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趣味や仕事に役立つ歴史情報を調べられる「歴史検索サイト」


 長年、NHKの大河ドラマを見ることのなかったアタシですが、珍しく今年の「義経」は欠かさず見ています。日本の歴史の中でも、個人的にこの時代はとくに好きなんですね。源平の対立もさることながら、奥州に絢爛たる文化を築いた藤原氏の存在など、ワクワクする要素がたっぷりあります。それにしても、平家滅亡の立役者となった義経が一転して頼朝から追われる身となっていく姿を見てると人間というのは一寸先は闇なんだな、と思い知らされますね。過去の歴史というのは、純粋にエンターテイメントとして楽しめるだけでなく、教訓のようなものも学べる貴重なコンテンツだと思います。

 しかも、インターネット上には歴史をテーマにしたWebサイトがたくさんあります。これらのサイトは個人や研究者、企業などさまざまな人や組織が作っていて、どれもバラエティに富んだものばかりです。さらに、最近では歴史を調べることに特化した「歴史検索サイト」や、歴史関連のWebサイトを集めたデータベースサイトなども増えてきました。歴史フリークや受験生はもちろん、趣味や仕事のために歴史を調べたいと思っている方は、要チェックですよ!





膨大な歴史データ

「歴史データベース on the Web」トップページ
 まず最初にオススメするのは、「歴史データベース on the Web」というサイトです。このサイトは宇宙の誕生から現在までを網羅するデータベースで、情報量は約66,000件にも及びます。とにかくシンプルに「何年何月何日に、どんなことが起きたのか」という史実を集めている点が魅力ですね。トップページにアクセスするとわかりますが、デザインもすっきりとしていてわかりやすく、誰でも簡単に使いこなせるでしょう。検索方法も優れていて、全文キーワード検索のほか、分類検索、国ごとの選択、年代(西暦)での検索、年代(和暦)での検索と、さまざまな角度から検索できます。

 とくに「分類検索」はスゴイですよ。たとえば大分類で「産業」を選んだ場合は、さらに小分類で「農業」「林業」「漁業」「工業」「コンピュータ」「通信技術」など、計20の分類から細かく選べるようになっています。ここで「農業」を選択すると、紀元前7,000年にペルーでインゲンマメが栽培されたことや、1,740年に鳥海山が噴火して田畑が被害を受けたこと、そして1996年に新しいコメの表示制度が始まったことまで、実にいろいろな史実が出てきます。歴史辞書はCD-ROMなどでも発売されていますけど、こういう分類検索ができるデータベースってのは珍しいのではないでしょうか。特定のジャンルに絞った史実がズラ~ッと並んだのを見ると、なかなか壮観ですよ。大昔から現在まで一気に通して見ると、かなり読み応えがあります。

 また、「この日のできごと」というコーナーもお見逃しなく。これは指定した月日に起きた史実だけを検索できるコーナーです。よくニュース番組でこれと同じような企画がありますが、たとえば自分の誕生日には何が起きたのかを見るだけでも面白いですよ。とにかくこれだけ膨大な量のデータベースが無料で検索できるってのはエライ!


分類検索 検索結果




人物・イベント・出来事が検索可能

 さて、お次は「歴史データベース on the Web」の「この日のできごと」に似た機能を持つサイトをご紹介しましょう。「時間・空間あらかると」というサイトです。まずはトップページにアクセスしみましょう。1年間分のカレンダーが表示されますので、どれか適当な月日を選択してみます。すると、その日に生まれた歴史的人物のリスト、世界のイベント、歴史上の出来事と、3つの項目についてそれぞれリストが表示されます。

 たとえば「文化の日」の11月3日をクリックすると、この日に生まれた人は戦国武将の「武田信玄」や科学者の「ダニエル・ラザフォード」、作家の「アンドレ・マルロー」などの名前が出てきます。面白いのは、それぞれの歴史的人物の横に「満年齢」が表示されていることです。この年齢は没年齢ではなく、もし生きているとしたら今は何歳か、という数字なんですね。たとえば武田信玄の場合はなんと483歳! この年齢のおかげで、どれくらい前の人なのかが一目瞭然です。一方、11月3日の「世界のイベント」としては、「文化の日」のほかに「ハンカチの日」「レコードの日」「文具の日」などが挙げられます。さらに「歴史上の出来事」では、1890年の「帝国ホテル(初のホテル)開業」や1940年の「初のカラーフィルム発表」、1949年の「湯川秀樹ノーベル物理学賞」などが出ました。いずれの項目でも、検索結果をクリックすると検索エンジンに飛ぶようになっています。「この人、誰だっけ?」と疑問に思ったら、すぐに調べられるので便利ですよね。

 また、より詳しいリストが見たい場合は、左メニューの上部にあるカウンターに年月日をセットして「表示」ボタンを押し、「出来事」ボタンをクリックしましょう。ここでの検索結果は、カレンダーから月日を選択した場合よりも、はるかに多い数になるはずです。ちなみに11月3日の場合は、241件もヒットしました。「歴史データベース on the Web」に比べると、つい最近のニュースなどもカバーしているので、2つのサイトを上手く使いわけてくださいね。


「時間・空間あらかると」トップページ 詳細検索




歴史関連のWebサイトを検索可能

 最後にご紹介するのは「歴史サーチ」というサイトです。このサイトは前述した2つのサイトのような史実を検索するためのデータベースではなく、歴史に関するWebサイトを集めたデータベースです。登録されているWebサイトはかなり多く、これらの中からキーワード検索できます。また、カテゴリー別にも分類されていて、「日本史」「中国史」「その他東洋地域」「西洋史」「各国史」「各国史その2」「歴史関連WEB」と7種類もの大分類が用意されています。とくにアジア史やアフリカ史、南米史など、日本人には馴染みの薄い地域もきちんと抑えられているのがウレシイですね。

 また、各カテゴリーの小分類には、「文学・関連マンガ」や「ゲーム」なども用意されていたり、「歴史関連WEB」には「イラスト・マンガ」「同人・サークル」なんてのもあります。かつてアタシも「信長の野望」などの歴史シミュレーションゲームにハマッったことがありますが、若い人はゲームやマンガから歴史に興味を持つことが多いですからね。このように、真面目な歴史考察からゲームやマンガまで、硬軟幅広く取り揃えられている点がイイですね。

 あと、ユニークなのが左メニューの中の「歴史の謎解明」「歴史人物事典」「歴史『究極の選択』」や「歴史IF議論」というコーナーです。これは歴史上のナゾや人物にスポットを当てていろいろな人がコメントを付けていくコーナーで、掲示板のような使い方もできますよ。このほかに、「歴史チャット」というチャットコーナーや総合掲示板、「歴史メールフレンド募集コーナー」など、数ある歴史サイトの中でも、とくにコミュニケーション面が充実している点が魅力ですね。歴史を通じて、いろいろな人との出会いを楽しんでみてはいかがですか?

 とにかく歴史というのは人によって好みや得意分野がさまざまなので、このように個人のサイトまで網羅した検索サイトがあると助かりますよね。ブックマークに入れておいて損はありませんよ!


「歴史サーチ」トップページ 歴史人物辞典

関連情報

URL
  歴史データベース on the Web
  http://macao.softvision.co.jp/dbpwww/
  時間・空間あらかると
  http://www7.big.or.jp/~fujiko/cal_aracalt.htm
  歴史サーチ
  http://www.rekishi.jp/

2005/10/31 11:04

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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