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OSブートに対応! センチュリー「裸族のお立ち台」のeSATAモデル


 センチュリーの「裸族のお立ち台 eSATAプラス(CROSEU2)」は、SATA型のHDDをPCと接続できるようにするクレードルだ。従来製品と比べ、USB 2.0接続はもちろんのこと、eSATA接続にも対応した点が大きな特徴だ。

 eSATAのメリットとしては、転送速度が速い点(理論値で最大3.0Gbps。USB 2.0は最大480Mbps)や、OSの起動をサポートしている点が挙げられる。つまり、OSをインストールしたHDDを本製品に装着し、PCとeSATA接続することで、複数のOSを用いてPCを起動することが可能になるのだ。


「裸族のお立ち台 eSATAプラス」のパッケージ。直販価格は4,580円 製品本体。従来製品と同一のデザインを踏襲している

外観は従来製品と同様。違いはeSATAポートの追加のみ

 本体は以前に紹介した「裸族のお立ち台(記事URL)」と同様にiPodのドックに似たようなデザインで、上部からHDDを挿入して利用する。HDDを取り外す場合は、本体上面のHDD取り外し補助ボタンをプッシュしつつ、HDDを上方に引き抜く構造になっている。HDDは3.5インチのほか、2.5インチも利用できる。

 また、本体カラーも従来モデルを踏襲しており、外見上の違いは背面にeSATAポートが1基追加されただけにすぎない。本体上面にアクセス状態を示す青色のLEDが装備される点も従来モデルと同様だ。いずれの実装も無難にまとめられており、使い勝手で戸惑うことはないだろう。

 インターフェイスは前述の通り、USB 2.0とeSATAの2種類から選択できる。物理的に両方のポートにケーブルの接続は可能だが、PCから外部ストレージとして認識されるのは片方だけになる。ちなみに双方のインターフェイスを接続した状態でPCを起動すると、eSATA側が優先的に認識された。

 本体重量はHDDを含まない状態で630gと重量感があるが、安定性は非常に高い。なお、従来モデルではACアダプタと合わせて4m近くあるなど、異様な長さが際立っていた電源ケーブルだが、今回は無難な長さにまとめられている。


HDDを装着したところ。製品自体の重量が630gあるため、安定性は高いと言える 正面から見たところ。USBハブ機能などは搭載していない

eSATA接続により、外付HDDからのOS起動が可能に

eSATAのケーブルを接続した状態。実際に測定したところ、筆者環境ではUSB 2.0の3~5倍程度の速度でデータを転送できた
 ここでは、eSATAの目玉であるブート機能について見ていく。OSをインストールしたHDDを用意し、本製品経由でPCにeSATA接続すれば、外付けでありながらOSブートが行なえる。今回は機材の関係で内蔵、外付けの双方でWindows XPをインストールして試用したが、対応OSであるWindows Vista/XP/2000それぞれをインストールしたHDDを用意して、用途に応じて交換利用する方法も人によってはあるだろう。eSATA機能のサポートによって、アイデア次第でさまざまな活用方法が考えられそうだ。

 一方で、1つ気になったのは、eSATAによるブートに関する記述が説明書にほとんどないことだ。センチュリーのWebサイトにも「起動方法等に関してはeSATAホストカードの取扱説明書をご確認ください」とだけ記述されており、ほぼユーザー任せの状態である。ターゲットユーザーが上級者であるにせよ、やや不親切な感は否めない。特にデュアルブート環境については難易度も高いだけに、FAQなどの充実を望みたいところだ。


背面部は従来製品と異なり、eSATAポートが向かって右側に装備されている スロットを指で押し開けたところ。3.5インチのほか2.5インチにも対応

競合製品に比べ、コンパクトな筐体サイズ

ロジテック製品との比較。カバーの有無や台座のデザインの違いもあり、見た目の印象は大きく異なるが、機能はほぼ同一である
 本製品の競合は、以前に紹介したロジテックのHDDクレードル「LHR-DS01SAU2」になると考えられる(記事URL)。こちらもHDDを直立させた状態でスロットに挿入し、USBおよびeSATAでPCに接続できるというコンセプトを持っている。唯一、LHR-DS01SAU2にあるUSBハブ機能が本製品に存在しないことが、機能面での違いということになる。

 ただ、機能は同等であるものの、製品の外観は大きく異なる。特にサイズについては、本製品の方がコンパクトである。また、台座部分の面積は、円形であるLHR-DS01SAU2に比べて、省スペースでの設置が可能である。奥行きは94mmで、ケーブルのコネクタが突き出す部分を考慮しても100mmちょっとで済む。LHR-DS01SAU2が170mmあるので、約半分で済むということになる。

 また、LHR-DS01SAU2のようなHDDを覆うスモークカバーが存在しないこともあり、パッケージサイズもコンパクトだ。店頭でこれらの製品が並んで置いてあっても、同一の機能を持った製品とは思わないだろう。


従来製品との価格差を考慮しても「買い」のモデル

 これまでに発売された「裸族のお立ち台」や、USBハブ搭載モデル「裸族のお立ち台Hubプラス」に、第3弾である本製品が加わったことで、ラインナップは磐石になった。また、同シリーズは実用新案登録されており、この分野での同社の優位性は揺るぎのないものになったと言えるだろう。これを受けて、今後、同業他社がどのような手を打ってくるかにも注目したいところだ。

 最後に、本モデルはお立ち台シリーズの中で買いか否かだが、個人的には買いであると思う。というのも、実売価格3,980円のベーシックモデル「裸族のお立ち台」に比べ、本製品は実売4,580円と、価格差は600円程度しかないからだ。eSATAのサポートによって削られた機能もないため、完全な上位互換を実現している。現時点でeSATAを使わない環境でも、これからお立ち台シリーズの購入を検討する場合には従来製品ではなく、本製品をお勧めしたい。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.century.co.jp/products/s-razoku/croseu2.html
  センチュリー
  http://www.century.co.jp/


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(山口真弘)
2008/02/06 11:02
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