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DRM楽曲のサポートで音楽購入もより身近に。東芝「gigabeat G5」


東芝の「gigabeat G5」。実売価格は29,800円前後。写真は限定カラーのサンセットオレンジで、G22/G40にも限定カラーが用意されている
 筆者が現在メインで使っているポータブルオーディオプレーヤーは、ずばりWMA/MP3ファイルの再生に対応したCDプレーヤーだ。主に購入しているCDが、ドキュメンタリーやアニメ、映画のサウンドトラックなどというやや偏ったジャンルのため、短期間にCD-RにMP3ファイルが一杯になるということはない。ただ、それでもCDを買い足すたびにCD-Rを作り直し、徐々に存在感を増してくる退役CD-Rの山を見ると「うーむ、このままで良いのだろうか……」なんて思ってしまう。

 そんなわけで今後のポータブルオーディオライフを考えていたところ、今回紹介する東芝の「gigabeat G5(MEG050)」をはじめ、アップル、ソニーなど各社から新モデルが続々発表・発売され、その思いが一層強まった(苦笑)。

 東芝の「gigabeat G5」は、5GBのHDDを搭載するポータブルオーディオプレーヤーだ。従来のgigabeat G21と比較して、USBバスパワー給電に対応し、著作権保護技術「Windows Media Digital Rights Management(Windows Media DRM)」をサポートしたことで音楽ダウンロードサービスなどで購入した楽曲を再生できるようになった。

 また、G5以外にも20GBモデルの「gigabeat G22(MEG202)」、40GBモデルの「gigabeat G40(MEG400)」も同じく6月に発表されている。G5、G22は7月から発売が開始され、残るG40が9月に登場する予定だ。本体仕様は、HDD容量を除けば大きな違いはないので「どの程度の楽曲数を持ち歩きたいか」または「楽曲のほかにもデータを持ち運びたい」なんて用途に応じて、機種を選択するのも良いだろう。ちなみにモデルごとの保存可能な楽曲数は、G5が約1,250曲、G22が約5,000曲、G40が約10,000曲となっている(WMAまたはMP3フォーマット、128kbps、4分間のオーディオデータの場合)。

 G5の本体サイズは76.5×89.5×12.7mm(幅×奥行×高)で、重さは138g(G22も同一)。重量については特に気にならなかったが、サイズについては実際使ってみると、考えていたよりも一回り大きい印象を受けた。そのせいか、本体右側面に集中配置されたボタンを操作するときには、しっかりと本体を握らないとボタンを押している間に落としてしまうのでないかと少しヒヤヒヤしてしまった。

 同梱品は、ネックストラップ型リモコン、ワイヤードリモコン、ヘッドフォン、ACアダプタなど。このうち、ネック型ストラップはその名の通り、ネックストラップにリモコン機能を持たせたもので、再生や早送り、巻き戻し、音量調整などがストラップに割り振られたボタンを押すことで操作できる。

 このほか、G5では別売オプションとなるが、充電クレードル(G22/G40は標準同梱)のUSBポートにUSB型LANアダプタを接続することで、gigabeatをNASとしても利用できるようになる。こちらについては、4月に発売されたgigabeat G21と同等の機能が実装されているので、槻ノ木隆氏のレビューをご覧いただければと思う。


操作系統は本体右側面に配置されている 実際手に取ってみると、考えていたよりも一回り大きい 製品同梱のネックストラップ型リモコン


音楽ファイルの転送方法は添付転送ソフトとWM9の2種類

「TOSHIBA Audio Application Ver4.1」。ここではMドライブにgigabeatが割り当てられている
 gigabeatへの音楽ファイルの転送方法は2種類ある。1つは添付の転送ソフトウェア「TOSHIBA Audio Application Ver4.1(TAA)」を使う方法。もう1つはWindows Meadi Player 9(WM9)を使用して転送する方法だ。gigabeatで再生可能な音楽ファイルはMP3/WMA/WAVの3種類。前述の通り、Windows Media DRMで保護されたWMAファイル(以下DRM楽曲)も再生可能で、DRM楽曲の転送はWM9で行なう形となる。

 gigabeatとパソコンの接続は、付属のUSBケーブルを使用する。gigabeatの電源を入れた上でパソコンに接続すると、Windows XP/2000の場合は自動ドライバがインストールされる。また、Windows Me/98SEの場合は付属CD-ROMを使用してドライバをインストールする。こちらもすでに触れたように、今回のgigabeatからはUSBポートからの充電にも対応。よって、パソコンの使用頻度が高い場合は、いちいちACアダプタを持ち歩くよりもUSBケーブル1本で転送から充電までをこなしていく方が使い勝手が良いだろう。なお、USB接続中はgigabeat側の操作はできないので注意が必要だ。

 TAAを使用した場合の音楽ファイルの転送方法について説明していこう。やり方はエクスプローラの操作感覚に近い。転送したいファイルをgigabeat内の保存したいフォルダにドラッグ&ドロップ。もしくは編集メニューにあるコピーをクリックして、保存したいフォルダを開いて編集メニューの貼り付けを選択すれば転送が開始される。転送されたファイルは暗号化が施され、拡張子も「.SAT」へと変更になる。

 また、TAAでは同期機能も用意されている。事前にパソコン側のフォルダを指定しておけば、同期ボタンを押すだけで差分ファイルが転送されるので非常に便利だ。このほか、プレイリストの編集やライブラリの設定なども利用できる。

 一方、WM9から音楽ファイルを転送する場合だが、まず最初にCD-ROMに収録された「Windows Media driver for gigabeat」というドライバをインストールする必要がある。その上で、WM9の「デバイスの転送」から転送したい音楽ファイルを選択し、転送先デバイスとしてgigabeatを選択、転送ボタンを押すことでファイル転送が行なわれる。こちらの場合もTAAと同様に、転送後の拡張子は「.SAT」へと変更になる。


デバイスマネージャ上ではTOSHIBA MK5004MAL USB Deviceと認識 WM9上で転送するには事前に「Windows Media driver for gigabeat」をインストール必要がある gigabeatを転送先に選択して転送ボタンを押せば転送が開始される。ちなみにWM9ではCDからデータの取り込みも可能なので、転送までを一括して行なうこともできる

DRM楽曲の転送作業は多少面倒なところも

Excite Music Store
 ここからは、gigabeatと音楽ダウンロードサービスを組み合わせた場合を見ていきたい。gigabeatのWebサイトでは、互換性確認済みの音楽ダウンロードサービスとして、エキサイトの「Excite Music Store」、NTTコミュニケーションズのOCN会員向け「OCN MUSIC STORE」、リッスンジャパンの「Listen Music Store」の3サービスが紹介されているが、今回はこの中から「Excite Music Store」を利用した。ちなみに、同様のサービスはレーベルゲートの「mora」やエイベックスネットワークの「@MUSIC」などがある。

 Excite Music Storeでは、東芝EMIやコロムビアミュージックエンタテインメント、ワーナーミュージック・ジャパンといった音楽レーベルの楽曲が購入が可能。料金は1曲158円~270円で、アルバムは1,395円~2,400円。多少前後するが、他サービスについても、これに近い料金体系となっている。

 購入方法はいたって簡単。気に入った楽曲があれば、ダウンロードボタンをチェックしてカートに入れる。この際、エキサイトID(登録料無料)でログインしてない場合は、ログイン画面が表示される。その後、購入手続き画面で課金パスワードを入力して購入ボタンを押せば、決済が完了する。


購入したい楽曲にチェックを入れて、購入手続きを進めていく。なお、試聴サービスは執筆時点で準備中だった エキサイトIDでログイン後、課金コードを入力することで購入手続きが行なわれる 楽曲のダウンロードはダウンロードリストから行なう。アルバムを購入した場合でも1曲ずつ落とす必要がある

 あとはダウンロードリストから購入楽曲をダウンロードするだけでOKだ。ダウンロードしたDRM楽曲は、同一PC上でのみ再生が可能。このため、購入した楽曲を違うパソコンに転送、再生しようと思ってもライセンス未発行という警告画面が表示され、再生できないので注意が必要だ。

 また、購入したDRM楽曲のポータブルオーディオプレーヤーへの転送はWM9を使用する。転送方法は、普通の音楽ファイルを転送するのと同じだが、DRM楽曲の場合はポータブルオーディオプレーヤーへの転送回数上限を設定されているケースが多い。Excite Music Storeの場合では、転送回数は3回までとなっている。

 筆者の場合、これまでがCDプレーヤーということもあり、gigabeat G5を使用していて大きな不満を感じることはなかった。しかし、DRM楽曲の転送に関しては、Webブラウザでダウンロードした上で、WM9を立ち上げて本体に転送する作業が面倒といえば面倒だった。この点については他社製品でDRM楽曲の購入、転送がシームレスにできるソフトウェアが提供されているので、東芝からも同様のソフトが登場することを期待したい。


DRM楽曲の転送はWM9でのみ可能。転送方法については通常の音楽ファイルと同様 残り転送回数はプロパティから確認できる DRM楽曲をダウンロードしたパソコン以外では再生・転送作業行なえず、上記のようなエラー画面が表示される

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.gigabeat.net/mobileav/audio/
  東芝
  http://www.toshiba.co.jp/
  Excite Music Store
  http://www.excite.co.jp/music/store/

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(村松健至)
2004/08/04 10:58
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