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特定エリアの情報を素早く検索できる「Googleローカル」


「Googleローカル」トップページ
 アタシの住んでる東京下町は問屋や町工場がけっこう多くて、中には変わったものを作っている会社があります。

 以前、オーディオスピーカーの制振用に鉛のおもりを通販で注文したら、すぐ次の日に家のチャイムが鳴りました。ドアを開けると、なんと鉛を作ってる会社の人が直接家に届けに来ていたんですね。実はその製作所は、家のすぐ近所だというからビックリ。話を聞いてみると、よくアタシが散歩で通るコースの途中にありました。小売店と違って、メーカーや問屋は表に大きく看板を出してるわけではありません。だから今まで気付かなかったのも無理はないのですが、こういう店に入ると掘り出し物をゲットできる場合がけっこうあります。

 たとえばアタシは荷物の梱包用の段ボールやエアキャップは、いつも近所の段ボール問屋から直接買ってるんですが、これが驚くほど安い。なにせ中間マージンがほとんど省かれているから、ホームセンターなんて目じゃないですよ。おかげで、日用品を買うときはスーパーや百貨店に行くよりもまず、メーカーや問屋が近くにないかを探すクセが付いてしまいました。これは東京下町に限ったことではなく、どこの街でも探せば意外な会社が近所あったりするものです。

 このような地域限定の情報は、インターネットで探すとなると意外に難しいです。普通の検索エンジンの場合は、大量の検索結果から自分の住んでるエリアの情報だけを抽出するのは面倒ですからね。ところが最近になって、そんな不満を一掃する画期的なサイトが登場しました。「Googleローカル」です。Googleが開始したこの新しいサービスは、地域情報に特化した新しい検索エンジンです。今回はこのサービスについて徹底検証してみましょう!





キーワードと場所で検索

 まずはトップページにアクセスしてみましょう。一見するとGoogleの総合検索と同じに見えますが、よく見ると入力欄が2つあることに気付きます。左欄には「キーワード」、つまり探したい店の業種や扱っている商品などを入れます。右欄は「場所」、すなわち街の名前や住所を入れましょう。ここでは例として左欄に「うなぎ」、右欄に「浅草」と入れてみます。あとは検索ボタンを押せば、そのエリアの中にある該当の店のリストがズラ~っと表示されます。使い方はヒジョーにカンタンですね。

 ちなみにキーワードとして入力するのは、「うなぎ」「ラーメン」などの料理名や、「飲食店」「百貨店」などの業種名に加えて店名などを直接入れてもOKです。居酒屋やコンビニなどのチェーン系の店を入力すると、該当エリアにある店をすべて抽出できます。銀行の支店を検索するときなんかも便利ですよ。固有名詞で検索した場合は、総合検索のようにそのキーワードが含まれるサイトの検索結果が表示される場合もあります。

 リストの店名の横には、入力した「場所」からどれくらい離れているかを示す距離が書かれています。基本的には距離が近い方が上位にヒットする傾向が強いですが、入力したキーワードとの関連性でランクが決定されるようで、遠いところにある店でも検索結果の上位になることがあります。この辺りはGoogle検索で培われたノウハウが生かされているようですね。


「浅草」「うなぎ」での検索結果 詳細情報




タウンページデータベースを基にした地域情報サイト「iタウンページ」

 検索結果のリストを見ると、店名の他に住所と電話番号もきちんと書いてあって、まるで電話帳みたいです。それもそのはず、このデータベースの基となっているのは、NTT東日本やNTT西日本が持つ“タウンページデータベース”です。つまり、電話帳と同じ情報量を持っているわけですね。

 タウンページと言えば、本家本元の「iタウンページ」が思い浮かびますが、実は両サイトには少し違いがあります。それはキーワードに対する考え方なんですね。iタウンページで「うなぎ」「浅草」で検索した場合、「うなぎ料理店」「日本料理店」「すし店」「持ち帰りうなぎ」などさまざまな業種の選択肢が表示されます。また、住所も「東京都台東区浅草」と「岐阜県大垣市浅草」の2つの選択肢が表示されて、そこから選ぶ必要があります。

 この辺はGoogleの方はアバウトで、「うなぎ」と「浅草」だけですぐにパっと結果が表示されます。Googleは何も考えずに気軽に検索できる感じなのに対して、iタウンページの方はきっちり細かく調べたい場合に便利な気がしますね。また、Googleではトップページの検索画面に「この場所をデフォルトにする」というチェックボックスが用意されていて、この機能を上手く使えば、次にアクセスしたときにも同じエリアの情報を検索できる点が便利です。自分が検索するときの状況に合わせて、2つのサイトを上手く使いわけるのが吉ですね。


「iタウンページ」トップページ




ドラッグでスムーズなスクロール

 さて、Googleローカルのもう1つの大きな特徴はマップです。リストの横に表示されるマップを見てください。このマップには一画面の中にリスト上の店の場所がすべて示されているので、各店の位置関係がヒジョーにわかりやすいです。それぞれの店の場所はアルファベットが割り振られているんですが、各アルファベットをクリックすると、店名・電話番号・住所がポップアップで表示されて、これまた親切ですね。

 しかもこのマップ、スクロールの仕方も一味違います。従来の地図サービスでは、カーソルボタンをクリックすると隣エリアの画像をいちいちダウンロードし直してましたが、最近はつなぎ目のないスムーズなスクロールを実現した地図サイトがちらほら登場してきました。このマップも同様で、左上のカーソルボタンのほか、マップを地図上で直接ドラッグさせることで、上下左右へ自由にスクロールが可能です。もちろん、カーソルの下にある「+」「-」ボタンを押せば、縮尺も変えられますよ。


マップ拡大画面




衛星写真も見られる

 さらに、もっとスゴイ仕掛けがあります。実は右上の「サテライト」というボタンを押すと、マップに表示されたエリアを俯瞰した衛星写真が見られるんですね~。実際に見るとわかりますが、こりゃド迫力ですよ。試しに浅草の写真を見てみたんですが、仲見世商店街のアーケードがくっきり映ってます。この写真を見れば、マップを見ているだけではわからないその街のビミョーな雰囲気もわかりますね。

 もちろん、マップと同じようにアルファベットで店の位置が表示されていますし、ドラッグによるスクロールも可能です。また、マップの左下にある「拡大地図を表示」をクリックすると、もっと広大なエリアを確認できますよ。欲を言えば、もう少し写真を高精細に拡大できると小さな民家の様子などもわかるんでしょうが、あまりに詳しい部分まで鮮明に閲覧できるとなるとプライバシーの問題もあるだろうし、これは仕方がないでしょうね。

 特定エリアに絞った地域情報を検索できるGoogleローカルは、従来の検索サービスとは一味違った、新たな方向性を示しているのかもしれません。まだベータ版の段階ですが、今後は検索結果ページから、店や会社の公式サイトに直接飛べるようにするとか、さらに便利さを追求していってほしいです。本格稼働の日がホントに待ち遠しいですね。では、また!


衛星写真

関連情報

URL
  Googleローカル
  http://local.google.co.jp/
  iタウンページ
  http://itp.ne.jp/

2005/08/08 11:12

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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