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「ライフプランシミュレーションサイト」で将来設計を立てよう


 その昔、アタシが会社を辞めて独立したときのことです。厚生年金から国民年金に切り替えようと役所に行ったら、なんと自分には年金の未払い分があるということがわかりました。よくよく調べてみると、社会に出て初めて入った会社から、次の会社に移ったときの1ヶ月間分だけ支払われていなかったそうです。もし会社を辞めなかったらこのことはわからなかったわけで、けっこう驚きましたね。ちょっと前まで国会議員の年金未納が問題になってましたけど、支払い忘れる人がいてもおかしくないと思いますよ、ホント。みなさんも、自分が年金をきちんと払っているかどうか1度調べてみることをオススメします。

 だいたい、自分が老後になっていくら年金が貰えるかも、ふだんはあまり考えたことないですからね。年金に限った話ではないですが、とにかくお金に関する話ってのは複雑です。でも、現代で生きていく上で避けては通れないわけで、たまには腰を据えて将来のことをきっちり考えることも必要かもしれません。そのために活用したいのが、最近増えてきた「ライフプランシミュレーションサイト」です。年金や保険、ローン、税金など、お金にまつわるさまざまな要素をシミュレーションしてくれるこれらのサイトを活用して、賢く人生設計してみましょう!





生活設計や資金プランのシミュレーション

「マネー情報 知るぽると」トップページ
 この手のサイトは、探してみると意外と多いものです。銀行や保険会社など、金融関係のWebサイトでよく提供されていますね。中でもオススメなのが、「マネー情報 知るぽると」というサイトです。このサイトを運営しているのは、政府や日本銀行、民間団体などと協力しながら金融に関する広報活動を行なっている「金融広報中央委員会」という組織です。長い歴史を持つ組織だけあって、コンテンツの内容もなかなか充実していますよ。トップページ左メニューには「暮らしに役立つ金融経済情報」「生活設計のすすめ」「家計クリニック」などをはじめ、さまざまなコーナーが用意されています。

 これらの中にはシミュレーションツールが利用できるコーナーがいくつかあります。ツール群は右メニューの「各種診断・計算ツール」にまとめられているので、すぐにシミュレーションを試してみたいという人は、こちらにアクセスしましょう。今後の生活の診断をしてくれる「生活設計診断“ミニ”」や、生活設計の足がかりとして必要な資金計算を行なう「資金プランシミュレーション」、老後の年金受給額を計算できる「年金シミュレーション」などが用意されているほか、無償の家計簿ソフトや資産管理簿ソフトのダウンロードコーナーがあります。





家族構成や収入から生活設計を診断

 まずは「生活設計診断“ミニ”」を試してみましょう。ここでは家族構成や出産予定、収入、貯蓄、老後の予想生活費など、かなりたくさんの入力項目が用意されています。すべての項目に答えていくのはちょっとシンドイですが、しっかりシミュレーションしようと思ったら、これくらいの苦労はしょうがないのかもしれませんな。入力し終わったら「診断」ボタンを押せば、結果がイラストとテキストで表示されます。天気予報のように「太陽」や「雲」で年代別の暮らしのゆとりを表わしていて、とてもわかりやすいですね。また、下の方にスクロールさせると、消費スタイルや老後生活についてのアドバイスも表示されます。診断ボタンの「表あり」を選んだ場合は、何歳のときにどんな資産状況なのかも具体的にわかりますよ。

 今度は積み立てや支出、借入限度額などを試算できる「資金プランシミュレーション」を見てみましょう。このコーナーには簡単におおまかな計算ができる「らくらくシミュレーション」と、詳しい計算のできる「しっかりシミュレーション」の2通りあるので、まずは「らくらくシミュレーション」から試してみるといいでしょう。

 最後は「年金シミュレーション」ですが、ここでは職業や生年月日、公的年金の加入期間、月当たりの報酬額の平均などを入力することで、65歳以降の受給見込額を計算できます。大まかな計算ができる「老齢年金早分かり」に加えて、「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」などさまざまなメニューが用意されているので、幅広い人に対応できますよ。

 どのシミュレーションもかなりプライベートな情報まで入力しなければなりませんが、利用にあたって氏名や住所を入力したり、会員登録したりする必要は無いので、誰でも気軽に利用できるのではないでしょうか。


「生活設計診断“ミニ”」 「生活設計診断“ミニ”」シミュレーション結果




相続税や贈与税の計算が可能

 同じようなサイトはほかにもあります。JAバンク大阪が運営する「FP(ファイナンシャルプランニング)シミュレーション」もその1つ。このサイトには「知るぽると」と同様に、生活設計を診断できる「ライフプランシミュレーション」や、「年金シミュレーション」などがあります。その一方で、相続税がいくらになるかを計算できる「相続シミュレーション」や、贈与税を計算できる「贈与税シミュレーション」などの税金の試算や、住宅ローンのシミュレーションなども用意されています。

 「相続シミュレーション」については、大まかな計算をする「簡単相続シミュレーション」と、より細かい計算ができる「一般相続シミュレーション」の2種類が、住宅ローンのシミュレーションでは「新規借り入れシミュレーション」と「借り換えシミュレーション」の2種類が用意されており、幅広いケースに対応できますね。また、金融商品の試算が簡単にできる「金融計算シミュレーション」というコーナーもあるので、金融商品を検討している人には役立つと思います。


「FPシミュレーション」トップページ 「簡単相続シミュレーション」




生涯の生活資金が手軽に分かる

 最後にご紹介するのは、郵便局の簡易保険「かんぽ」です。トップページ左メニューの「かんぽの保険」の中から「私にあった保険は?」をクリックして、プルダウンメニューの中から「人生設計」を選択してください。このコーナーでは、自分と家族の名前と生年月日を入力するだけで、今後生活していくためにいくら必要なのかをすぐに計算できるようになっています。「知るぽると」や「FPシミュレーション」よりも入力する項目ははるかに少ないので、手っ取り早く生涯に必要な生活資金を知りたいという人にはオススメですね。

 生活資金を1カ月30万と設定した場合の、かなり大雑把な資産ですが、「この先、どれくらい稼げばいいのか」という目安にはなると思います。具体的にいくら必要なのかがストレートに出るので、ヒジョーにわかりやすいですよ。とりあえず、今まであまり将来のことを考えてこなかったという人は、こういう手軽なサイトをきっかけにして、本格的に人生設計に取り組んでいくと良いかもしれませんね。では、また!


「かんぽ・人生設計」トップページ シミュレーション結果

関連情報

URL
  マネー情報 知るぽると
  http://www.shiruporuto.jp/
  FPシミュレーション
  http://www.jabankosaka.or.jp/pb/index.html
  かんぽ 人生設計
  http://www.kampo.japanpost.jp/hoken/lifeplan/index.html

2005/11/07 11:11

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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