大槻氏は個人的な考えとして「ユーザーによってはジャケットや特典映像が必要な方も少なくない。そうした層への対応も考えていかなければならない」と語った。このほか、画質面などについて良好だと回答するユーザーが多かったとした一方で、カーソル操作などに関する不満点に関しては、「現在改善作業を進めているところ」だとコメントした。 ■ コンテンツプロバイダーと消費者の双方が満足できるビジネススキームに ひかり de DVDの今後の位置付けについて、大槻氏は「コンシュマー市場の流れがトリプルプレイサービスへと広がる中で、今後はDVDのダウンロードサービスなども始まり、ホームネットワークやユビキタスも形になりはじめる」とコメント。一方で、ユーザーが求める料金体系としては合計1万円程度が目安になるとして、「他キャリアもそうだが、コンテンツを追加しながら価格を下げていく必要がある」と語った。その上で、ひかり de DVDでは「ビデオのレンタル市場に加えて、これまで重点が置かれてなかったセル市場にも注目してユーザーを取り込んでいきたい」と抱負を述べた。一方で、ひかり de DVDでの権利処理については、「ひかり de DVDのコンテンツは、VODコンテンツやDVDパッケージとして権利処理をするのか、新しい見方で処理をすすめるのか、まだはっきりしていない」と慎重な姿勢を示した。大槻氏は、「権利処理については、コンテンツプロバイダー各社と行なっている意見交換を通じて決まっていく」として、各社と話し合いを進めていく考えだ。 ビジネスモデルに関しては、生産コストや在庫コスト、物流コスト低減によるコンテンツプロバイダー側のメリット、小売価格より割安にコンテンツを購入できる消費者側のメリットをあげ、「双方が喜べるスキーム」を構築したいという。ただし、視聴料金のコンテンツプロバイダーとの割り振りは「非常に微妙で、既存流通と同じ分だけ要求されてしまうとサービスが成り立たない」と説明。この点に関して大槻氏は「最終的に絶対値ではなく、パーセンテージでの割り振りになるのではないかと考えている」と述べた。
■ ＵＲＬ POWEREDCOM FORUM 2005 http://www.poweredcomforum.net/ ■ 関連記事 ・ 「ひかり de DVD」トライアルが9月まで延長。2005年秋に商用化を予定 ・ パワードコムなど、FTTHでDVDレコーダへコンテンツ配信するトライアル （村松健至） 2005/05/25 19:35 |
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